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広瀬隆氏らが、東電幹部、御用学者を東京地検に告発!
投稿日: 2011年7月18日 作成者: marugametorao
広瀬隆氏らが、東電幹部、御用学者を東京地検に告発!
マスゴミには報道されていないようだが、下記の告発状が広瀬隆氏によって、東京地検に提出された。
東電、政府の初期対応のまずさ、SPEEDIのデータの秘匿、風向きによって、放射能飛散の地域が遠隔地まで及ぶことを知りながら、国民に公表せず、対策がとられていなかった。そのことに対して、全国民が憤りを感じているが、ついに彼らに対して、告発状が提出された。菅内閣に対しても、同様の告発がなされるべきである。
http://www.rupoken.jp/indictment/Indictment(toden).pdf
1
告 発 状
東京地方検察庁 特捜部直告班
ご担当者 殿
平成23年7月8日
告発人 明石
昇二郎 印
同 広瀬 隆 印
当事者の表示
別紙「当事者目録」記載のとおり
第1 告発の趣旨
被告発人らの下記所為は、刑法第211条(業務上過失致死傷罪)に該当すると思料されるので、徹底捜査の上、厳重に処罰されたい。
第2 告発の原因
1. 当事者
(1) 東京電力株式会社(被告発人1、2及び15)
被告発人1である東京電力株式会社(以下「東電」という)を代表する代表取締役会長は、勝俣恒久(以下「勝俣」という)である。
また、以下に記す「福島第1原子力発電所事故」発生時、勝俣とともに東電を代表する立場にあったのが被告発人2の前代表取締役社長
清水正孝である。
加えて、以下に記す「福島第1原子力発電所事故」発生時、東電の代表取締役副社長であり原子力・立地本部長の職にあったのが被告発人15の武藤栄である。
東電は、東京都千代田区内幸町1丁目1番3号に本店を置き、電気事業等を営む株式会社であり、昭和46年3月より福島第1原子力発電所1号機を稼働させている事業者である。
(2) 国(原子力安全委員会、被告発人3ないし7及び13)
被告発人3である原子力安全委員会(以下「安全委」という)を代表する委員長は、班目春樹(以下「班目」という)である。安全委は、原子力安全・保安院による安全審査等を精査・検証し、専門家の立場から、科学的合理性に基づいて、安全確保のための基本的考え方を示し、改善・是正すべき点については提言や勧告を行なうことによって、行政機関や事業者を指導する国の機関である。
被告発人4である久木田豊は、原子力熱工学を専門とする科学者である。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了後、日本原子力研究所東海研究所安全性試験研究センター原子炉安全工学部熱水力安全研究室長、名古屋大学大学院工学研究科教授などを経て、平成21年4月より原子力安全委員会委員の職にある(常勤)。
被告発人5である久住静代は、放射線影響学を専門とする医学者である。広島大学医学部医学科を卒業後、日米共同研究機関・放射線影響研究所臨床研究部副部長、広島大学原爆放射能医学研究所非常勤講師、(財)放射線影響協会放射線疫学調査センター審議役などを経て、平成16年4月より原子力安全委員会委員の職にある(常勤)。
被告発人6である小山田修は、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了後、(株)日立製作所技師長、(独)日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研究部門長、(独)日本原子力研究開発機構原子力科学研究所所長などを経て、平成21年4月より原子力安全委員会委員の職にある(常勤)。
被告発人7である代谷誠治は、京都大学大学院工学研究科博士課程単位取得退学後、京都大学原子炉実験所教授、京都大学大学院エネルギー科学研究科教授(兼任)、
京都大学原子炉実験所長などを経て、平成22年4月より原子力安全委員会委員の職にある(常勤)。
被告発人4ないし7は、班目とともに安全委において提言や勧告を行なう職務に就いている。
また、被告発人13である鈴木篤之は前原子力安全委員会委員長であり、現在は日本原子力研究開発機構理事長の職にある。被告発人3ないし7及び13はともに科学者として、東電が保有する福島第1原子力発電所の耐震設計等の安全審査に当たってきた。
(3) 国(原子力安全・保安院、被告発人8)
被告発人8である原子力安全・保安院(以下「保安院」という)を代表する院長は、寺坂信昭である。保安院は、原子力をはじめとする各分野のエネルギー施設や産業活動の安全確保を使命とする国の機関である。
(4) 国(原子力安全・保安院専門委員、被告発人9ないし11)
被告発人9である纐纈一起・東京大学地震研究所教授は、国の原子力安全・
保安院の所管の下に設置される総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部
会耐震・構造設計小委員会 地震・津波、地質・地盤合同ワーキンググループ
(以下「WG」という)の主査である。
また、被告発人10である衣笠善博・東京工業大学名誉教授(以下「衣笠」
という)と被告発人11である岡村行信・産業技術総合研究所活断層・地震研
究センター長(以下「岡村」という)は、ともに同WGの委員である。被告発
人9ないし11はともに科学者として、東電が保有する福島第1原子力発電所
の耐震設計等の安全審査に当たってきた。
(5) 国(原子力委員会、被告発人12)
被告発人12である原子力委員会(以下「原子力委」という)を代表する委員長は、近藤駿介である。原子力委は、1)原子力研究、開発及び利用の基本方針を策定すること、2)原子力関係経費の配分計画を策定すること、3)原子炉等規制法に規定する許可基準の適用について所管大臣に意見を述べること、4)関係行政機関の原子力の研究、開発及び利用に関する事務を調整すること等について企画し、審議し、決定することを所掌する国の機関である。
(6) 東京電力監査役
被告発人14である東京電力監査役は、小宮山宏(以下「小宮山」という)である。元東京大学総長の小宮山は、東電が進める原子力発電を擁護する立場を取り、以下に述べる福島第1原子力発電所1号機〜4号機の事故に際しても、東電を監査する立場にありながら「関係者の刑事責任を問わない、という免責制度を新たに導入してもいい」(『朝日新聞』2011年4月1日付朝刊、書証7参照)等の、自らが置かれている立場を忘れたかのような発言をしてきた。
2. 事故の発生
被告発人らは、平成23年3月11日、東電が保有する福島第1原子力発電所1号機〜4号機で、安全対策の不備から多量の放射性物質の放出を伴う重大事故(以下「本件事故」という)を発生させた。
本件事故によって福島第1原子力発電所の1号機〜3号機が炉心溶融(メルトダウン)し、1号機と3号機、4号機では原子炉建屋の屋根を破損する水素爆発が発生し、これまでに77京(77×10の16乗)ベクレルに及ぶ大量の放射性物質を環境中に放出させた。また、この「77京ベクレルの放射性物質の環境への漏洩」という事実は、本件事故発生から約3カ月後の同年6月6日まで公表されなかった。
本件事故は、告発時の平成23年7月8日現在もなお、収束しておらず、環境中に放射性物質を放出し続けている。
3. 被害の発生
77京ベクレルという大量の放射性物質を放出させて、10万人以上に上る原子力発電所近隣の福島県民を被曝させ、避難民にし、かつ原子力発電所から半径30キロメートル圏外の飯舘村、福島市、郡山市等に暮らす多数の人たちまでを大量の被曝に晒した。今後、こうした被曝者の中から、甲状腺がん等の健康被害が発生する可能性が極めて大きい。
さらに、直接的かつ既に発生している被害としては、福島第1原子力発電所の南西約4キロにある双葉病院(福島県大熊町)の入院患者らを重度の被曝に晒し、さらなる被曝を避けるべく実施された緊急避難等により、患者ら約440人中45人以上を死亡させている。
また、被告発人らが本件大事故さえ発生させなければ、東日本大震災による津波被害に襲われた岩手県や宮城県などの他地域と同様に、福島第1原子力発電所の近隣でも命を救われた被災者も多かったと思われ、原子力発電所の重大事故が大震災直後の救援活動を事実上阻み、被害を拡大させたものである。
同原子力発電所の半径20キロメートル圏内を多量の放射性物質で汚染し、4月22日午前0時をもって同20キロメートル圏内の立ち入りが禁止されたため、膨大な数の住民が安全に暮らすことのできない地域にしてしまったことに加え、同圏内にあった企業や、農業、酪農業、漁業などの地元産業全般の経済活動を停止に追い込み、事業を廃業させ、または存亡の危機に陥れたものである。
4. 被告発人らの過失
今回福島第1原発で発生した全電源喪失(ステーションブラックアウト)事故や炉心溶融(メルトダウン)事故の危険性とそれへの対策の重要性は、2007年2月に静岡地方裁判所で行なわれた「浜岡原発運転差し止め裁判」の機会等で研究者などにより再三指摘されてきた。日本でも原子力発電所の重大事故は起こりうるので、そのための対策が重要だとの指摘は裁判やマスコミ報道などを通じて繰り返されてきたのが事実である。
被告発人である保安院は、原子力施設の安全確保を使命とする国の機関であり、原子力発電所を安全に運転させるために発電所の運転停止命令等、多大な権限を持つ機関であることから、適切に権限を行使し、十分な安全策を備えていない原子力発電所については運転を一時停止させ、必要な措置を講じさせる義務と責任を負っていた。にもかかわらず、保安院の所管するWG等で福島第1原子力発電所を襲う津波の危険が委員から指摘されていながら(証拠書証3『原発崩壊
想定されていた福島原発事故』25ページ以降参照のこと)、その対策を講じさせなかった。また、被告発人11である岡村は、福島第1原子力発電所を襲う津波の危険を知りながら保安院や東電を説得できずにそのまま未対策状態を放置し、WG委員の任務を放棄した。加えて、被告発人10である衣笠もまた、「海底活断層研究の権威」を自任しながら未対策状態を放置し、WG委員の任務を放棄した。
被告発人である安全委は、保安院の安全審査をさらにチェック(ダブルチェック)し、適切に権限を行使し、十分な安全策を備えていない原子力発電所については必要な措置を講じさせる義務と責任を負っていた。しかしながら、先に掲げた「浜岡原発運転差し止め裁判」の際、現在安全委委員長の重職にある被告発人3である班目春樹は、「東海地震のときに、再循環系が複数同時に破断する、ほかの緊急炉心冷却系が同時破断するとか、考えるべきでは?」との質問に対し、「地震が起こった時に破断することまで考える必要はないと思います」と証言し、事故防止のために万全な措置を講じるよう安全委として指示しなければならないにもかかわらず、この任務を放棄した。
被告発人1、2及び15である東電は、原子力発電所を運営する電気事業者として、重大な原子力発電所事故が一旦発生すれば全く制御不能に陥り、多数の一般住民を被曝の危険に晒すことを承知しているにもかかわらず、そうした事態を避けるために万全の措置を講じなければならなかったところ、これを怠った。東電に至っては、科学的根拠の全くない「安全神話」「5重の壁」等を論拠に原子力発電所の安全性をことあるごとに触れ回り、あろうことかその危険性を指摘する学者やジャーナリスト、市民らに対して不当な攻撃をし続けてきた。その結果、今回の「東日本大震災」による地震と津波によって全電源喪失に至り、我が国史上類を見ないほどの甚大な被害をもたらし、極めて悪質である。
第3 告発に至る事情
これまで述べてきたような甚大な本件事故と被害を引き起こしていながら、被告発人である保安院も安全委も東電も、保安院の所管するWG等で福島第1原子力発電所を襲う津波の危険が委員から事前に指摘されていた事実や、その上でこの指摘を無視し、対策を講じなかった事実が、告発人明石の著書『原発崩壊
想定されていた福島原発事故』(証拠書証3)等ですでに指摘されている。福島第1原子力発電所が津波で被災する可能性は、実際に津波等で被災する3年前の2007年までには科学者の研究結果等によって指摘されていたのである。
にもかかわらず、被告発人らは、地震と津波は「想定外」だったとして全く反省もしていない。
しかも、加害者である被告発人らがすべての情報を独占しつつ、本件事故の収束作業に当たっているため、被告発人らが証拠隠滅を図る恐れが大である。
以上の次第で、東京地検においては、いまだ事故が収束していない最中ではあるが、必要な証拠を保全し、公正な処罰が行なわれるよう、直ちに捜査に着手するよう促すために、敢えて本告発をするに至った。
以 上
立証方法
1 告発人明石昇二郎、同広瀬隆の共著書『原発の闇を暴く』(集英社刊。2011年7月発行)
2 原子力発電所で発生する過酷事故の危険性を指摘してきた告発人明石昇二郎の著書『原発崩壊
誰も想定したくないその日』(金曜日刊。2007年11月発行)
3 告発人明石昇二郎の著書『原発崩壊
想定されていた福島原発事故』(金曜日刊。2011年4月発行。証拠書証2の増補版)
4 大地震によって原発で大事故が発生する危険性を論証した告発人広瀬隆の著書『原子炉時限爆弾
大地震におびえる日本列島』(ダイヤモンド社刊。2010年8月発行)
5 福島第1原発事故が起こった原因とその経過を記した告発人広瀬隆の著書
『福島原発メルトダウン』(朝日新聞出版朝日新書。2011年5月発行)
6 被曝を避けるべく実施された緊急避難等により、病院の入院患者ら多数が死
亡した事実を報じた5月7日付『朝日新聞』及び4月26日付『毎日新聞』
記事
7 被告発人14である東京電力監査役・小宮山宏の発言を報じた4月1日付『朝日新聞』記事
8 告発人 明石昇二郎 陳述書
9 告発人 広瀬隆 陳述書
10 別冊宝島『原発の深い闇』(2011年7月14日発売号)
添付書類
前記書証 各1通
7
当事者目録
告発人 氏
名 明石 昇二郎
住 所
職 業 文筆業
生年月日
電 話
告発人 氏
名 広瀬 隆
住 所
職 業 文筆業
生年月日
電 話
被告発人 1
氏 名 東京電力株式会社
代表取締役 会長
勝俣 恒久
住 所 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号
電 話 03−6373−1111(会社代表)
被告発人 2
氏 名 東京電力株式会社
前代表取締役 社長
清水 正孝
住 所 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号
電 話 03−6373−1111(会社代表)
(以下、住所など省略)
被告発人 3
氏 名 班目 春樹
職 業 原子力安全委員長
同 4 氏 名 久木田 豊
職 業 原子力安全委員長代理
同 5 氏 名 久住 静代
職 業 原子力安全委員
同 6 氏 名 小山田 修
職 業 原子力安全委員
同 7 氏 名 代谷 誠治
8
職 業 原子力安全委員
同 8 氏 名 寺坂 信昭
職 業 原子力安全・保安院長
同 9 氏 名 纐纈こうけつ 一起
職 業 東京大学地震研究所教授
(総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会耐震・構造設計小委員会
地震・津波、地質・
地盤合同WG主査)
同 10 氏 名 衣笠 善博
職 業 東京工業大学名誉教授
(地震・津波、地質・地盤合同WG委員)
同 11 氏 名 岡村 行信
職 業 産業技術総合研究所活断層・地震研究センター長
(地震・津波、地質・地盤合同WG委員)
同 12 氏 名 近藤 駿介
職 業 原子力委員会委員長
同 13 氏 名 鈴木 篤之
職 業 前原子力安全委員会委員長
(現・日本原子力研究開発機構理事長)
同 14 氏 名 小宮山 宏
職 業 東京電力監査役
(元・東京大学総長)
同 15 氏 名 武藤 栄
職 業 東京電力代表取締役副社長
(原子力・立地本部長)
http://www.rupoken.jp/indictment/Indictment(scholar).pdf
1
告 発 状
東京地方検察庁 特捜部直告班
ご担当者 殿
平成23年7月8日
告発人 明石
昇二郎 印
同 広瀬 隆 印
当事者の表示
別紙「当事者目録」記載のとおり
第1 告発の趣旨
被告発人らの下記所為は、刑法第211条(業務上過失致傷罪)に該当すると思料されるので、徹底捜査の上、厳重に処罰されたい。
第2 告発の原因
1. 当事者
(1) 山下俊一(被告発人1)
被告発人1である山下俊一(以下「被告発人山下」という)は、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長の職にある医学者である。日本甲状腺学会理事長を務めると同時に、平成23年3月11日に発生した東京電力福島第1原子力発電所の重大事故を受け、福島県より「放射線健康リスク管理アドバイザー」に任命されている。
(2) 久住静代(被告発人2)
被告発人2である久住静代は、放射線影響学を専門とする医学者である。広島大学医学部医学科を卒業後、日米共同研究機関・放射線影響研究所臨床研究部副部長、広島大学原爆放射能医学研究所非常勤講師、(財)放射線影響協会放射線疫学調査センター審議役などを経て、平成16年4月より原子力安全委員会委員の職にある(常勤)。
(3) 国(文部科学省、被告発人3及び4及び15ないし17)
被告発人3である文部科学省(以下「文科省」という)を代表する大臣は、高木義明である。文科省は、教育の振興および学術、スポーツおよび文化の振興並びに科学技術の総合的な振興を図ることを任務とする国の機関である。また、被告発人4である板東久美子は、文部科学省生涯学習政策局長の職にある国家公務員である。
被告発人15である山中伸一は、文部科学省初等中等教育局長の職にある国家公務員である。
被告発人16である合田隆史は、文部科学省科学技術・学術政策局長の職にある国家公務員である。
被告発人17である布村幸彦は、文部科学省スポーツ・青尐年局長の職にある国家公務員である。
(4) 国(原子力安全委員会、被告発人10ないし13)
被告発人10である原子力安全委員会(以下「安全委」という)を代表する
委員長は、班目春樹(以下「班目」という)である。安全委は、原子力安全・
保安院による安全審査等を精査・検証し、専門家の立場から、科学的合理性に
基づいて、安全確保のための基本的考え方を示し、改善・是正すべき点につい
ては提言や勧告を行なうことによって、行政機関や事業者を指導する国の機関
である。
被告発人11である久木田豊は、原子力熱工学を専門とする科学者である。
東京大学大学院工学系研究科博士課程修了後、日本原子力研究所東海研究所安
全性試験研究センター原子炉安全工学部熱水力安全研究室長、名古屋大学大学
院工学研究科教授などを経て、平成21年4月より原子力安全委員会委員の職
にある(常勤)。
被告発人12である小山田修は、東京大学大学院工学系研究科修士課程修了
後、(株)日立製作所技師長、(独)日本原子力研究開発機構原子力基礎工学研
究部門長、(独)日本原子力研究開発機構原子力科学研究所所長などを経て、平
成21年4月より原子力安全委員会委員の職にある(常勤)。
被告発人13である代谷誠治は、京都大学大学院工学研究科博士課程単位取
得退学後、京都大学原子炉実験所教授、京都大学大学院エネルギー科学研究科
教授(兼任)、 京都大学原子炉実験所長などを経て、平成22年4月より原子
力安全委員会委員の職にある(常勤)。
被告発人2及び11ないし13は、班目とともに安全委において提言や勧告
を行なう職務に就いている。
(5) 放射線専門家
被告発人5である神谷研二は、広島大学原爆放射線医科学研究所長の職にある医学者である。平成23年3月11日に発生した東京電力福島第1原子力発電所の重大事故を受け、福島県より「放射線健康リスク管理アドバイザー」に任命されている。
被告発人6である寺沢秀一は、福井大学教授の職にある科学者である。
被告発人7である長瀧重信は、長崎大学名誉教授の職にある医学者である。日本アイソトープ協会常務理事、放射線影響研究所理事長などを経て、現在は国際被ばく医療協会名誉会長を務めている。
被告発人8である谷川攻一は、広島大学大学院教授の職にある科学者である。
被告発人9である高村昇は、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科教授の職にある医学者である。平成23年3月11日に発生した東京電力福島第1原子力発電所の重大事故を受け、福島県より「放射線健康リスク管理アドバイザー」に任命されている。
被告発人14である佐々木康人は、(社)日本アイソトープ協会常務理事の職にある科学者である。
また被告発人7である長瀧重信と被告発人14である佐々木康人は、平成23年4月15日付の首相官邸ホームページで「チェルノブイリ事故との比較」(http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g3.html)と題する論評(書証6)を連名で発表し、原子力発電所の事故による健康への影響に関して「福島の周辺住民の現在の被ばく線量は、20ミリシーベルト以下になっているので、放射線の影響は起こらない」とする解説をしていたが、文科省をはじめとした各機関等の調査により、福島県内各地に「年20ミリシーベルト」を上回る地域が多数存在していることが確認されている。
2. 事故の発生
平成23年3月11日、東京電力株式会社が保有する福島第1原子力発電所1号機〜4号機で、安全対策の不備から多量の放射性物質の放出を伴う重大事故(以下「本件事故」という)が発生した。
本件事故によって福島第1原子力発電所の1号機〜3号機が炉心溶融(メルトダウン)し、1号機と3号機、4号機では原子炉建屋の屋根を破損する水素爆発が発生し、これまでに77京(77×10の16乗)ベクレルに及ぶ大量の放射性物質が環境中に放出された。
本件事故は、本告発時の平成23年7月8日現在もなお、収束しておらず、環境中に放射性物質を放出し続けている。
3. 被害の発生
本件事故による大量の放射性物質の放出により、10万人以上に上る原子力発電所近隣の福島県民が被曝し、かつEPZ(原子力防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲。国の定める緊急時計画区域のことで、概ね半径8〜10キロメートル内の地域)を遥かに上回る原子力発電所から半径30キロメートル以遠の飯舘村、福島市、郡山市等に暮らす多数の一般市民、児童、生徒、学生までが大量の被曝に晒された。
4. 被告発人らの過失
この際、被告発人8である谷川攻一・広島大学大学院教授、同6である寺沢秀一・福井大学教授らは、国から「放射線専門家」として福島県に派遣され、被曝した避難住民の除染レベルを13000カウント(CPM)から7倍以上の10万CPM以上に引き上げることに関与し、事故で被曝した市民にとって貴重な初期除染の機会を失わせたばかりか、住民の被爆実態を事実上隠蔽する役目を果たした。
また被告発人2である久住静代、同10の班目春樹ら安全委は、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム「SPEEDI」等を用いて、福島第1原子力発電所から放出された放射性物質による汚染がEPZ以遠の広範囲に及んでいる事実を早期に察知していながら、放射性物質による被曝に弱い子供らへの防御策を積極的に取らずに放置し、国が福島県に派遣した複数の「放射線専門家」らもまた、原子力発電所の近隣自治体に配備されていたヨウ素剤を服用する必要はないとして、子供たちにヨウ素剤を服用させなかったばかりか、特に被告発人1である山下、被告発人7である長瀧、被告発人9である高村、被告発人14である佐々木らは、放射性物質による福島県内の汚染実態を把握しないうちから「大丈夫」、「安全」との主張をし続けた。
これほどの本件大事故でもヨウ素剤が必要ないとするなら、必要になる時などないことになる。
特に被告発人山下らは、放射線専門家として子供らの安全を図る義務があることを認識していたにもかかわらず、その期間ずっと放置し、なおかつ可及的速やかに子供らを避難させなければならないにもかかわらず、一般市民、児童、生徒、学生らの避難と放射性物質による被曝からの防御対策をサボタージュした。
また安全委や山下らは、我が国の法令が定める「放射線管理区域」の汚染レベル(3か月当たり1・3ミリシーベルト。1時間当たりに換算して約0・6マイクロシーベルト)を5〜6倍も上回る汚染(1年当たり20ミリシーベルト。1時間当たり3・8マイクロシーベルト)をわずかでも下回れば「安全」であるとして、そうした地域に暮らす一般市民、児童、生徒、学生らの安全対策を怠った。「田中龍作ジャーナル」飯舘村
山下教授「洗脳の全容」(書証5)
(http://tanakaryusaku.jp/2011/05/0002408)によると、山下に至っては、飯舘
村全域が国から「計画的避難区域」に指定された4月11日直前の4月1日に
来村して講演し、「現在、20歳以上の人のガンのリスクはゼロです。ですから
この会場にいる人達が将来ガンになった場合は、今回の原発事故に原因がある
のではなく、日頃の不摂生だと思ってください」等の被曝安全説を触れ回って
いた。
あまつさえ、我が国の法令が定める一般公衆の被曝限度「1年当たり1ミリシーベルト」を「1年当たり20ミリシーベルト」にまで引き上げたことは、福島県民を高放射線量の汚染地帯から早期に避難させる機会を決定的に奪い、被曝防御策を否定したのと同義である。
5
すべての被告発人には、SPEEDIで汚染の事実を覚知した時に一般市民、児童、生徒、学生らの避難策を講ずべき作為義務があり、それを怠った過失がある。
そのため、今後こうした汚染地域に暮らしていた被曝住民らの中から、甲状腺がん等の健康被害が発生する可能性が極めて大きい。
第3 告発に至る事情
これまで述べてきたように、作為義務を怠ったことにより被告発人らは、被曝した一般市民、児童、生徒、学生の間で健康被害が発生する危険を増大させていながら、甲状腺がん等の健康被害は晩発性の症状が主であるため、被告発人らが証拠隠滅を図る恐れが大である。
従って、東京地検においては、いまだ事故が収束していない最中ではあるが、必要な証拠を保全し、公正な処罰が行なわれるよう、直ちに捜査に着手するよう促すために、敢えて本告発をするに至った。
以 上
立証方法
1 告発人 明石昇二郎及び同 広瀬隆の共著書『原発の闇を暴く』(集英社刊。2011年7月発行)
2 原子力発電所で発生する過酷事故の危険性を指摘してきた告発人明石昇二郎の著書『原発崩壊
誰も想定したくないその日』(金曜日刊。2007年11月発行)
3 原発事故の可能性と被曝のメカニズムを論証した告発人広瀬隆の著書『原子炉時限爆弾
大地震におびえる日本列島』(ダイヤモンド社刊。2010年8月発行)
4 福島第1原発事故による被曝のメカニズムを論証した告発人広瀬隆の著書『福島原発メルトダウン』(朝日新聞出版朝日新書。2011年5月発行)
5 田中龍作ジャーナル「飯舘村
山下教授『洗脳の全容』」
http://tanakaryusaku.jp/2011/05/0002408
6 被告発人7である長瀧重信と被告発人14である佐々木康人が、平成23年4月15日付の首相官邸ホームページで公開した「チェルノブイリ事故との比較」と題する論評
http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g3.html
7 告発人 明石昇二郎 陳述書
8 告発人 広瀬隆 陳述書
9 別冊宝島『原発の深い闇』(2011年7月14日発売号)
添付書類
前記書証 各1
7
当事者目録
告発人 氏
名 明石 昇二郎
住 所
職 業 文筆業
生年月日
電 話
告発人 氏
名 広瀬 隆
住 所
職 業 文筆業
生年月日
電 話
被告発人 1
氏 名 山下 俊一
住 所 長崎市坂本1−7−1
長崎大学大学院 歯薬学総合研究科
職 業 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長
(日本甲状腺学会理事長、福島県放射線健康リスク
管理アドバイザー)
被告発人 2
氏 名 久住 静代
住 所 東京都千代田区霞が関3丁目1番1号 中央合同庁舎 第4号館 6階 原子力安全委員会 職
業 原子力安全委員会委員
被告発人 3
氏 名 高木 義明
住 所 東京都千代田区霞が関3丁目2番2号
文部科学省
職 業 文部科学大臣
被告発人 4
氏 名 板東 久美子
住 所 東京都千代田区霞が関3丁目2番2号
文部科学省
職 業 文部科学省生涯学習政策局長
(以下、住所など省略)
8
被告発人 5
氏 名 神谷 研二
職 業 広島大学原爆放射線医科学研究所長
(福島県放射線健康リスク管理アドバイザー)
被告発人 6
氏 名 寺沢 秀一
職 業 福井大学教授
被告発人 7
氏 名 長瀧 重信
職 業 長崎大学名誉教授
(元日本アイソトープ協会常務理事、元放射線
影響研究所理事長、国際被ばく医療協会名誉会長)
被告発人 8
氏 名 谷川 攻一
職 業 広島大学大学院教授
被告発人 9
氏 名 高村 昇
職 業 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科教授
(福島県放射線健康リスク管理アドバイザー)
被告発人 10
氏 名 班目 春樹
職 業 原子力安全委員長
被告発人 11
氏 名 久木田 豊
職 業 原子力安全委員長代理
被告発人 12
氏 名 小山田 修
職 業 原子力安全委員
被告発人 13
氏 名 代谷 誠治
職 業 原子力安全委員
被告発人 14
氏 名 佐々木 康人
職 業 (社)日本アイソトープ協会常務理事
(前・放射線医学総合研究所理事長)
被告発人 15
氏 名 山中 伸一
職 業 文部科学省初等中等教育局長
被告発人 16
氏 名 合田 隆史
職 業 文部科学省科学技術・学術政策局長
被告発人 17
氏 名 布村 幸彦
職 業 文部科学省スポーツ・青尐年局長
http://marugametorao.wordpress.com/
ニューロドクター乱夢随想録
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