http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/311.html
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赤かぶさんが転載している「記者の目:重大時期迎える原発問題の危機管理=中井和久」
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20110714k0000m070140000c.html
に面白い内容がある。
【引用】
「 実は、東京電力に「羅針盤」はある。原発のトラブル隠し(02年)の反省に立って「企業倫理遵守(じゅんしゅ)に関する行動基準」が定められ、虚偽データ報告の発覚(07年)を経てさらに改定が加えられた。そのマニュアルには、三つの自己チェックポイントが示されているという。
<その行動は、家族・友人に“自信を持って”話すことができるものですか?>
<その行動は、お客様や地域社会の方々から見て、問題のないものですか?>
<あなたは、“目先の利益”や“その場しのぎの対応”に目を奪われていないと自信をもって言えますか?>
これは社員が携帯するカードにも記され、常に自問自答する仕組みだという。
まさにこの3点は、危機管理の土台を示す。「組織の論理」を優先させるなという教えだ。こうした考え方がきっちりと守られていれば、国会をも巻き込んだ「海水注入問題」のドタバタ劇はなかったろうし、メルトダウン(炉心溶融)状態にあるとの見方を示すまで2カ月もかかったりしなかったと思う。 」
東電の「企業倫理遵守に関する行動基準」に加えられたという三つの自己チェックポイントは、多額のお金で請け負ったコンサルが考えたのだろうが、実質のない表面的なものでしかない。
それでも、これを見てある割合の人は、表現が感じさせるもっともらしさで、そこまで教育されているのなら東電社員はきちんとしているはずと錯覚するかもしれない。
しかし、それは錯覚でしかなく、三つの自己チェックポイントはいかようにも“解釈”できるものなのだ。
三つの自己チェックポイントのある解釈:
● <その行動は、家族・友人に“自信を持って”話すことができるものですか?>
邪魔する輩を排除しながら、粉骨砕身で国策を遂行しているのだから、“自信を持って”、さらには、誇りさえもって、家族や友人に話すことができるに決まっているじゃないか。
● <その行動は、お客様や地域社会の方々から見て、問題のないものですか?>
補助金や再処理費用の先送りで原発のコストは低く見られているのだから、現在の電気料金を維持するために、原発が円滑に運転できるよう、様々な“工夫”をするのはお客様にとってもいいことだ。
また、近くに原発を建てたことで、地域社会には雇用と交付金をもたらしたのだから、ノープレブレムどころか感謝されてもいいくらいだと思っている。
● <あなたは、“目先の利益”や“その場しのぎの対応”に目を奪われていないと自信をもって言えますか?>
とんでもない、事故を隠すのは、“目先の利益”ではなく、長期的な利益のためであり、国益のためでもあると自信を持って言える
事故が起きたことを知ると、けが人さえ出ずたいしたものではなくても住民が不安に駆られ、原発の円滑な運転が出来なくなる。それを避けるために、事故を隠したり、事故を過小評価したり、データを改ざんしたりしているのだ。
“その場しのぎの対応“というみみっちいことはしていない。いったん嘘をついたら、後のちまで組織的に隠し通すことに励んでいる。
だから、1978年11月2日に福島第一3号機で起きた「臨界事故」も、29年後の2007年3月22日にようやく公表されたくらだ。
これだって、タレコミを推奨するような知事がいなければバレなかったのだ。
「臨界事故」で誰かが被曝したわけでも死んだわけでもなく、原発をなくす話もないのだから、知らない方が「安心」を保持したままで良かったのだ。
東電がどのような社員教育をしてきたかは、事故後にいくつか見られた従業員の自社擁護発言からも一端を推し量ることが出来る。
念のため、上記の解釈はそういう解釈も可能ではというもので、東電従業員や役員がそのような解釈で業務を行っていたと主張するものではありません。
あくまでも、言葉や表現が持つ先験的な価値やイメージから脱却しようという趣旨の投稿です。
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