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日本で起こり得ること ウクライナ ルギニ地区 1986年 50村中 22村1-5Ci/km2, 26村1Ci/km2以下
http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/631.html
投稿者 爺さん 日時 2011 年 7 月 22 日 18:55:06: pkMRoq8j2xu8g
 

比較的低線量汚染されたウクライナ、Lugini地区についての健康被害報告です。ヤブロコフ編著「チェルノブイリ----」p.217-219に「第U章の結び」として書かれています。

Bq/m2÷65=Bq/kgとすると、1Ci/km2=569Bq/kg, 5Ci/km2=2,846Bq/kgです。Cs-134とCs-137の構成比が異なるなど条件は違いますが、放射線量としては関東平野に多数存在します。居住リスクを考える一つの手がかりとして、訳出します。

これはシリーズになっています。
@「第4章12節 チェルノブイリでの食品と人々の放射能汚染」fair use精神による投稿
http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/501.html
A土壌汚染現在1138Bq/kgから5695Bq/kgで将来起こり得ること。「チェルノブイリ」より抜粋
http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/568.html

原典 http://www.strahlentelex.de/Yablokov%20Chernobyl%20book.pdf

(以下翻訳)

第U章の結び p.217-p.219

 第U章、4,5,6,7に記録された様な病的状態と個別特殊な病気の流行は、チェルノブイリにより影響された地域における民衆の健康状態について、完全な描写をいまだ与えない。
次に挙げるbox記事は、破局後10年、ウクライナの小さなLugini地区における住民の健康状態を記録している。Luginiは、Zhytomir Provinceのチェルノブイリ原子力発電所から110km南西に位置している。そして、5Ci/km2以上の放射能汚染度の場所もある。
 また、数十箇所の同様に汚染された地域がある。例えば、Belarus,Ukrane,European Russia,Sweden,Norway,Turkey,Austria,South Germany,Finland,そしてこの他のヨーロッパ諸国。しかしながら、Luginiは独特だ。同一医療スタッフが、同一医療機器を同じ手順で破局の前後に使用しただけでなく、その医師たちは以下の事実を収集し公表した。(Godlevsky and Nasvit,1999) 《他地域では当局の指示で事実は破棄され隠蔽された−−訳注》

破局後10年 1ウクライナ地区における公衆健康の悪化

Lugini(ウクライナ)地区。1986年人口29,276人、1996年22,552人(子供4,227人)。1986年 50村中 22村汚染レベル1-5Ci/km2 26村1Ci/km2以下。
 肺がんと胃がんと診断された後の生存期間
   1984-1985: 38-62ヶ月
   1995-1996: 2-7.2ヶ月
 活性化結核の初めての診断(初期結核と診断された割合)
   1985-1986: 17.2-28.7 100,000人あたり
   1995-1996: 41.7-50.0 100,000人あたり
子供の内分泌系疾患
   1985-1990: 10 1,000人あたり
   1994-1995: 90-97 1,000人あたり
子供の甲状腺腫
   1988まで  未検出
   1994-1995: 12-13 1,000人あたり
 新生児死 (誕生後0-6日)
   1984-1987: 25-75 1,000生存誕生あたり
   1995-1996: 330-340 1,000生存誕生あたり
全般的死亡率
   1985: 10.9 1,000人あたり
   1991: 15.5 1,000人あたり
寿命
   1984-1985: 75歳
   1990-1996: 65歳

Figure 1 は、Lugini地区における、先天性奇形を伴った各年新生児数についてのデータを示している。先天奇形を持つ事例数の増加が、Luginiの全人口が1986年から1996年にかけて25%減少したにもかかわらず、見られた。
 放射能汚染地域では、色々な病気の発生率と政府の医療統計には含まれない兆候と症候群が著しく増加した。それらの中には、子供の体重の異常に貧弱な増加、病気からの回復の遅れ、頻繁な発熱などがあった。(Chapter II.5,sECTION5.2参照)
 チェルノブイリの破局は世界の医学界に新しい専門用語をもたらした。それらを挙げると、

 ・「植物血管性筋緊張異常」として知られる症候群(自律神経系機能障害): ストレスを背景として生じるさまざまな臨床的発見を伴う、心臓血管系の神経調整の機能的変調。
 ・「体組織に取り込まれた長寿命放射性核種」として知られる症候群。(Bandazhevsky,1999)これは次の病理を含む。心臓血管系・神経系・内分泌系・生殖系・その他の体組織器官系。ある個人に、Cs-137とSr-90が50Bq/kg以上蓄積した結果生じる。
 ・「上気道の鋭い吸入」として知られる症候群。(Chuchalin,2002) 「ホット・パーティクル」を含む、吸引された放射性核種の影響と関連した身体反応を伴う、鼻炎・のどのかゆみ・乾性咳・短い呼吸の組み合わせ。

 初期に認知されていた症候群のいくつかは、先例のない見当違いなwide発生率を示した。その中に「慢性疲労」として知られている症候群がある。(Lloyd et al.,1988)これは次の形で顕在化する。退屈さ・混乱した夢・周期的な鬱と不満足感・理由のない疲労・記憶損傷・拡散した筋肉痛・大関節の痛み・悪寒・頻発する気分変容・頚部リンパ節過敏・体質量減少。これらの症候群は、中枢神経系の側頭辺縁部の異常と結びついて、免疫系が障害された結果だと言うことが、自明であるとみなされた。これらは次を含む。(a)「長引く放射線病」と呼ばれる症候群(Furitsu et al.,1992,Pshenichnykov,1996)、異常な退屈感・めまい・身震い・背中の痛み・上腕骨ベルトの組み合わせ、これらはもともとは被曝者(広島と長崎の生存者)に関して記述されていた。(b)「初期栗の実症候群」や「回折格子症候群」と呼ばれる、網脈絡膜症と網膜血管の変性から構成される症候群。(Fedirko,1999,2002)
充分な医学的説明が待たれる症候群の中には、他の一群の疾病がある。それらは、「子宮内放射線被曝」・「チェルノブイリ・エイズ」・「チェルノブイリ・心臓」・「チェルノブイリ痴呆」・「チェルノブイリ後肢」を含む。
 チェルノブイリの1 Ci/km2を超えるレベルの(1986-1987当時)放射能汚染は、Russia,Ukraine,Belarus地域の全死亡率の3.8-4.4%に責任がある。汚染レベルが約0.5Ci/km2(1986-1987当時)の他のいくつかのヨーロッパ諸国では、死亡率は0.3-0.7%だ。(ChapterII.7参照)Russia,Ukraine,Belarusの、重度汚染地域の追加的死亡率に対する合理的な推測に基づき、約900,000人の合計死者数が推定される。そしてこれはチェルノブイリ破局後当初15年間についてだけの推定だ。
 全般的死亡率へのチェルノブイリの貢献は、1 Ci/km2以上の汚染レベルを伴う事実上すべての地域において、決定的要因だ。さまざまな病因を持つ慢性疾患が、リクイデーターのみならず被害住民に典型的に現れた。そしてそれらの疾患は放射能汚染により悪化されると思われた。多重不全polymorbidity、つまり、同一個人内にいくつもの病気が存在することは、汚染地帯でよく見られるありふれた特徴となった。チェルノブイリの癌死者数は、20世紀末に人類を苦しめ続けた癌流行の最も確実な原因の一つだと思われる。
 影響を受けた地域における公衆健康の悪化に関する膨大な量のデータにもかかわらず、破局が健康へ与えた衝撃的影響の全貌は、いまだ完全な描写からは程遠い。チェルノブイリ破局が健康に与えた影響の全体的で完全な描写をつきとめるために、我々はまず次のことをしなければならない。

・近年Russia,Ukraine,Belarus でなされたように研究を減らすのではなく、医学的・生物学的・放射線学的研究を拡大すること。
・内部および外部被曝からのたくさんの放射性核種による寄与を分化した、個人線量の正確な再構成、個人の行動と習慣の確認、染色体と歯エナメル質の分析に基づく正確な線量を決定するための強制的(法的)要請。
・破局前後の(特に破局後第1年目の)、さまざまなレベルの特徴的な放射線核種に汚染された行政単位の(local and regional)、月別医学統計を比較分析すること。

 旧ソ連においてだけでなく、スウェーデン・スイス・フランス・ドイツ・イタリア・トルコ・フィンランド・モルドヴア・ルーマニア・チェコ共和国、その他の国々においても、チェルノブイリ破局が公衆の健康に与えた否定的影響についての、耐えず増え続ける客観的科学的データは、楽観論をもたらす物ではない。(ChapterII,4-7に詳述)不健康状態とその結果としての死亡率を緩和し防ぐための、特別な大規模計画なしでは、約23年前に始まった汚染と結びついたチェルノブイリ関連疾患は、増加し続けるであろう。
Belarus,Ukraine,Russiaの、チェルノブイリ・フォールアウトにより汚染された地域で、公衆衛生職員を警戒させるいくつかの兆候がある。

・現在の平均年間線量と1986-1987に受けた線量との関連の欠如。
・低レベル汚染地帯の人々に対する、集団線量への著しく増えつつある放射線負荷contribution。
・影響を受けた地域の多数の人々に対する、増加しつつあるレベルの(理論的に予測されたように減少ではなく)個別放射線被曝。
・癌(皮膚・乳・肺など)が進展するために必要な、20年にわたる潜伏期間を待つのでなく終わらせる必要。異なる癌は、様々な異なる発ガン物質に曝された後、異なる潜伏期間を持つ。10代の犠牲者は明白な例だ。

 長期間にわたり免疫系が抑制される結果、さまざまな病気が増加する。中枢神経系一般と脳の側頭辺縁系構造への放射線障害の結果、知的発達に問題を抱えた人々がますます増え、それは、住民全体にわたる知性喪失を引き起こす脅威となる。
放射線誘引染色体変異の結果、様々な生得的病気が広範に引き起こされるだろう。汚染された地域ばかりでなく、移民した人々についてたくさんの地域で数世代以上にわたって。

  
 
 

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コメント
 
01. 2011年7月22日 21:35:09: OxExytkyVY
>寿命 1984-1985: 75歳
    1990-1996: 65歳
Ukraine Overall 67.9 Male 62.1 Female73.8
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_countries_by_life_expectancy

02. 2011年7月22日 22:00:01: jw9soE2gD6
重要な翻訳ありがとうございます。
大ざっぱに症状をまとめると新生児は3人に1人が死亡、奇形が増える、運良く生き残っても
肥立ちが悪く病気がち、すぐに熱を出し、10人に1人は甲状腺疾患。
大人になっても疲れ気味であちこちが痛む、精神的にも不安定、
免疫が落ちているのでガンになるとあっという間に死んでしまう、
という所でしょうか。
1-5Ci/km2 というと関東の広い地域に相当しますが、
5年後、10年後、これが日本の現実になるのですね。

03. 南の島のチョッパー 2011年7月22日 23:43:34: a31ICjyB9jsaI : bzDKEqRuo6
貴重なご報告ありがとうございます。
自分は地元の避難者支援に力を入れ始めまして、投稿はなかなか・・・です。
これから多くの避難希望者を受け入れる体制を構築せねばなりません。
永く安心して暮らしていただけるように。
また安全な食材の供給も確立せねばなりません。
実際に逃げて来られた方の声を聞くと、初期症状はやはり鼻血と咽頭痛、呼吸器症状です。
自主避難者の皆さんも、支えあって頑張ろうと意を決しつつあります。

圧力に対抗するには情報と知識ですね。痛感します。
海外の情報を公開してくださる方々の存在は、本当に有難く重要だと思っています・・・・


04. 2011年7月23日 00:38:14: E2YReWLDxc
免疫力が落ちるので、結核が流行するようです。また、虚血性心疾患(心不全・心筋梗塞)が増えます(子供は高血圧になる)。セシウムで、心筋組織が破壊されるのです。さらに、糖尿病も増えます―すい臓からインシュリンが過剰に分泌される。セシウムは、すい臓にも蓄積するんです―すい臓癌も増えます。

このように原発事故が起きると、著しく、健康のレベルが低下した国家、生活の質が著しく低下したゾンビのような国家になってしまいます。一刻も早く、すべての原発を止めましょう。国民投票やってもよい。右翼も賛成すると思います。国土が放射能で汚染されて、危機感を抱かない右翼はないでしょう。民族の故郷がなくなってしまうことに対しては、右翼なら当然反対で、いまやれば、脱原発の国民投票は圧勝するはずです。


05. 爺さん 2011年7月23日 01:36:46: pkMRoq8j2xu8g : izWZgQHS82
>>03
あなたは立派だ、個々の人を助けている。現実の個人に未来を作っている。
私は事情でこんな事しかできません。
本当は、本心は、ここから退避し、家族そろって沖縄に逃げて行きたい。

06. 2011年7月23日 01:53:25: oz33FCcPgo
>>04
その通りですね。

推進派の連中は、発ガン率がわずかにしか増加しないから安全だ、
とすぐに言いますが、被曝の被害はガンだけではありません。

体のあらゆるところがダメージを受けてボロボロになります。

その点をきちんと指摘しないといけません。


07. 2011年7月23日 11:10:27: E4b4Qm1deo
「ECRRの低線量被曝リスク評価には、付き合いきれない(今中哲二先生)」
http://ameblo.jp/u-sa-kichi/entry-10953660130.html

08. 爺さん 2011年7月24日 19:22:44: pkMRoq8j2xu8g : N2Sdej4x7E
時勢に合わせてホームページを急遽改定するような今中には、付き合いきれない。
知っていることも語らない今中にも、付き合いきれない。

09. 2011年8月09日 13:12:57: DqZ88uYEBk
シリーズC次です、
C 第4章14節 チェルノブイリ放射能汚染地域での放射線防御の方法「チェルノブイリ」から訳出
 http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/694.html

10. 爺さん 2011年8月10日 17:06:02: pkMRoq8j2xu8g : qm0FtDTXfg
自己レス続きですみません、
07のサイトをさっき見ました。
08に書いたときは、以前NSRGのサイトをスキムしたのでその時の記憶で書きました。
ある時突然、さっきまであった「みそくそ」がなくなっていたと思うのは私の勘違いでしょうか。なら、誤ります。

私の良心は、20年後に刑事告発される可能性はあっても、過去の事例を述べよと告げています。今はなき私を大切にしてくれた者達も、心の中で、お前は危険性を叫べと言っています。
20年後に告発したければすればいい、そのとき私は、自分の心と大切なものたちに恥じることは何もない。
子供達は父のしたことを、その限界ともども認めるだろう。それで充分だ。


11. 2011年8月21日 21:27:22: h6JSIfQfjU
東京都在住です。今後子供にどのよなことが起こる可能性があるのか調べていてこちらにたどりつきました。
浅学にてお教えください。
Bq/m2÷65=Bq/kgの65の根拠は何でしょうか・・・。文系なので、ネットでいくら調べても分かりません。
今の場所から転居すべきかの判断材料のひとつとしたいので、算定根拠をお教えいただければ助かります。
今のマスコミにはうんざりです。原発安全神話を再び垂れ流すだけなら、いっそ報道などやめてほしいくらいです。

12. 爺さん 2011年9月26日 15:13:49: pkMRoq8j2xu8g : lHBkKt7oZE
直接原子力安全委員会に聞いたわけではありませんが、

1cm3(立方センチ)あたり1gの土を(土の比重を1と仮定)
深さ2cmで1m2(平方メートル)に均等にまくと、
2cm×100cm×100cm=20000cm3(立方メートル)となります。

土1kg=1000g=1000cm3となるので
広さ1m2で深さ2cmの土20000cm3は 
20000÷1000=20から20kgの重さと言うことになります。
そこでBq/kgを20倍するとBq/m2になるという理屈です。

これは採集した土の中に放射性核種が均等に分布するという前提の計算です。
65と言うのは、15センチ掘って土を採集したので、核種が上部4.62センチまでに集中していると考えて、土中に均等に分布すると仮定するために3.25倍したか、
あるいは5cm掘って採集したので、表面下2cmまでにセシウムがあるとみなして土中に均等に分布すると仮定するために2.5倍し、さらに土の比重を1.3とみなして1.3倍したのかと思います。

核種が何センチの上下幅で集中していると考えるかでも数値は異なり、20から150以上までいくつもあります。現実には場所ごとに条件が異なるのでm2単位で採取して計るしかありません。しかしそれがされません。
現在セシウムは地表から2cmにあると言う人が多いです。とすると15センチ掘った場合、65倍より大きい数をかける必要があります。
安全委員会が使用している65を使うことが多いようです。

土の採集方法で異なるので、この事態です、率直に、測定している団体のホームページからコンタクトして質問されることをお勧めします。政府当局以外は答えてくれるのではないでしょうか。  


13. 2011年11月05日 22:05:02: ZpYhB2CLqs
お礼遅くなり恐縮です。
文部科学省と農林水産省でなんセンチ土を採取するか違うと聞いたのをご指摘で思い出しました。
体積計算で異なるのですね。
東京都より埼玉や神奈川県のほうが汚染がマシなので、転出も検討しています。
計算方法、参考になりました、ありがとうございました。

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