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2011年7月15日 朝刊 東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2011071502000018.html
「犠牲になるのは子供」「何故発電再開が出来ないのでしょうか」。佐賀・玄海原発をめぐる「やらせメール」問題で、九州電力は再開を支持する世論を誘導しようと、関係者の意見投稿をお膳立てする「例文集」を作成していた。
例文は全部で六つ。「安全対策については十分に実施されており、発電を再開することについて全く問題ない」と自画自賛。別の例文では「九州を含む西日本が元気を出して、生産や経済を回さなければならない」と使命感を前面に出す。さらにはトヨタ自動車の豊田章男社長の実名を出した例文では、発言を引用しながら「電力不足が国内産業の空洞化にますます拍車をかける」と危機感をあおった。
「夏の『熱中症』が大変に心配であります。犠牲になるのは、弱者である子供や年配者」と配慮も打ち出す一方、太陽光や風力といった自然エネルギーを「代替の電源に成り得ることは到底無理」と批判する文も用意していた。
九電によると、番組に九電関係者が投稿した意見の中には「安全性は確認されている」「日本産業の空洞化を懸念しています」など、例文と類似したものが見つかっているという。「玄海原発プルサーマル裁判の会」世話人の小林栄子さん(60)は「そこまでして(原発を)稼働させたいのかと思うと情けない」とあきれた様子で話した。
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