http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/719.html
Tweet |
検証・大震災:福島第1原発事故、収束作業 作業員の構成
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/verification/news/20110725ddm010040013000c.html
毎日新聞 2011年7月25日 東京朝刊
◇日立、東芝とグループ社中心
作業員のうち東電社員は一部(21日現在2894人中374人)に過ぎず、大半は協力企業だ。
その中心は、1号機(米ゼネラル・エレクトリック=GE=製)と4号機(日立製)を担当する原子炉メーカーの日立GEニュークリア・エナジーと、2、3、5、6号機を納入した東芝(2、6号機はGEと連合)。両社で1000人近くに上り、日立GEは半数が本社とグループ企業、残りが下請けの所属。東芝も同様の構成。日立GEによると、震災当初は混乱していたため東電の指示を待たずに外部電源の引き込みなど独自の判断で作業にあたったという。
高線量のがれきを移動させる無人重機の遠隔操作は大成建設が主体。建屋カバーは清水建設、日立GE、鹿島などが担当する。東電グループでは東電工業、東電環境エンジニアリング、東京エネシスが中核。3月18日に高圧放水車で放水したのも東電工業の社員2人だった。
協力企業の内訳や作業員の構成について東電は「集計できていない」といい、3月24日の3人被ばく事故でも企業名を公表していない。政府も同様だ。毎日新聞は原子力安全・保安院などに情報公開請求したが「企業の利益を害する恐れがある」として東電以外の企業名は黒塗りだった。
原発の仕事はもともと系列会社が連なる請負構造だ。清水修二・福島大副学長(地方財政論)が01年に東電から入手した資料では、当時福島第1原発では東電以外に元請け29▽1次下請け169▽2次下請け288▽3次下請け116▽4次以下16−−の計619社、計7108人が従事していた。
●日給は約1万5000円
1日あたりの作業員は現在3000人前後。被災者も多く、いわき市の温泉旅館などを拠点とする。午前5時前後に起床、ワゴン車で前線基地のJヴィレッジに到着。防護服に着替え、シャトルバスで福島第1原発の免震重要棟へ。作業別に6時や8時にミーティングし作業開始。終業時間はまちまちだが、6月に熱中症が続出し午後2〜5時の作業は避けるよう指示されている。
4、5日間は免震重要棟や第2原発の体育館やJヴィレッジで寝泊まりし、2日間ほど温泉旅館などで休養するのが一般的。5月に第2原発の体育館に2段ベッドが設置され、構内に休憩所ができ、6月にはJヴィレッジにプレハブ仮設寮も建設された。
食事は当初、1日2食で乾パンやアルファ米中心だったが、レトルト食品やパン、即席麺などの1日3食に変わり、第2原発では5月から弁当も出始めた。ただし、免震重要棟は震災当初の爆発で扉がゆがんで放射性物質が一時入り込みやすくなっており、内部被ばく防止のためレトルト中心が続いた。
日給は1万5000円ほど。「下請けになるほどピンハネされ、専門技術があれば高くなる」との話も。ある作業員は1日2〜3時間のがれき撤去を1週間やり、計12万〜13万円。一方、「日当が決まっていない」という作業員もいた。
●被ばく上限超え6人
収束作業で緊急時の上限(250ミリシーベルト)を超える被ばくをした作業員が6人いた。いずれも東電の男性社員。最高値は30代男性の678.08ミリシーベルトで、このうち放射性物質を体内に取り込む内部被ばくが590ミリシーベルトと大半を占めた。この社員は地震発生時、3、4号機の中央制御室にいてマスクをしていなかった。
6人とも3月12〜15日に爆発が相次いだ際に構内にとどまっており、大量に漏れた放射性物質を吸い込んだ可能性が高い。
4月以降に現場に入った作業員に上限超えは見つかっていないが、厚生労働省は労働安全衛生法に違反したとして東電に是正を勧告した。
一方、厚労省によると、協力会社の下で働く作業員198人(7月20日現在)の身元が特定できず、被ばく線量を検査できていない。
==============
◆事故収束に携わる主な企業
【原子炉メーカーとそのグループ企業】日立GEニュークリア・エナジー(茨城県)電源復旧、使用済み燃料プール冷却、汚染水処理、建屋カバー設置、収束計画提案など▽日立製作所(東京都)同▽日立プラントテクノロジー(同)▽東芝(同)原子炉冷却系統復旧、使用済み燃料プール冷却、汚染水処理、建屋カバー設置、収束計画提案など▽東芝プラントシステム(横浜市)▽三菱重工業(東京都)放射線遮蔽(しゃへい)用鉛マット提供、低濃度汚染水貯蔵用「メガフロート」改造など。作業員は出していない▽IHI(同)汚染水処理装置の配管作業
【東電グループ企業】東電工業(東京都)▽東電環境エンジニアリング(同)▽東京エネシス(同)
【設備製造・工事・メンテナンス】関電工(東京都)電源復旧、配線▽新日本空調(同)放射線拡散防止、建屋内温度・湿度低減、休憩所整備▽日揮(同)仏アレバ社の汚染水処理装置設置▽岡野バルブ製造(北九州市)6号機調整弁点検▽太平電業(東京都)電気関連工事▽恒栄電設(同)電源ケーブル敷設など▽神電設備工業(横浜市)同▽チバコー(川崎市)汚染水処理の準備作業など▽宇徳(横浜市)▽オルガノ(東京都)水処理システムに関する助言。作業員は出していない
【放射線管理】アトックス(東京都)▽サンエス(大阪市)
【資機材】千代田テクノル(東京都)個人線量管理システム納入。事故後は線量計や防護服など調達▽荏原工業洗浄(川崎市)汚染水用ホースなどを調達
【建設】鹿島(東京都)建屋カバー設置など▽清水建設(同)同▽竹中工務店(大阪市)同▽大成建設(東京都)無人重機によるがれき撤去、汚染水タンク設置など▽大林組(同)注水用コンクリートポンプ車の操作・メンテナンス▽ハザマ(同)建物補修、建屋カバー・汚染水タンク設置▽西松建設(同)資機材運搬、建屋カバー設置▽熊谷組(同)▽前田建設工業(同)▽水谷建設(三重県桑名市)
※毎日新聞調べ、判明分。カッコ内は本社所在地
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素14掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。