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http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20110712-OHT1T00054.htm
定年の元技術者集団、12日に原子炉建屋内へ…志願者427人の代表5人
福島第1原発に入る「福島原発行動隊」の山田代表 東京電力福島第1原発の事故収束に向け、還暦を過ぎた元技術者らが現地でのボランティア作業を志願したプロジェクト「福島原発行動隊」の代表メンバー5人が12日、いよいよ原子炉建屋内に入る。今回は東京電力関係者に案内されての視察だが、作業の実現に向けた大きな前進。代表の山田恭暉(やすてる)さん(72)は「9月には作業を開始したい」と話している。
全員60歳超えの“勇気ある男たち”が、ついに福島第1原発の原子炉建屋内に入る。プロジェクトを牽引(けんいん)してきた山田さんは「いよいよですね。何もないところからここまできましたが、これからが本番だと思ってます」と言葉に力を込める。
建屋内を視察する代表団は5人。住友金属の技術者として原子炉構造の研究にも取り組んだ山田さんや、原発の専門知識を持つ学者も名を連ねる。既に宮城県内に入っており、12日に東電関係者の引率のもと福島に向かう。防護服も用意された。
プロジェクト発足4か月での大きな前進。「福島原発行動隊」は4月下旬、深刻さを増す原発の状況を憂いた山田さんらが参加を広く呼び掛けた。国会議員を集めたミーティングを度々開催し、細野豪志原発事故担当相、海江田万里経産相らとも面会。好感触を得た後に、5月26日に政府・東電との三者会談が実現した。その席で東電幹部がプロジェクトに前向きな姿勢を示し、6月に入ってからの視察要請にもOKが出た。
米紙ニューヨーク・タイムズ、英紙デイリー・テレグラフが報道するなど、世界中のメディアが注目する中、同プロジェクトの志願者は増加。7日現在で427人に上っている。
12日の視察後は、いよいよ作業開始に向けた本格的な交渉に入る。「多くの作業員がいる中、我々がどんな仕事をやるべきなのかを話し合っていきたい。少なくとも9月には作業を開始したいと思います」。よりスムーズな交渉を実現するため、同プロジェクトは7日に一般社団法人化された。最初は荒唐無稽とも思われた男たちの“決起”だったが、確実に実現へと向かっている。
◆福島原発行動隊 60年安保闘争で共に戦った元技術者らが集う会合で福島第1原発の事故が話題に上がり、自ら行動するべきとして組織を立ちあげた。3月11日の震災から10日後に誕生。4月下旬に呼び掛けを開始し、7日現在で志願者は427人、応援者1352人。
(2011年7月12日06時02分 スポーツ報知)
●関連情報:福島原発 暴発阻止行動 プロジェクト
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