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玄海原発推進、それとも脱原発 ― 決めるのは佐賀県民の声 - 黒岩宙司
http://news.livedoor.com/article/detail/5732298/
2011年07月25日06時00分 佐賀新聞社
玄海原発再稼働をめぐって佐賀県が注目をあびている。しかしテレビに流れる映像には、岸本玄海町長や古川知事ばかりが目立ち、当事者である佐賀県民の声がほとんど聞こえてこない。
玄海原発再稼働に向けた佐賀県民への説明番組での「やらせメール」発覚直後に見たニュースは佐賀駅での取材だったが、数日後のニュースは福岡の天神で撮られたものだった。60キロしか離れていない福岡県民も被害者になる可能性があるとはいえ、佐賀県民を対象に行われた番組なのだから佐賀県民の率直な声をもっと報道してほしかった。
政府がストレステストを行うことを決め、再稼働が中断されたことを受け、古川知事は「何を信じたらいいのかわかない」と発言したが、福島原発事故を契機に、多額の広告費と政治献金で情報操作され、デモクラシーの欠如した日本の原発の実態が明らかになっている。知事が信じるべき基盤は佐賀県民の民意であり、県民の生命を脅かすリスクを知り尽くす義務があるはずだ。
7月3日の東京新聞は、「日本で一番危険な原子炉は、九州電力玄海原発1号機」と井野博満・東大名誉教授のコメントを載せている。現在稼働中の玄海1号機は、事故で緊急炉心冷却装置が働いた場合、逆に老朽化した原子炉圧力容器の鋼の壁が破損する恐れがあるというのだ。批判の多いストレステストだが、北朝鮮からのミサイル爆撃も含めて玄海原発では当然なされるべき検証だ。
事故の波紋はひろがるばかりで、福島県の稲わらが放射能で汚染され、それを食んだ牛の肉が全国に配送され消費者の胃袋に入った。地球のすべての生物に平等に与えられるべき水、空気、食物を放射能は壊しつづけていく。かりに玄海原発に事故が起これば、佐賀県が誇る佐賀牛、米、ミカン、すべてが福島と同じ道をたどることになる。たんに玄海町だけの問題ではない。
何かと胡散臭いテレビを離れて、ネットで調べると佐賀県民の声が聞こえてくる。「原発再稼働は慎重に、産科医らが県に要望」(佐賀新聞ひびの、7月7日)では、県内の産科、小児科、助産師、看護師が、玄海原発2、3号機の再稼働は慎重にあるべきとする要望書を古川康知事宛てに提出し、専門家として良識、人としての質の高さを感じさせてくれた。玄海町に隣接する唐津市民の声も知ることができた(「玄海原発に接する城下町 唐津市民の悲痛な叫び」ハンター、7月6日)。
政策を決めるのは国民だ。かりに佐賀県民が脱原発を選ぶのであれば、脱原発によって生じる失業者の雇用をどうするのか、新たな産業をどのように創出するのか、中・長期的に施策をたてるのが町長や知事の仕事であり、国の責任だ。政治家が住民の声を無視して政策をでっちあげる国を民主主義国家とはいわない。
町民や県民には選挙権がある。次の選挙で選ばれるリーダーは原発推進なのか、脱原発なのか、極めて重要な岐路に佐賀県は立っている。10年後、50年後、現在を検証し佐賀県民が問われるときが必ず訪れる。未来の歴史家をうならせる声を残してほしい。
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