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電力はありながら原発のために国民に節電を強要する電力会社って何なんだ!
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2011.07/17 日々坦々
朝日新聞がスクープを飛ばした。
日本の原子力行政の出発地点そのものが偽装から始まっていた、という記事である。
■原子力委の設置、裏に偽装報告 55年 初の海外調査団
(朝日新聞2011年7月17日3時1分)
政府が1955年、原発を導入するために初めて派遣した海外調査団の報告書が、原子力委員会の設置を推進する内容に偽装されていたことがわかった。作成に関与した旧通商産業省の初代原子力課長(故人)の偽装を認める証言が、文部科学省の内部文書に記録されていた。
文書は85〜94年、日本の原子力行政の重鎮で、原子力局長や原子力委員を務めた故・島村武久氏が、原子力政策にかかわった政治家や官僚、学者など33人を講師として招いた「島村研究会」の録音記録。A4判620ページにわたって文書化され、文科省が製本したものを朝日新聞が入手した。
政府は54年12月、初めての原子力予算で、物理学者を団長とする15人の「原子力平和的利用海外調査団」を派遣。4班に分かれて米英仏やインド、スウェーデン、デンマークなど14カ国を巡り、原子力行政の組織体制を調べた。
調査団は帰国後、原子力を推進・開発する政府の機関について「各国の統括機関はほとんどすべて委員会の形をとり多頭。各方面の意見を十分に入れるためと思われる」と報告書に明記して、集団指導体制による委員会の設置を日本でも急ぐよう提言した。
事務局として作成にかかわった旧通産省工業技術院原子力課の初代課長の故・堀純郎氏は88年、「島村研究会」に招かれ、「(トップに)委員会をつくっているのは米国だけで、ほかにはどこもない」と指摘。フランスは「役所」、イギリスは「公社」だったにもかかわらず、「(諸外国は)どこでも委員会だ。だから日本でも委員会を作らなくちゃいかんと強調した」と偽装を証言した。
さらに「若い事務官がこんなうそ書けるかと憤慨した」とも証言し、のちに資源エネルギー庁次長となる豊永恵哉氏が偽装に抵抗したことを明らかにした。
豊永氏は朝日新聞の取材に「委員会は米国にしかなく、責任があいまいになり、日本になじまないと思った。むしろしっかりした行政組織を作るべきだと上司に進言した」と話す。
政府は報告書をもとに原子力委員会を56年に発足させ、初代委員長に正力松太郎国務相、委員にノーベル物理学賞の湯川秀樹氏、経団連会長の石川一郎氏らを起用。著名人を集めた委員会を設け、米国の水爆実験で「第五福竜丸」が被曝(ひばく)した事件による原子力への世論の逆風を弱める狙いがあったとみられる。政府が公表した報告書の偽装は、原発導入期からの隠蔽(いんぺい)体質を示すものだ。(山岸一生)
これを読むと、その後の隠蔽体質やヤラセなどに見る住民無視の政策も、何をか言わんやである。
偽装による報告書をもとに立ち上げられた初代原子力委員会委員長は正力松太郎・国務相、委員にノーベル物理学賞の湯川秀樹氏、経団連会長の石川一郎氏らを起用したということだ。
これは、原子力推進の今の勢力図と重なり合う。
政府&マスコミと学者を中心い原子力村を形成、経団連を中心に原発推進勢力が幅を利かせている。
現在、国民が強いられている節電では、本当に電力が足りないのか、原発の必要性を国民に示すための、これもヤラセではないのか、と国民の不信感は頂点に達している。
とはいえ、日本人はやるとなったら、全体で突き進み、お年寄りなどは、「エアコンをつけることは悪」だとか、「隣近所の手前」など、それぞれ必要以上にセーブしすぎで、熱中症にやられたりしている。
日本人の習性にうまく付け込んだ「節電キャンペーン」を東京新聞がバッサリと切り捨ててくれている。
以下7月16日「こちら特報部」の記事である。
「節電キャンペーン」を検証
「15%削減」は必要? 日本全国で「節電キャンペーン」が大展開されている。東京電力、東北電力の管内では企業も家庭も「15%節電」に大わらわ。ついには室温を三〇度に設定する自治体まで登場した。さながら有無を言わさぬ「節電ファッショ」の様相だ。ところが、電力各社の今夏の電力需給予測を見ると、ほとんどの社で電力は足りている。それでも危機をあおる背景には、「原発再稼働」への思惑が見え隠れする。(篠ケ瀬祐司、佐藤圭)
埼玉県越谷市は一日から、市役所の冷房温度を三〇度に設定した。三〇度では外と同じではないか。十四日に訪ねてみると、市役所一階の室温は午前十時前で二九度もあった。
なぜ「三〇度」なのか。
同市は二〇〇一年度から本格的に節電に取り組み、市庁舎の室温を二八度に設定。電力需要が増える午後一時から三時までは冷房設備を切っていた。
そこに国から「東京電力と東北電力管内の『大口需要家』は一律15%削減」との目標が降ってきた。先行努力してきた同市にとっては“乾いたぞうきん”を絞るようなもの。
「『二八度以下にするよう努めなければいけない』との労働安全衛生法の規則もある。でも国の目標達成のため室温設定を二八度から三〇度に上げた」と、斎藤光雄環境政策課長は苦しい事情を説明する。
三〇度に設定しても天井が低い場所や、西日があたる職場は三〇度を超える。同市では体調を崩した来庁者用に、庁舎内の医務室に個別のエアコンを設置。猛暑日には設定温度を下げることも検討している。
栃木県東部の那須烏山市も南那須庁舎の冷房を三〇度に設定した。
政府の「節電実行基本方針」は「原則二八度」。それを上回る設定にしたのは「精神論というか、これだけ電力不足が叫ばれている中、市民と痛みを共有し、できるだけのことをするため」(総務課)だという。
戸別訪問してまで節電を進める役所もある。東京都環境局が六月から始めた「家庭の節電アドバイザー事業」だ。
東京電力や東京ガスなどの職員らを研修し、三千人の「家庭の節電アドバイザー」に認定する。
アドバイザーが本来業務の点検などで各家庭に出向く際に、電力供給不足や節電の必要性を説明。15%の削減目標も知らせ、家庭でできる節電方法を案内する。百万世帯を訪問する計画だ。
今年は早くから暑い。節電を意識するあまり、体調不良はおきないか。
東京消防庁によると、六月一日から七月十三日までに、同庁管内で熱中症で救急搬送された人は七百五十三人。昨年同期の百一人と比べ、七倍以上だ。同庁では「高齢者や体の具合の悪い方は、早めに冷房のスイッチを」と、節電を過剰に意識することによる熱中症に注意を呼び掛けている。
高齢化が進む新宿区の都営戸山団地などでの孤独死を防ぐ活動をしているNPO法人「人と人をつなぐ会」の本庄有由会長も「高齢者は忠実な人が多い。自分が辛抱してまで節電に協力してしまう」と、行き過ぎた節電意識に警鐘を鳴らしている。
東京電力の「でんき予報」によれば、十四日の予想最大需要は四千五百五十万キロワット。最大供給力五千二百七十万キロワットに対する使用率は86%。実際のピーク時(午後二時台)の使用量は、ほぼ予報通りの四千五百五十四万キロワットだった。関東では最高気温が三五度以上の猛暑日になる所も多かったが、電力は十分足りたわけだ。
夏には「電力危機」が訪れるのではなかったのか。これは「節電キャンペーン」の成果なのか。 電力使用制限令を発動した一日から九日までに、15%削減の目標を東電管内で達成できたのは、一日(15・2%減)と七日(22・0%減)の二日間のみ。東京電力に評価を聞いたところ、広報担当者は「一日は、自動車業界の土日操業の影響が一部含まれているのではないか。六月末と、制限令発動以降との間で明確な差は見られない。引き続き需要の変動を精査したい」と回答した。
自動車業界は今月から、土日に稼働し、木金に休日を振り替える「土日操業」を実施している。要するに現段階で、自動車業界以外の節電対策の効果は判別できないことになる。こうなると制限令まで持ち出す必要があったのか、15%という数字に妥当性があるのかなどの疑問が湧く。
そもそも、電力各社は既に、今夏のピーク時の需要を上回るか、ほぼ同等の供給力を備えている。火力発電所の再稼働、夜間に水をくみ上げて昼間に発電する揚水発電の活用、“埋蔵電力”ともいわれる民間の自家発電余剰分の購入などで帳尻を合わせた。「定期検査を終えた原発を再稼働させなければ電力が不足する」などと騒いだのがウソのようだ。
東電の場合は、「こちら特報部」が五月十二日の紙面で、広野火力発電所(福島県広野町、全五基計三百八十万キロワット)が今月中旬にも復旧する方針であるにもかかわらず、夏の需給見通しに盛り込まれていない点を指摘。すると、翌十三日に新たな見通しが発表され、広野火力の復旧などが織り込まれた。八月の供給力は、五千七十万キロワットから五千六百二十万キロワットへと一気に上積み。広野火力は現在、1、2、5号機が運転中。4号機も十四日に復旧した。
東京電力は東北電力に最大百四十万キロワットを支援するほか、西日本の電力各社への融通まで検討するようになった。浜岡原発を全面停止した中部電力も、他の電力会社から融通要請があった場合には緊急的に応じる考えを示している。
原発依存率の高い関西電力や、被災地を抱える東北電力は、他の電力会社に比べると、需給が逼迫(ひっぱく)しているように見える。すると、電力会社や経済産業省は性懲りもなく、「冬の電力需要が危ない」とキャンペーンを張りつつある。しかし、この冬も、火力発電所の再稼働や自家発電余剰分の購入で乗り切れるのではないか。
菅直人首相も十三日の記者会見で「節電や自家発電活用などの協力が得られれば(原発が再稼働しなくても)今年の夏と冬の必要な電力供給は可能だ」と明言した。
ある経産省関係者は声を潜めて言う。
「七月まで頑張ってみたが、原発の再稼働はダメだった。今後は、ますます他の方法で電力を確保する方向に行かざるを得ない」
この言葉は、そのまま原発依存の虚構を物語っている。
<デスクメモ> わが家でもゴーヤーの緑のカーテンを作り、電球も間引きした。節電自体は大歓迎だ。これを契機に、自然豊かな街や避暑休暇など新しい文化が育てばいい。だが原発を維持するために強要されるのは納得できない。逆に、節電の努力と引き換えに「原発を動かすな」という要求をしてもいいのではないか。(充)
電力会社や電事連は、当たり前のように毎日テレビコマーシャルを流し続けている。
それも「節電キャンペーン」である。
見え透いたヤラセキャンペーンをやる余力があるのなら、広告費を全て補償に回すべきである。
というか、早くこんな詐欺会社は潰してほしいものである。
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