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河田恵昭・関西大教授は26日に開かれた内閣府原子力委員会の会合で、福井県の若狭湾と山口県の瀬戸内海沿岸が大津波に襲われる恐れがあると指摘し、両地域の原子力発電所の津波対策の充実と、過去の津波被害の詳細な調査を求めた。
両地域はこれまで、太平洋側ほどの大津波は考慮する必要がないと考えられていた。若狭湾沿岸には日本原子力発電の敦賀原発と関西電力の美浜、大飯、高浜の各原発、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」があり、山口県の瀬戸内海沿岸では中国電力が上関原発を計画中だ。
河田教授は▽1586年の天正大地震で若狭湾沿岸が津波に襲われ多数の死者が出た▽100〜150年周期で発生する南海地震では、津波が山口県の日本海沿岸に到達することがある――など最近の知見を紹介し、「最悪のシナリオを考え津波対策に万全を期す必要がある」と訴えた。
今後の原子力政策立案のための有識者からの聞き取りに招かれて発言した。
(2011年7月27日 読売新聞)
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