http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/357.html
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まず、デーブ・スペクターさんには失礼なタイトルを付けたことをお詫びします。
今日のお昼に放送されたテレ朝「ワイドスクランブル」で菅首相の「脱原発依存」表明をめぐる問題のコーナーに民主党の川内代議士と自民党の世耕参議院議員が出演していた。
川内代議士は、「脱原発」を明言し、様々な発電方式のコストデータなどを提示させることで与野党を超えた論議で「脱原発」への道筋をつけることを主張していた。
世耕参議院議員は、昨日アップした自民党の政策と変わらないもので、原発の新設は困難だから原発は自然と減っていくというものだった。
そして、お互いに政策は変わらないと確認し合っていた(笑)。
それだけにとどまらず、菅首相の「脱原発」表明記者会見を、延命のためだとか、終わった首相が新しい政策を語っても意味がないなどと同調しながら話していた。
そのなかでも、川内代議士が、“原発誘致や事故への責任を明らかにしていない”渡部恒三代議士の「国民世論は脱原発なんだから、わざわざ記者会見で言うようなことじゃない」という言葉を援用して、菅首相の脱原発記者会見を無化するような発言をしたのには驚いた。
木曜日なのであのデーブ・スペクターさんも同席していたが、「日本にはビジョンを語る政治指導者がいなかったなかで、菅首相がせっかくビジョンを語ったのだから、誰が語ったとか、何のために語ったとかではなく、その内容の善し悪しを議論すればいいのでは?」と二人を諫めていたが、しごくまっとうな意見だと思う。
極めつけで劣悪な人間はテレビ朝日の川村解説委員である。
菅首相は、13日の記者会見の前日(12日)の国会ですでに「脱原発」を表明しているのにも関わらず、「13日に唐突に記者会見を開いたのは、12日に“ブログ”で脱原発に関する内容を書き、ある新聞が13日の朝刊(朝日新聞)で原発ゼロの社会という特集を組むのを知っていたからだろう」(趣旨)と“解説”してみせた。
私が知っているくらいだから、川村解説委員が、12日の衆議院震災復興特別委員会で菅首相が「脱原発」を表明したことを知らないはずはないだろう。
政治家や評論家などが「脱原発」や「縮原発」を言っているからといって、それが本音だと信じることはできない。
政治的判断として、今の世論動向では「原発維持」や「原発推進」は言えない(損だ)というだけで、世の中の気分が変われば、「原発推進」にギアチェンジする政治家が多数いる可能性を忘れてはならない。
「脱原発」が本気かどうかは、原発は世論から否応なく減っていくという評論家的政策ではなく、最低限、もんじゅの廃炉・核燃料再処理の断念・大間原発の工事中止・新規原発禁止法案の制定に努力するか同意するかでなければならない。
敵にびっしり囲まれていると言え、菅首相の「脱原発」政策も、中身があまりにもない空中楼閣でしかないものだ。
脱原発派というか反原発派のひとに、菅首相のストレステストや「脱原発」表明を揶揄的に見る人がけっこういるようだ。
しかし、冷静に考えれば、ストレステストを引っ張り出すことで玄海や伊方の再稼働がとりあえず停まったこと、この50年あまりの日本政治史で原発事故の原理的非回避性や原発事故がもたらすリスクの質的違いを明確に打ち出した首相が菅以前には一人もいなかったことくらいわかるはずだ。
(ストレステストは、今後はともかく、今までは技術論ではなく政治論としての意味でしかない。技術論としても、政府や電力会社は別にストレステストなるものをやる義務はなかたったのだから、それで原発再稼働が容認されるようになると言ってカリカリするのは錯誤した判断だと思う。どうあがいても本質的に安全はないことをきちんと押さえていればいい話)
菅首相が「脱原発」を国策化できない可能性は高いと思っているが、だからと言って、再稼働や増設に動いているわけではないし、他に「脱原発」を政治課題にする政治家も見当たらないのだから、叱咤激励はかまわないが、揶揄して済ましたり、しらけたりする態度はどうだかねと思う。
もちろん、菅首相を支持する必要なんかまったくない。
私自身、菅さんが目の前に現れたら、罵り、つばを吐きかけ、殴りかかり、蹴飛ばしたい衝動に駆られるくらいに憎悪している。
脱原発派や反原発派は、事故のショックで原発に不安や恐怖を感じている人が多数である一点だけで支えられている“脱原発潮流”であることを忘れてはならない。
「原発維持派」や「原発推進派」は、事故のショックがやわらぎ人々の恐怖心が冷めるまで、脱原発や減原発を口先で言うことで矢面に立つのを避けているだけだ。
菅首相の「脱原発」表明で明瞭にあぶり出されたのは、支配的地位にあるひとたちのなかで、「原発維持派」がかくも強く圧倒的多数を占めている現実だ。
「脱原発派」は、未曾有の放射能汚染事故を起こした福島第一原発によってこれまでとは違う立場を得ているだけで、政治的な力はたいして強化されていない。
統一地方選挙でも、立地自治体での脱原発の動きはそれほど明瞭ではなく微々たるものだった。国会議員構成も、選挙は行われていないから、3・11以後なんら変わっていない。
ひとの気分などすぐに変わるもので、それがお金と絡むとさらに変わりやすいものだ。
※ 関連投稿
「菅首相の「私は原子力依存からの脱却をめざす」という答弁をプイと知らん顔で無視する大手メディア(答弁内容付き)」
http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/244.html
「ミソとクソほどの違いがある菅首相の「脱原発」表明と自民党の「縮原発」への転換が政策としてたいして変わらないと考える愚」
http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/310.html
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