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http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1198.html
先週土曜日(9日)に放送されたNHKスペシャルは、まず中部電力の浜岡原発停止を受けて、佐賀県知事の古川康があたかも懊悩しているかのような映像を流したあと、原発推進ないし維持派が2人(奈良林直、澤昭裕)、脱原発派が2人(飯田哲也、後藤政志)、それに東電原発事故を契機に「脱原発」の意見を持つようになったというノンフィクション作家の吉永みち子の5人が、三宅民夫の司会で討論するという構成だった。
イントロの映像があまりに古川康の真意からかけ離れた白々しいもので、父親が九電社員の古川は、最初から原発を再稼働させたい意図しかなく、玄海町長の岸本英雄に至っては、弟が経営する地元の土建業者が「原発マネー」で潤っていたという「トンデモ首長」だった。これを報じる西日本新聞及び朝日新聞の記事を追記欄で紹介する。
Nスペの討論の方は、吉永みち子が「脱原発」寄りだったから3対2かと思いきや、司会の三宅民夫が露骨に原発推進派寄りだったから3対3で、しかも現在話題の九電「やらせメール」事件は、番組開始時にテロップで示されただけで討論では一切議論されず、原発にはつきものの「被曝労働」や「電源三法交付金」の問題にも全く触れないなど、NHKが原発推進勢力に迎合する土俵を作っているのがミエミエで、きわめて不愉快だった。
しかし、討論で過激な原発推進の立場でしゃべっていた奈良林直の発言があまりにひどかったせいか、討論は「脱原発」側の優勢に終わった。番組が紹介していた視聴者の意見は、賛否相半ばしていたが、後半では「脱原発」寄りの意見が若干多く紹介されるようになったのは、現実に番組に寄せられた意見には圧倒的に「脱原発」側に立つものが多かったであろうことを想像させるものだった。
なお、奈良林直に対する批判は、別ブログの『kojitakenの日記』で行っている。これまでに下記の3件を書いた。
「原発停止をジェット機に喩える『頭の悪い大学教授』奈良林直が『原子力安全委員会専門委員』を務める恐怖」(7月10日)
「奈良林直の『トンデモ』の毒気にあてられ、『きまぐれな日々』の公開を明日に延期」(7月11日)
「蒸し返される奈良林直の妄言の数々」(7月12日)
2件目の記事に書いたように、当初今回のエントリは奈良林直を批判するものにしようかと思ったのだが、あまりにデタラメな「トンデモ学者」であることがわかったのでやめた。ただ、こんな「トンデモ」な人間でも、東芝で原子力村のために貢献すれば大学教授に「天上がり」でき、原子力安全委員会の専門委員になれたというアカデミズム及び原発行政の腐敗には暗澹たる思いだ。
昨日は、それなら原発再稼働に関する政府の統一見解をテーマにしようかと思ってブログの更新を延期したのだが、これがまた典型的な「玉虫色」の決着、問題の先送りであって、論評する気にもならないものだった。
そこで、meditation2011さんが当ブログへのコメントで教えてくださった、「原発を再稼働させなければ電力不足になる」という虚偽宣伝に反論する名古屋大学・高野雅夫准教授の試算の紹介を、今回のエントリの目玉にしたい。以下転載する。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1197.html#comment12325
比嘉様がすでに紹介されていますが、名古屋大学の高野雅夫准教授による東電、中電、関電電力供給量についての試算、私もかなり説得力あると思いました。
●電力は本当に足りないのか?を検証
http://www.youtube.com/watch?v=oHQX2QboIyc
●原発電力は足りないのか?を検証vol2
http://www.youtube.com/watch?v=VAOzja7J0-c
↓は高野准教授ブログの該当エントリー
http://blog.goo.ne.jp/daizusensei/e/5d6a77320c641c30b6ed32cf97bde105
ポイントとしては
エネ庁発行電力開発の概要2010、すなわち一般電気事業者(電力会社)が経産省へ届け出ている供給量を元に現在停止中の原発分を差し引いた形で試算している。
番組では水力、卸電気事業者(電源開発)揚水、稼動原子力、火力、卸電気事業者火力に(東電分について)緊急設置電源分も加味した上で、精査し供給量を出している。結果東電6207万kW(昨年並み需要6000万kWとすると3.3%余力)、中電3035万kW(昨年並み需要2709万kWとすると12.5%余力)、関電3863万kW(昨年並み需要3138万kWとすると18.8%)となる。
高野准教授の推測では、関電は燃料調達計画により15%削減目標としている可能性が高い。
なお、中電、関電は稼動原子力0。
東電から稼動原子力491万kW分を0とした場合、供給量5716万kWとなり、昨年並み需要とすると余力▲5.0%となる。
という試算に対して
番組として東電へ確認。他の一般電気事業者からの応援融通や自家発等からの受電あるも、卸電気事業者含む揚水で7(,8)月とも▲284万kW、火力で▲259万kW(、他に細かな部分で差があり)東電回答供給量は7月で5680万kW(、8月で5750万kW)となる。
東電によれば、揚水で差がある理由は貯水池推量変化、夜間電力需要により最大出力使えるかどうか変化する。火力で差がある理由は定期点検や経年劣化により停止中の発電所がある、とのこと。
揚水に関して番組は鞄本総合研究所、宮内洋宣研究員に確認。宮内氏は揚水は毎日フル稼働できないが、ピーク時にはフルに使える切り札中の切り札、と回答。
橋下府知事によると関電は詳細資料出してこなかったが、府と関電で今後詳細詰めていく。今までも供給量について突っ込むと大ガスの自家発電があるとか色々言ってきた。
電力会社には更なる説明責任がある。
といったところでしょうか。
いずれにせよ、大手メディアも経済界も電力不安をあおりにあおっています。
今までも火力の稼働率を50%→70%にUPすればとか、企業に自家発電は6000万kWもあり、送電線使用料=託送料を安くして送電網を開放すれば、原子力より確かなバックアップ電源となる、またはPPS(特定規模電気事業者)がどんどん増える、といった原発0時代対策あるいは今夏のピーク需要対策に関する論はありました。
しかし、あまりにアバウトすぎる、また、送電網の開放には安全面含め詳細な制度設計が必要となる=時間がかかる、さらに企業の自家発電をピークに使うには個々の企業負担となる燃料代、メンテ費、人件費等ランニングコストの問題やNOx,SOx規制他法的規制面を無視した論と言わざるを得なかった。
高野准教授試算も東電、中電、関電三電力のみの紹介であり、他電力の状況はわかっていません。
しかしながら、東電も一方で4-5月にエネットなど特定のPPSより適正価格(=買い叩)で供給を受けていますし、仮に他社受電(=他電力よりの受電)分110万kWがなくなろうと自家発等からの受電70万kWではなく更に増やせば、5700-5800万kW程度までは積み上がるのではないかと思っています。
そういったことからも三電力に関しては、彼らの自助努力にて無理な節電を行わずとも十分乗り切れる、非常に説得力のある試算だと思います。
(次期代表戦をにらんで)前原氏が鳩山氏に協力要請とか、鳩山氏が海江田氏に早く辞任して代表戦に立候補しろと言ったとか、山岡氏が前原氏に接近とか、何が真実かはわかりませんが民主党内原発維持・推進派も必死のようです。しかし経産省や電力会社の原発安全PRはもはや止め処も無く疑われている。
11日には例のストレステストの位置付けを政府統一見解として発表されるようですが、どんな中身になろうと説得力は無いでしょうね。
次は(必然的に電源三法交付金の位置付けも明確になる)コスト面、供給量面両方セットで論理的に反論できる場をどうにか作っていくことですね。
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