http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/713.html
Tweet |
原発事故で有名になった武田邦彦中部大教授に対する毀誉褒貶(きよほうへん)のなぜ
http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/25716057.html
新ベンチャー革命2011年7月24日 No.406
1.原発事故で人気者になった武田邦彦中部大教授、週刊誌で批判される
2011年7月28日号の週刊新潮に、中部大教授の武田邦彦氏に関する記事が掲載されています。そのタイトルは『放射能ヒステリーを煽る武田邦彦の正体』となっており、武田氏のブログを愛読している日本国民はショックでしょう。同氏のブログは1日に50万アクセスもあるとのこと。週刊新潮はこのアクセス者をターゲットにこの記事を作成したと思われます。
3.11東電福島原発事故以来、同氏のブログは、放射能が人の健康に及ぼす影響、あるいは政府の原発対応やマスコミに登場する専門家への自身の個人的意見をつぶやいているものが多いです。同氏の意見やコメントには、マスコミから得られない情報を多く含んでいることがブログ人気を高めています。その人気につられて、最近、テレビ出演が急増し、同時に、原発関連著作が、震災以降、7冊も緊急出版され、総計30万部の売り上げを記録しているそうです。その印税はゆうに3000万円を下らないとのこと。売り上げ増に苦しむ週刊誌業界から武田氏が半分、妬まれても不思議はありません。
さて、週刊新潮の記事は、武田氏を批判していますが、彼の主張の根拠が薄弱であるとか、彼の主張に一貫性の欠けるところがあるといった内容です。
2.原発事故前、武田氏は地球環境問題の批判論者だった
原発事故前の武田氏は、地球環境問題への評論(主に批判)が有名です(注1)。CO2増加が地球温暖化をもたらし、数々の気候異変や地球環境汚染の原因だと唱える専門家に対し、武田氏は、それは詭弁だと批判してきて、多数の著作もあります。
一方、批判される側の地球環境専門家は、武田氏の批判は間違いだらけだと反論しています。そして、武田氏は学者の風上にも置けないトンデモ人物だと攻撃する学者や評論家も少なくありません。
一方、地球環境問題では、珍しく世界をリードする日本政府にとって、武田氏のような人物が日本に存在していることは大変、不都合です。
3.武田氏は元々、旭化成の研究者だった
さて、ここで武田氏の履歴をみてみますと(注1)、同氏は旭化成の研究者出身であることがわかります。同氏は旭化成でウラン濃縮の研究をやっていたようです、そして、1986年、同社のウラン濃縮研究所の所長に就任しています。同氏は放射能の人体への影響について詳しいのは、そのキャリアのせいだとわかります。
ところが、同氏は1993年、突然、芝浦工大教授に転身しています。この間に何があったのでしょうか。この転職の背景に、今日の武田氏の一連の言動の動機が潜むと考えられます。
3.11原発事故以来、京大の小出裕章助教と並んで、武田氏はネットですっかり有名になりましたが、小出氏が筋金入りの原発否定論者であるのに対し、武田氏の方は原発否定論者なのか隠れ原発推進論者なのか、それとも、事故後に持論を変えた“君子豹変論者”なのか、今一、不透明です。
上記、週刊新潮は、武田氏の事故前の発言と事故後の発言の違いをいくつか指摘していますので、武田氏は小出氏と違って、筋金入りの原発反対論者ではなく、原発推進に関して、どちらかと言えば“君子豹変論者”であるのは間違いないでしょう。
ところで、本ブログでは、武田氏の一連の言動のウラには、なにかルサンチマン(権力への強い憤り)が潜むのではないかとみなしています、特に、原発監督責任をもつ経産省官僚への批判は半端ではありません。
4.武田氏は米国技術覇権主義者の監視対象となったのか?
周知のように、武田氏の元勤務先である旭化成は、膜分離技術(注2)では世界トップレベルに立っています。
旭化成時代の武田氏の専門・ウラン濃縮技術(注3)の中に、化学的濃縮法があり、イオン交換樹脂を利用する技術(膜分離技術)で、ある時期まで日本の研究は米国よりも進んでいたのです。
武田氏はこの分野で世界トップレベルの研究者だったはずです。
ところで、筆者は2003年に『日米技術覇権戦争』(光文社)を上梓して、ラムズフェルド元米国防長官に代表される米国技術覇権主義者(注4)の対日技術戦略を紹介しています。
筆者の持論によれば、米国技術覇権主義者にとって、米国技術覇権主義の観点からもっとも米国国益上重要な覇権技術が、このウラン濃縮技術なのです。なぜなら、この技術は核兵器製造に必須のキーテクノロジーだからです。
彼らは米国の国益に直結する覇権技術を常時、世界規模にて監視しており、属国日本が米国の技術レベルを上回るウラン濃縮技術を保有することは、米国の国益上、断固許されません。
5.武田氏はなぜ、ハラにいちもつをもつ人間になったのか
上記、筆者の持論から言えば、旭化成のウラン濃縮研究所は当然、米国技術覇権主義者の厳しい監視の対象になります。
おそらく、彼らは日本政府に圧力をかけて、旭化成のウラン濃縮研究を米国の国益の観点から、中止するよう要請したはずです。
たぶん、直接には米国の要請を受けて経産省官僚が旭化成にウラン濃縮研究を中止するよう要請、武田氏はまさに研究者人生を奪われたはずです。この時点から、武田氏は経産省官僚に強いルサンチマンを抱いたと推測されます。
その後、経産省を中心に、原発を含むエネルギー・環境分野への国家研究開発投資が積極的に行われる一方、武田氏が人生を賭して取り組んできたウラン濃縮技術研究を、経産省を含む日本政府からの圧力で潰されたわけで、武田氏の無念の心中、察して余りあります。
その後、武田氏のルサンチマンは日本の官僚を支配する米国技術覇権主義者のジャパンハンドラーに向かわず、直接、日本人の官僚(悪徳ペンタゴン官僚含む)に向いたと思われます。
3.11原発事故後の武田氏の、歯に衣着せぬ経産省官僚批判から、同氏が日本の官僚全般に非常に強い不信感を抱いていることがわかります。逆に言うと、この武田氏独特の官僚批判の舌鋒がネット住人に受けたのではないでしょうか。
6.武田氏はなぜ、地球環境問題提起の欺瞞性を糾弾するのか
旭化成辞職後の武田氏のルサンチマンは、地球環境問題提起の欺瞞性摘発に向かっています。地球環境問題をCO2増加と結びつける説は、その背景に、石油消費を減らして原子力を普及させたい欧州寡頭勢力およびジェイRFグループ(国際金融資本)と世界の石油利権を死守したい米国戦争屋(米国軍事覇権)の暗闘が存在しているのは確かです(注5)。
なお、上記の米国戦争屋およびそのロボット・悪徳ペンタゴン(米国人ジャパンハンドラー含む)の定義は、本ブログのNo.225の注記をご覧ください。
さて、武田氏は元企業技術研究者として、地球環境問題提起の欺瞞性を純・科学技術的に批判してきましたが、対象とする問題が地球規模であり、証明できない事象・現象も多くあり、完全無欠にその欺瞞性を立証することは現実的に不可能です。
そこで、彼は多くの体制順応型の学者から猛批判されてきたわけですが、彼から見れば、ウラン濃縮研究を中止させておいて、なにがCO2削減かという気持ちなのでしょう。
そこに、今回、原発事故が起きて、それみたことかと、彼の官僚批判が爆発したということです。
7.武田氏はなぜ、原発事故に関心をもったか
旭化成時代の武田氏はウランを研究対象に扱っており、放射性物質の特性に精通しています。そのキャリアにて過去、内閣府の原子力委員会や原子力安全委員会のメンバーを歴任していますから、原発自体の専門家ではないにしても、原発事故に伴う放射能被害のさまざまな問題、そしてその危険性には精通しています。
そして、3.11原発事故以降、武田氏は水を得た魚のごとく活躍し始めたのです。
しかしながら、3.11原発事故後、武田氏ブログがネットの注目を集め、またマスコミに登場して持論を語り始めると止まらなくなり、放射能研究専門の学者から今度は、盛んに批判されるようになったということです。上記、週刊新潮の記事は、そのような批判の声を取材して作成されたものと思われます。
ところで、今回の東日本国民への放射能被害に関しては、依然、未知の部分が多く、ネットやマスコミにていろんな説が飛び交うのは避けられません。
われわれ国民は、いろんな人のいろんな意見をよく聞いて、当面は自分で判断するしかないと思います。
注1:武田邦彦、ウィキペディア参照
注2:膜分離、ウィキペディア参照
注3:ウラン濃縮、ウィキペディア参照
注4:グローバルMOT(技術経営)に求められる戦略家とは、2010年
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/31132/1/WasedaKokusaiKeieiKenkyu_41_Yamamoto1.pdf
注5:2025年世界シナリオがグローバルMOT(技術経営)に与える示唆、2010年
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/31139/1/WasedaKokusaiKeieiKenkyu_41_Yamamoto2.pdf
ベンチャー革命投稿の過去ログ
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1386/melma.htm
テックベンチャー投稿の過去ログ
http://www.elmstadt.com/news/techventure.html
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-PaloAlto/8285/column-top.html
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素14掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。