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九電やらせメール:「犠牲になるのは子供」など例文集作成
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110715k0000m040135000c.html
毎日新聞 2011年7月14日 23時25分(最終更新 7月14日 23時40分)
「犠牲になるのは子供」。原発を巡る「やらせメール」問題で、九州電力は再開を支持する世論を誘導しようと、関係者の意見投稿をお膳立てする「例文集」を作成していた。
例文は六つ。「安全対策については十分に実施されており、発電再開に全く問題ない」と自画自賛。別の例文では「九州を含む西日本が元気を出して生産や経済を回さなければならない」と使命感を前面に出す。さらにはトヨタ自動車の豊田章男社長の実名を出した例文では、発言を引用しながら「電力不足が国内産業の空洞化にますます拍車をかける」と危機感をあおった。
「夏の『熱中症』が大変に心配。犠牲になるのは弱者である子供や年配者」と配慮も打ち出す一方、太陽光や風力といった自然エネルギーを「代替の電源に成り得ることは到底無理」と批判する文も周到に用意していた。
「玄海原発プルサーマル裁判の会」世話人の小林栄子さん(60)は「そこまでして(原発を)稼働させたいのかと思うと情けない」と話した。
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九電やらせメール:「民意がねじ曲げられた」と怒りの声
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110715k0000m040121000c.html
毎日新聞 2011年7月14日 21時59分
「民意がねじ曲げられた」。国主催による6月の県民説明番組で、メールの賛否を覆すほど大量の「賛意」を送りつけていた九州電力。抽選で参加者を募った7月8日の県主催の説明会(佐賀県多久市)でも、募集枠を上回る人数が“サクラ応募”した結果、会場の6人に1人が九電関係者だったことも明らかに。番組出演者や佐賀県民からは憤りの声が噴出した。
「本当の民意がねじ曲げられた」。説明番組と説明会にパネリストとして出演した佐賀県玄海町の農業、平田義信さん(49)は、8日の説明会で抽選に漏れた多くの民意に思いをいたす。説明会は定員370人に1092人の応募があったが、実はこのうち428人が九電関係者で、当日の参加者約350人中63人を占めた。平田さんは「多くの人が会場で直接伝えたいこと、聞きたいことがあっただろう。それがつぶされた」と怒る。
「あきれを通り越して怖い。こういう会社が原発を扱い、人の命を預かっているのかと」。同じく番組出演者の映画評論家、西村雄一郎さん(59)=佐賀市=は九電不信を隠さない。西村さんは番組で九電の“殿様商売”ぶりを指摘したが、「ここまで危機意識のない会社だとは。九電は未来永劫(えいごう)会社が続くと思っているのでは。地域独占をやめさせ、競争原理を持ち込むしか体質を変える方法はない」と突き放した。
一般県民からも厳しい指摘が出ている。玄海町の農業男性(62)は「九電は信用されんようになる。いくら電気が足りないといっても玄海原発の再稼働はもうちょっと考えないといかん」と話した。
一方、4日の時点で九電の中村明・原子力発電本部副本部長から「やらせメール」の事実を否定され、11日には「部下の独断」との説明を受けていた鹿児島県議会。原子力安全対策等特別委の中村真委員長(自民)は「彼にやらせの認識があったかをこれ以上聞いても水掛け論。どうしてこんな姑息(こそく)なことをしたのか」とあきらめ顔。二牟礼正博副委員長(無所属)は「九電はすべてを明らかにしていない」と憤り、「事故や安全性について情報を隠しているのではと常に疑わざるを得ず、原発の運転を任せられない。信頼回復にはすべてを公表することが第一歩だ」と強調した。
伊藤祐一郎知事も「説明番組の信頼性や九電への信頼を損なう行為であり、誠に遺憾。信頼失墜行為を反省し、信頼回復に努めるべきだ」との談話を発表した。【阿部周一、原田哲郎、福岡静哉】
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