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田英夫とジャーナリストの会「直言・極言」第74号
▼部分最適化の果て
A 東日本大震災から三カ月余り経つ。未曾有の国難の時期に政局がどうのこうのでは
あるまいという批判があったし、今も国民大多数がそう思っているのに、菅降ろしばか
りがクローズアップされてしまった。被災地の人々ばかりではなく、一般市民だってあ
きれ返ってテレビを観る気も新聞を読む気にもなれない。どうしてここまでずれちゃう
のか。
D 菅を批判する人は多いが、それなら「お前、代わりにやってみろ。何ができるのか」と言われて、答えられそうな人がいない。国家戦略も無ければ、国民の支持を取り付けるだけの度量のある人材もいない。
C この窮状は現代日本社会が「部分最適化」だけ追及してきて、全体としての最適化の装置を欠いていたことの結果じゃないか。「自己責任」とか「企業として最善の行動」とか言って、そうしたことが国全体としての利益を失わせたり、損ねたりしても無関心なのだ。
民主党がマニフェストで攻撃してきた官僚制度がその代表で、行政単位である各省が自分の担当範囲での利害、つまり省益ばかり追求して全体の利益を損なう。こうした個別利害を乗り超えて、全体の最適化を図るのが政治のはずだが、菅政権は全く機能していない。日本のあらゆる組織は現場に自由にやらせつつ、トップが指揮監督する体制をいつの間にか失ってしまった。
B そうした欠陥が露呈したのが福島原発事故だ。いわゆる「原子力村」といわれる原発推進派の官・学専門家たちは反対意見には全く耳を貸さず、自分たちの周りを城壁で固めてしまった。そして「俺たちが一生懸命やっているからこそ日本の産業は栄え、国民も電力を十分に使えているではないか」と慢心していた。自民党政権時代は原発族の政治家と官僚が一緒になって「部分最適化」の理屈でお茶を濁してきた。その官僚への見返りが天下りで、学者連中には各種諮問機関での役職が与えられた。今回のように全く未経験の問題が起きると、指揮系統からしてマヒし、対応できなくなったのだと思う。
D 自己完結してしまっているから外部を知らず、情報公開など軽視していた。破滅的な事態になり、国際社会からは「日本の発表は信用できない」と批判されるようになって情報を小出しにする始末。しかし指揮命令系統がいつまでたっても確立せず、東電の事故隠しに右往左往して時間を空費した。
A 第一原発で注水をストップした、しないが問題になったが、第二原発がうまくいったのは東電のトップが第一原発に目を奪われてしまい、第二原発は所長任せにしたため、結果論だがうまくいったとも言われている。
C 今回、東電側は想定外の津波のために問題が起きたと抗弁しているが、実は津波が来る前に地震でパイプが破断していたようだ。それを公表しなかったのは、全ての原子炉の耐震基準を見直さねばならなくなるのを嫌がったからで部分最適化の典型だよ。
E 東電側は施設の重要部分が津波以前に破損したことはないと説明しているが、信じられない。メルトダウンだって隠されていたのだ。IAEA(国際原子力機関)の調査団が派遣されてきたので、ウソを報告するわけにもいかず、真相を少しずつ認めて公表したわけだ。メディアは完全になめられていた。国民は今でも馬鹿にされているのだが、なぜか反応が鈍い。
C 少しでも物理学の知識のある人ならメルトダウンの場合しか飛散しない放射性物質が検出されたことで、メルトダウンが起きたと推定できたはずだが、声を大に警告する学者もいなかった。及び腰だった。
B 今や指導的な原子力学者たちは原発廃止に傾いている。原発が無いとエネルギー需給バランスが保てないという過去の通説が妥当だったかどうかだが、どこもきちんと説明しないが、必ずしもそうではないという意見が有力になっている。LED電球ひとつとっても大きな省エネが実現されているし、エネルギー利用の効率化はものすごいスピードで進んでいる。東大の小宮山宏前総長(現三菱総研理事長)も「30年たったら自然エネルギーが原子力エネルギーに代わるよ」と言っているし、現在、定期検査でストップした原発の再稼働は無理と見られている。数年で日本の原発は全て動かなくなり、原子力発電はゼロになると予測する学者もいる。
A ちょっと待った。小宮山氏は六月の東電定期株主総会で社外監査役に留任したよ。これだけの事故を起こした企業を監視する役目を果たせなかったという責任も感じていないようだ。年間十回程度の会議に出席したら、1千万円も役員報酬がもらえるのだから辞めないはずだ。彼は太陽光発電の推進役だが、その一方では地球環境工学の権威として、原発がCO2を出さないクリーンエネルギーだと容認していたはずだ。
▼原発に替る選択肢
E 日本学術会議が東日本震災対策委員会をつくって、もう6回も提言しているが、その「エネルギー政策の選択肢分科会」が6月25日、「電力供給源に係る6つの選択肢」を提出した。委員長は超電導の研究で知られる北澤宏一元東大教授(現科学技術振興機構理事長)で脱原発派だ。選択肢を紹介しておこう。1.原発を速やかに全面停止し、火力発電で代替しながら再生可能エネルギーに移行する 2.5年程度で電力の30%を再生可能エネルギーと省エネで賄い、原発に代替する。この間に原発の安全性を高める 3.前記期間を向う20年間とする 4.同30年間とする 5.原発を現状維持しつつ、再生可能エネルギーの導入拡大を図る 6.原発を将来における中心的な低炭素エネルギーとして位置付ける。
対策委は選択肢1.では放射性廃棄物の処分場所を早期に探さねばならず、同時に電力不足にも耐える必要があるし、2.では新産業の立ち上げに巨大な投資が必要となるので電力料金の値上げは必至としている。素人から見ると腰の据わらない提言だね。哲学に欠けている。
B 仏ド─ビルでのG8サミットで、菅首相は2030年までに再生可能エネルギーの比率を20%にまで上げる案を前倒しして2020年までに実現するとしている。落差があり過ぎてまた思い付きだ。
A 分科会内部では、今の菅政権ではすぐ止めるか、5年後かの中間で決着がつきそう
だという見方が多い。原発を定期検査で停止したら再開は不可能だから、数年以内に原子力発電はゼロになるという見通しだ。そうなれば、日本の原発体制は自然崩壊するとみた方がいい。
C 脱原発で再生可能エネルギーに転換する際には、発電主体と送・配電主体を分離し、地域で発電して地域で消費するシステムに切り替えないと機能しない。イギリスが1990年に切り替えたのを始め。ヨーロッパ諸国もそうした方向に動いている。ところが日本では東電など10電力会社が躍起になって地域的独占体制を維持しようとしている。
B 原子力発電によりかかっで食っている企業、人間がたくさんいる。ものすごい抵抗があるだろうね。東電はすでに夏のピーク時の電力不足を誇大に宣伝して不安を煽っている。
E そうは言っても、日本は島国だからドイツのように地続きのフランスから原発エネルギーを買うというわけにはいかない。安定したエネルギーは当分の間、原発しかないと思う。化石エネルギーも資源的に限界にきていることだし。結局、原発の安全性を強化するほか策が無いのではないか。フランスは非常事態用の電源を4系統に増やし、メルトダウンしても炉下にプールできる装置を設置するとかの安全システムを実現していると宣伝している。原発を全面地下に埋めてしまう案もある。費用は従来よりも40%も高くなるが、安全性を強調して世界に売り込もうと必死だ。
A これだけの事故が起き、膨大な補償と復旧費用がかかると言うのに、原発がコスト安なんてとんでもない。いったん事故を起こしたら回復するまでに何十年、何百年もかかる。大気汚染、海洋汚染などの被害を考えたら、コストが安いなどというのは大間違いだ。
C 放射性廃棄物の問題は解決の見通しが皆無だ。世界で唯一、フィンランドが深さ500メートルの穴を掘って埋め、半永久保存している。一説によると、広島原発125万発分の廃棄物が既にたまっているとも言う。アメリカと日本がモンゴルに廃棄物貯蔵地を設置することを検討中という報道があったが、外国に引き取ってもらって解決するという問題ではあるまい。
D ロケットで地球の引力圏外に運び、無限に広い宇宙に捨てるのはどうだ。
E 引力圏外に飛び出す前に事故を起こしたら、地球に廃棄物が落ちてくる危険がある。宇宙案はとっくにボツになっているよ。使用済み燃料の廃棄物処理の問題はトイレのないマンションと同じだと言われているほどだ。
C 原発の安全性をいくら高めても、想定外のことは起こり得る。飛行機が墜落したり、ミサイルの攻撃目標に選ばれたり、テロの対象になったりするのを防げない。東電はじめ政府は原子力への依存をきっぱりとあきらめ、自然再生エネルギーに頭を切り替えるべきだ。
B 話は違うが、ソフトバンクの孫正義氏が菅に接近して、太陽光発電所の設立をぶち上げるなど、反原発を掲げて注目されている。菅がサミットで太陽光発電など自然再生可能エネルギーの比率を20%にまで上げるとぶち上げたのも孫氏の入れ知恵らしい。孫がけしからんのは、ビジネスチャンスにしようという野望が見え透いている。アメリカで破綻したエンロンと同じ発想で、電力の取引市場を設置して投機対象にしようという魂胆かも知れない。エネルギーの流通市場化は危険だよ。
E 孫は自治体から土地を提供させてメガ太陽光発電施設を運用したり、電力消費者側が特殊な費消電力計測器を備えて、電力会社と交渉できる双方向配電システムの構築などを狙っているようだ。
A 菅はサミットでの発言を貫き通せばよいのに、帰国したとたんに「閣議に諮らなかったのは申し訳ない」と謝ったという話だ。浜岡原発の操業停止では、英エコノミスト誌が「日本の政治家に珍しく民意を先取りした英断は正しい」と絶賛したのに、すぐに「原発は推進します」と発言して失望された。菅は肝が据わっていないというか、信念がない政治家だ。
▼世界に広がる再生可能エネルギー
B 自然再生エネルギーとなると天候に左右されたりして今のような安定した電力ではなくなる恐れもある。国民一人ひとりがそれでOKなのかどうか、よく考える必要がある。デジタル機器を使って電力需要を調整する「スマートグリッド」なり、風力なり太陽光を使うにしても、自分で使う電気を自分でコントロールするというマインドになれるかどうかがカギだと思う。
E 今の若い人たちはそういうシステムは必要と実感すれば、素直に推進しようとするのではないか。問題はメディアがその気になるかどうかだ。政府や電力会社に洗脳され、取り込まれている人たちが多いからね。
D アメリカは1979年のスリーマイル島原発事故から原発は1基も増やしていない。カーター大統領は10数か所の建設計画の申請を受理しなかった。それがオバマ大統領になって解除された。
A 2008年にブッシュ大統領が核不拡散条約に加入していない核兵器保有国のインドに対し核関係機材や核物質を売るような無原則な規制緩和をやった。そこから流れが変わって、日本も原発の輸出に力を入れるようになった。
B しかしアメリカではここ数年、原発より安上がりなシェールガスの開発が進み、原子力発電の必要性は減ってきているようだ。
A そんなことを言っても、地球規模で言えば再生可能エネルギーだけで膨大な電力需要を賄いきれないことは目に見えている。あと何十年は原発に依存しなければならないだろう。フランスも中国も原発を他国に売りさばいて儲けようという魂胆を捨てるつもりがない。安全面で不安の多い発展途上国や独裁国家に原発が広がる傾向があることを見逃してはいけない。
C 日本の材料工学は世界でもトップクラスだ。効率の良い太陽光電池の開発に研究者や企業の関心が高く、エネルギー変換効率のいい製品ができる可能性は大きい。洋上風力発電も日本は島国で海岸線が長いから可能性は強い。話を聞いて驚いたが、世界の風力発電量は現在すでに原子力発電とほぼ匹敵するぐらいの容量に達しているという。だから馬鹿にはできない話になっている。
A 日本では電力企業や原子力村の宣伝が激しく、自然再生エネルギーの可能性は薄いとか、供給の変動が激しいので使い物にならないという見方が広まっている。東京電力の広報費は表分だけで235億円。電事連の広報費や政治家に対する隠れ献金も含めると莫大な原発維持対策費がばらまかれている。中国の自然再生エネルギーに対する開発投資は世界一で、欧米やインドも並んでいるのに、日本は20位以下というのが現状だ。自然再生エネルギーはものにならないという洗脳が効いてしまって投資が遅れた。
E 太陽発電では数年前は日本が世界一の技術を持ち、開発が進んでいると言われてきたが、あっという間にドイツに抜かれてしまった。それは経産省が原子力発電に依存し過ぎて、太陽光発電に対する開発補助金など止めてしまったからだ。
B ワールドウォッチの世界の発電量調査によると、2010年、風力、太陽光など再生可能エネルギーが初めて原子力発電を上回り、逆転したというニュースが共同通信電で流れている。
D ニュージランドはフランスの核実験に抗議して以来、原発はつくらず、地熱発電がかなりのウェイトを占めているが、発電システムなどは日本製だという。日本も各地の温泉で地熱発電が技術的には可能だが、温泉は環境庁の管轄で、自然破壊だとか観光にも影響が出て来るとかで簡単ではない。
E 今日、最も必要とされる人材は故高木仁三郎のような正義感に燃え、ぶれない発言をする専門家だ。高木は当初、問題意識のない研究者だったが、ある時から原発の抱える危険性に目覚め、反原発運動の先頭に立った。電力業界はさまざまな手練手管で押さえ込みにかかったが、はねつけた。
▼原子力村の村八分
C 立命館大の安斎育郎名誉教授氏は1960年に発足した東大工学部原子力工学科の一期生15人の一人だが、原発の危険性を指摘し、原子力政策を批判したため、17年間ずっと助手のままだったという経歴の持ち主だ。彼によると、原発は事故が起きたときのコストがあまりにも大きいし、大量の使用済み燃料処理の方法、コストもはっきりしないので、一般の金融機関はプロジェクトを融資の対象にしないという。このため、「一定限度を超えたリスクは国が肩代わりする」という国家の後押しが前提になる。だから反原発はイコール反国家とされ、反対派の研究者が追放されてきた。彼は原子力業界が批判を受け付けない「村社会」になるのは当然だったと言っている。反原発を打ち出すと有形無形の圧力がかかり、最後は村八分にされて潰されるのが現実だから、反原発の研究者が生き残ることが難しい。
A 京大原子炉実験所助教の小出裕章氏は東北大学工学部原子核工学科に在学中、女川原発に対し反対する地元住民の「原発が安全と言うなら仙台市に建設すればいい」という言葉に触発されて、反原発に転じた人だ。京大原子炉実験所でもずっと助手を続けているが、反原発に回ると准教授にもなれない。テレビなどに登場する教授の肩書を持つ人たちは原発推進派だったことがわかるし、その発言を安易に信用してはいけない。
D フクシマ原発事故の収束対策で、政府がいつまで経っても前面に出ず、事故の直接責任者である東電がいつまでも説明役になっている。次から次へと失態が後出しで表面化するのに、事故検証委員会の任命すら無い。菅首相は反原発ではなくても、せめて中立的な専門家を探し出し、政府から独立した権限を持つ事故検証委員会を任命すべきだ。政府の色がついた調査機関はもはや国際社会からは信用されない。最悪の選択かも知れないが、人材がいなければ外国人主体の検証委員会にすべきだという人もいる。
B スペースシャトル「チャレンジャー」の墜落事故のために設置された「事故調査大統領委員会」(通称ロジャーズ委員会)のメンバーには宇宙開発と関係ない人も入った。ノーベル賞を受賞した理論物理学者のリチャード・ファインマンもその一人で、自分自身でNASA宇宙センターに行って調べ、パッキング(Oリング)が低温で不具合になるという欠陥を見つけた。
E 原子力科学者ばかりではない。菅首相が「復興構想会議」の議長に指名した五百旗部真防衛大学校長だが、政治学者にしては戦略的発想に欠ける。6月下旬に提出した「提言」はひどい。骨太の文明論でも押し出すかと思ったら「増税やむなし」だけの下手な技術論で官僚の作文よりひどい内容だ。週刊誌の言う通り駄文で読めたものではない。曲学阿世の徒だよ。
▼菅降ろしの田舎芝居
D 菅降ろしの話に移ろう。内閣不信任決議案上程前夜の菅・鳩山会談での証文取り交わしの話がこじれたら、鳩山が菅をペテン師呼ばわりした。同じ党に所属する前首相が現首相に対して発する言葉ではない。このお坊ちゃん政治家は人間的にも破産しているよ。被災地の人々がどんな気持ちでこのどさ回り芝居を眺めていたのかもわからないのだ。
A 復興対策は進んでいない。被災民の生活再建の第一歩になるはずの仮設住宅計画すら遅れている。ライフラインが復旧しても、被災者には冷蔵庫も無ければ洗濯機も無い。当面の生活再建資金すら準備できない。原発問題では菅と海江田経産相の発言が年中、食い違ったままで、調整もきちんとやれていない。菅の統率能力が問われる事態が続いている。
C 菅は原発再開に確信が持てないくせに、脱原発で開き直る勇気もない。フクシマ事故が収束したら原発に頼りたいのが本音のようで、チェルノブイリを超える重大事態が起きたことを認識する政治家としてのセンスに欠ける。末梢的な地元対策で何とかしたいものだから、海江田と立場は同じと言ってみたり、修正してみたりの繰り返しになった。
B その及び腰が遂に九州電力玄海原発の再開という突破口を塞いでしまった。九州電力の姑息な「やらせメール」事件というオマケ付きだ。これで電力業界全体が東電と同じ体質であることも明々白々になってしまった。
E ドイツのメルケル首相の決断は、むしろ日本政府が率先して打ち出すべき態度ではないか。しかし、財界はさまざまな理由を言い立てて未練がましいし、メディアは曖昧な態度に終始している。
D 菅は退陣前の条件の一つとして自然再生エネルギー特別措置法案のメドを付けることを挙げたのだが、彼の自然エネルギーに対する執念は本物とは思えない。解散の名目にしようと考えたのなら、したたかだ。
C 小泉の「郵政解散」を真似して、脱原発是か非かの争点で逆転勝利の夢を描いているのかも知れない。自民党側は警戒しているよ。
A だから、自民党の谷垣総裁は首班交代を受け入れるつもりのようだ。協力すると言っている。大連立はもはやあり得ない。結局、政治的空白が続き、時間も空費される。国民にとってはゆゆしい事態になりつつある。
E いずれにせよ菅は死に体だが、民主党内でのたらい回しになるんだろう。
次は野田財務相の名が上がっているようだ。菅の退陣と首班交代の時期は8月末ごろだろう。野田になっても。あるいは前原になっても反原発には踏み切れそうもないな。
A 最近の失態続きで菅にはもはや後継者指名の力も残されなくなるかも知れない。野
垂れ死にだね。
B 選挙をやれば民主党は負ける順番だよ。それでは自民・公明が勝ったらどうなるかというと、何も変わりそうもない。世論がほぼ反原発に固まっているが、原発の回りには膨大な裾野企業と従業員が広がっている。雇用をどうするのかというような問題提起をNHKの報道番組がやったりしているのは反原発に対する牽制だろう。
E 自民・公明政権が返り咲いたらいまの電力業界の体制温存だろうね。
C いや、下部では政党の垣根を越えた大連立の動きが進行している。原発問題での基
本方針が一致した仲間同士で動くつもりだが、フクシマ事故の収束の方向が見えて来ないので公然化できないのだ。中には「地下原発」建設論者などがいて、安倍晋三をかついだりしているけどね。
D 菅降ろしを画策している連中が大連立論者と重なっているのは興味があるね。
A 今回の大災害は日本国民の政治的未成熟を露呈した。ドイツ在住の友人と話し合ったが、ドイツでは自分の意見を持たないと軽蔑される。だからフクシマ事故に対する論議が起き、メルケル首相の脱原発への政策転換が速やかに打ち出されたのだ。ドイツは原発廃止を10年後に実現させる方針を決めた。日本の発想はまず問題先送りだ。
B 日本とドイツとの決定的な違いは自然保護を訴える「緑の党」のような議会政党と
して育たなかった点にある。今回、原発問題でNGOや市民団体がツィッターなどで呼び掛け合い、行動に立ち上がっているけど、政治的な結集核が存在しない。ドイツの「90年連合=緑の党」は連邦議会の議席の1割以上を占めていて、連立政権参加の経験もある。最近、緑の党は党大会でメルケル脱原発を支持する方針を決め、政権担当の意欲を示している。
E 原発事故による放射性物質による国土汚染は収束のメドは全くついていない。子どもたちの健康は確実に蝕まれている。この現実をどう受け入れて、復興への意欲を生み出していくのか。それが政治家ばかりか、日本に住むすべての人間に課された問題だ。発想の転換が迫られている。
http://archive.mag2.com/0000110107/20110720143351000.html
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【投稿者コメント】
部分最適化は原子力村に限った話ではない。公告村、テレビ村、読売新聞村、ニコニコ動画村、ブログ村、インターネット村、阿修羅村など、いろんな時・場所・集団で部分最適化が起り得る。
最近、私は風邪をひいて薬を飲んだ。とりあえず消耗したビタミンを補おうとビタミン入りの清涼飲料水を飲んだ。部分最適化だ。風邪をひく前に、根本から見直さなければならないことがたくさんある。だが、全体を直視して自分の行動を変えようとすると、快楽が減り苦痛が伴う。苦痛を乗り越えるだけの十分な楽しみや快楽が全体最適化の際にあれば良いのだが、それはまだ見つかっていない。
愛修羅の諸君は、真実を知るだけで満足かもしれない。だが、自分も含め、利や欲望に支配されている多くの人にはそれだけでは不足だ。真実よりも価値あるものがある。たとえば、年10回の会議に出席して1千万円もらえる待遇の類だ。(笑)
東京電力の広報費235億円には、インターネットを含む世論対策経費を含んでいるという説がある。この説の検証は、今後さらに探求されるべきだろう。
たとえば、三枝成彰人脈集団の「エンジン01文化戦略会議」というグループがある。「エンジン01文化戦略会議」は才能が枯渇してきた文化人などに講演活動などを依頼するなどのエサを撒いている電通系世論動員グループだが、このグループのスポンサーに東京電力も加わっていた。サイトのフッターにはいまも東京電力のバナーが残されている。
http://www.enjin01.org/index2.html
http://www.enjin01.org/member_list/index.html
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