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バズビー博士に聞く「ストロンチウムはセシウムと比べて格段に深刻な内部被ばくを引き起こす」(東京新聞)
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2011.07/22 東京新聞「ニュースの追跡 :日々坦々
■政府の被ばく基準根拠「ICRP勧告」
(東京新聞「ニュースの追跡」)
「恣意的で誤り」
内部被ばく研究の国際的権威
バズビー博士に聞く
福島第一原発事故の放射能汚染問題で、欧州放射線リスク委員会(ECRR)の科学議長を務めるクリス・バズビー英アルスター大客員教授(65)が来日し、本誌の単独インタビューに応じた。日本政府が被ばく基準の根拠にしている国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告について「内部被ばくを考慮しておらず、恣意的な基準にすぎない」と厳しく批判した。(佐藤圭)
バズビー氏は体内に入った放射性物質による内部被ばく研究の国際的権威で、チェルノブイリ事故の健康被害にも詳しい。ECRRは1997年、欧州議会の環境派グループ「緑の党」によって設立され、同氏は中心人物だ。今回、学校ごと疎開する措置を求めて仮処分申請した福島県郡山市の児童と生徒らを支援するため来日した。
――日本行きを周囲に反対されたそうだが。
「チェルノブイリ事故で現地調査した研究家がガンに侵されるケースがあったからだ。約20年間、放射能による健康被害という難しい問題を見つめてきた。私が日本に来れば、福島の子どもたちの力になれるのではないかと思った」
――ICRPの被ばく限度は、一般人は通常年間1ミリシーベルト、緊急時は20〜100ミリシーベルト。これに対し、ECRRは「内部被ばくの影響が大きい」との主張に基づき、年間0.1ミリシーベルトを超えないよう勧告している。
「内部被ばくは、体内のDNA近くで起きるため、外部被ばくよりも低い線量で非常に高い危険性を持つ。1ミリシーベルトという基準は、外部被ばくにしか有効ではない」
――放射性物質では、文部科学省の方法では計測が難しい、ベータ線物質のストロンチウムの影響を懸念しているうようだが。
「ストロンチウムはセシウムと比べて格段に深刻な内部被ばくを引き起こす。だが、一般市民が検出するのは困難だ。政府が調べて、情報公開をすべきだろう」
――ECRRは、今後ガン発症などの健康被害が出ると予測し、公表した。この数値はICRPの基準による試算の70倍にも上るが。
「最近20年間で、ICRPが間違っていたという証拠がたくさん集まっている。多くの国がICRPのモデルを取り上げてきたことは事実だが、ECRRと同じ独立した第三者機関だ。ICRPに特別な地位は与えられていない」
――0.1ミリシーベルト基準を当てはまると、首都圏でも超える可能性のある地域が多い。
「国家が、避難させるかどうかについて、関心を持たなければならない数値が0.1ミリシーベルトということだ。避難が難しいとか、財源がないとかいう理由で、恣意的な基準を設けるべきではない」
「詳細な汚染マップの作成や、第三者機関による健康影響調査、放射能に汚染されていない水や食料を確保することが必要となるだろう」
(※漢数字を数字に変更、画像は管理人選定)
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