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小出裕章さんの新著「原発はいらない』 (幻冬舎ルネッサンス新書)
これまでで、一般人にとってもっともわかりやすい。強いて言うなら、さらにイラストレーションを豊富にしてもらえるとさらにわかりやすくなるでしょう(広瀬隆著 集英社文庫の「東京に原発を!』は、イラストレーションが豊富で分かりやすい)
本文中の書き起こしなどの引用資料には、たねまきジャーナルやその他、阿修羅でストックされた資料を使っているのかもと思わせる(実際、使ってないかもしれませんが、編集者やったら、阿修羅サイトぐらいは参考にしてるでしょう)
あとがきの最後に「その他、原発の廃絶を願う人たちの思いが形になったものが本書です。多数の方々の助力に感謝します」とあります。
あえてとりあげるまでもないだろうと思ってましたが、一読して考え直して書評紹介します。
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アマゾンの書評より部分転載
5つ星のうち 5.0 たしかに、原発はいらない!, 2011/7/19
By 山本商店 (神奈川県) - レビューをすべて見る
(トップ500レビュアー)
レビュー対象商品: 原発はいらない (幻冬舎ルネッサンス新書 こ-3-1) (新書)
反原発を四十年間も貫く反骨の学者、小出氏の本。
3・11以降に発刊された前作「原発のウソ」に続く第二弾。
前作は原発の基礎知識・危険性・政官学による欺瞞をするどく指摘。
一方この本は、福島の事故以降、生活を送る上での注意点に力点を置いている。
これだけの事故が起きながら、今だ脱原発に対する風当たりは激しい。
再生エネルギーを推進している孫正義氏が「政商」と非難され、
俳優の山本太郎氏は職を失った。
しかし、この本を読めば理解できるだろう・・
たしかに、「原発はいらない!」
この本で、大手マスコミが取り上げない事実そして知識を身につけ
自らの身を守り、子供たちの未来も守らなければいけない。
間違いなく、日本国民、必読の書だ!
63 人中、48人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 小出さんの著書の中で今一番読まれるべき本, 2011/7/18
By ワッフル - レビューをすべて見る
(VINEメンバー) (トップ100レビュアー)
レビュー対象商品: 原発はいらない (幻冬舎ルネッサンス新書 こ-3-1) (新書)
小出裕章さんの本は、『原子力と共存できるか』、『隠される原子力・核の真実』、『放射能汚染の現実を超えて』と読んできました。いずれもご本人がそれまで発表したことを他の人がまとめたものです。この中で一番情報が多いのが『原子力と共存できるか』、一番易しい説明なのが『隠される原子力・核の真実』、著者の考え方と生き方が分かるのが『放射能汚染の現実を超えて』でした。
この本も著者が直接書き下ろした本ではありません。ですが、編集者と息が合って来たのか、短い中に良くまとまっていて読みやすいと思います。炉の構造図も以前より垢抜けています。また、初めて「福島後」に触れた本です。正直に言うと、『放射能汚染の現実を超えて』を読んだあたりで同じ内容が繰り返され始め、それは過去の小出さんの発言を編集者がまとめたものなので当然ですが、いささか食傷気味でした。ですが、この本は新しい内容が盛り込まれ、再び小出さんの本のレビューを書こうという気持ちになりました。小出さんの本が初めての方はもちろん、過去に読まれた方にも内容の重複が少ないのでお勧めできます。
『原子力と共存できるか』や『隠される原子力・核の真実』にレビューを書いたころはそれほど注目されていなかった小出さんですが、いつの間にか最も注目される原子力工学者になりました。ご本人は一日が四十八時間であったなら、体が十あったならと書かれていますが、こんなことで有名になってしまったのは本意ではないと思います。著者は助教(以前の職制の助手)という身分にも触れて、そこそこの収入で自由に活動できることに満足していると書いています。生活に困っているのではないかと心配したカンパの申し出や、酒が好きと書いたことでお酒を送ってくれた読者もあったそうです。
原子核工学科の学友が女川原発反対運動の中で大学を中退し鳶職に転職して運動に専念したこと、著者は大学の中で運動を続けて行くことを選んだこと、大いに考えさせられました。私自身は学部まで原子力の未来を信じていて、原子力反対は科学を知らない無知な人々が騒いでいるだけと思っていました。大学院に進んで疑問を持ち始め、特に現場で作業する人たちの健康問題から反対派になりました。ですが、積極的な反対運動をせず、ただ原子力と無関係な分野に進んだだけです。私自身の過去を振り返って、小出さんやその友人の方の純粋さと私自身の生き方を比較せずにいられません。
問答集(QアンドA)の章で、「給料の良い原発現場で働こうと思っている若者」の想定質問に、はっきりと「駄目」と答えています。私はこの書き方に賛成です。他の部分を読めば分かるだろうという意見もあると思いますが、現実にはそれでも給与その他に惹かれて選択を誤ることがあります。また、読んだけどよく理解できなかった、ということもあるはずです。大切なことは、誰にでも分かりやすいように表現の仕方を変えながら、何度でも言うべきです。
福島の事故が起こったこと、かつて私自身が原子力に関わっていたことから、ここ数か月原子力問題の本を相当読みました。その中で星五つを付けた本は半分位でしょうか。いくつかの本には辛辣なレビューを書きました。科学的な間違いが多いこと、著者の知識が不十分なのに断定的な結論を述べていること、ブームに便乗しただけのような安易な本、多少ともその分野を学んだ人間として、読者に有用な情報を提供しない本に高評価を付けられません。ですが、小出裕章さんの本、特にこの本には文句無しに星五つを付けられます。科学的な説明、著者の人道的な態度、この本は安易な便乗本とは区別されるべきものです。多くの方に読んでいただきたいと思います。
さらに高度な知識を求める方、違った観点から原子力の問題を考えたい方には、高木仁三郎さんの『反原発、出前します―原発・事故・影響そして未来を考える 高木仁三郎講義録』、吉井英勝さんの『原発抜き・地域再生の温暖化対策へ』、堀江邦夫さんの『原発ジプシー』をお勧めします。特に高木仁三郎さんは反原発、脱原発の原点とも言える存在で多くの著作を残されています。もっと注目されて良いと思います。
高木さんの本は反原発の草の根運動を指導する人を養成する勉強会の講義録です。一般(大学で物理や化学を学ばなかった人)向けの本の中では一番高度で深い知識が得られます。吉井さんは原子核工学科卒の共産党の国会議員です。こう書くとそれだけで嫌う方もあるでしょうが、政治的意見が違っても良い点があればそこから学べば良いと思います。本から政治臭を感じませんし、独自の調査に基づく事実の数々は他の本とは明らかに異なるものです。堀江さんは原子力発電所のひ孫請けの労働者として三箇所の発電所で働いた体験を綴っています。実際に自ら体験して見聞きした事実には重みがあります。
[追記]
小出さんに対する反論があります。北朝鮮に好意的ではないかというものです。実際にそうなのか分かりませんが、もしもそうだとしても、この本の内容とは別に判断すべきと思います。人間は無意識のうちに単純化と完全性を求めます。善人は常に良く悪人はすべてが悪い。ですが、それはテレビの水戸黄門やハリウッドの西部劇だけの世界です。現実の人間は多面的であり、良い部分と良くない部分を併せ持っています。全体としてではなく、個々の言動ごとに判断すべきです。
小出さんがどんな人なのかは実際にお会いしたことがないので分かりませんが、少なくとも個人の利益で本を書いたり講演しているとは見えません。本の内容は科学的良心に基づいて好感が持てます。著者は放射線の与える影響ではGofmanを支持しています。Gofmanは他の研究者に比べて影響を大きく見積もっていますが、過大であるとまでは言い切れません。有害なものは多めに見積もって悪くありません。全く欠点がないとは言い切れないかもしれませんが、その点は高木さんや吉井さんなど違う立場の人の本で補完できます。
この本と高木仁三郎さんの著書のすべてと上述した吉井さんと堀江さんの本は自信を持って誰にでもお勧めできる良書と思います。
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コメント コメント (9)
43 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 『第三章 原発に関する何でもQ&A』で、今回の原発事故に関して当然感じる疑問について非常に分かりやすく具体的に説明してくれている, 2011/7/18
By voodootalk - レビューをすべて見る
(VINEメンバー) (トップ10レビュアー)
レビュー対象商品: 原発はいらない (幻冬舎ルネッサンス新書 こ-3-1) (新書)
2011年7月15日リリース。氏は東北大学在学中に女川町に建設予定だった原子力発電所への第1回女川町原発反対集会に参加した1970年10月23日以来40余年、一貫して原子力の専門家として『反原発』を貫いてきた人物である。それらの経緯は本書の前半にも登場する。非常に専門的な知識を必要とする原子力を見事に平易な言葉で知らしめてくれる。本書は『原発のウソ』の続編とも言える内容で、前著の後に発生した事象についても詳細かつ簡便に解説してくれている。
多くの図表や氏の同僚であった瀬尾健氏の作成した被害シミュレーションソフトを駆使した解説は非常に分かりやすい。何と言っても素晴らしいと思うのは、『第三章 原発に関する何でもQ&A』で、今回の原発事故に関して当然感じる疑問について非常に分かりやすく具体的に説明してくれている。そして、政府あるいはマスコミ、あるいは『権威』とされる原子力村の学者たちが率先して実施すべきこうした『原発に関する何でもQ&A』を何一つ実施していないという現実に、国民としてあるいは納税者として怒りを感じる。
『原発はいらない』というテーゼを菅首相が2011年7月13日に発表した具体性の無い『今後のエネルギー政策について、段階的に原子力発電に対する依存度を下げ、将来は原発のない社会を目指す考え』とはまったく違い、論理的に説明する姿勢は前著『原発のウソ』と同様だ。広島原爆120万発分の核のゴミを貯めこみ、その上既にプルトニウムを45トンも分離して取り出してしまい、しかも国際的に持ち続けることを認められていないという現実をどうするかを日本国民全員で考えねばならないのだと強く思った。
そして心に残るのは219ページに登場するガンジーの墓碑銘に記された『七つの大罪』である。『七つの大罪』とは『理念なき政治』・『労働無き富』・『良心無き快楽』・『人格無き知識』・『道徳無き商業』・『人間性無き科学』・『献身無き崇拝』であるとガンジーは書いている。全て今の日本の政府・電力会社・原子力村の面々にズバリ当てはまっているではないか。
巻末には『福島第一原発事故の経過』を詳細かつ時系列に残している(3月11日〜6月24日)。前著『原発のウソ』と共に日本国民必読の一冊だと思う。
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