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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/14786
夏に向かい福島もますます暑くなる中、東京電力福島第二非常勤産業医として6月28日から現地入りし、福島第一、第二発電所所員の健康管理の支援を7月1日まで行ってきました。
同時に、現地の協力企業の方とも話ができ、以下のような声を聞きました。
●熱中症対策として、東電では防護服の下に着るクールベストを用意し、休憩所も用意しているが、クールベストは30〜60分で熱くなることや、重いことから嫌う人もいる。
●炎天下で全面マスクをすることにより、特に眼鏡をかけている人はマスクが曇り、作業が困難である。
●休憩所まで現場が遠い所がある。
今回の滞在中にいわき市内で内科を開業されている先生にお願いして機会を利用して、原発作業員のための、万が一の高線量被曝に備えた事前の自己末梢血幹細胞採取・保存(虎の門病院、谷口プロジェクト)に関して電離放射線従事者健診を受診された東電の関連企業に勤務する原発作業員の方々数名にアンケートを実施して頂きました。
原発作業員、そのご家族、現地の医師の生の声をご紹介させて頂きます。なお、参議院議員会館で行われた本件の勉強会の模様(1、2、3)もご覧頂ければ幸いです。
【アンケート内容】
1.高線量被曝の危険性について
2.谷口プロジェクトについて
3.採取・保存の希望
4.希望しない理由
5.自由意見
【50代女性、弟が関連企業勤務】
1.大変不安、2.知らない、3.よく分からない、4.薬の副作用が心配、時間がない
5.作業員が勝手に受けてもいいのか、個人で希望しても会社側の休みの調整が取れるのか、今後の家族や生活の保障が十分されるのかが分からない。一時的な作業員というだけで流されてしまう感じがする。不安だ。一部の現場の人間しか事の重大さを感じていない。国全体で守ってほしい。
【40代男性、関連企業勤務】
1.あまり不安を感じない、2.知らない、3.はい、4.非該当
5.現在行っている建物周辺の作業においては、採取・保存の処置は必要ないでしょう。しかし、建物内部に入って作業を行う人は実施した方がよいと思われます。まずは原発(1F)をどのように廃炉まで持っていくのか、それを提示できるようにすることが大切だと思っています。
その中でリスクの高い作業が見えてくると思うのですが・・・。特に、国や東電からの被曝上限引き上げに対し、「No」を言えない会社の人は絶対やった方がいいと思う。
【40代男性、関連企業勤務】
1.大変不安、2.知っている、3.はい、4.非該当
5.内部被曝してからの影響のデータが少なすぎると思います。子供と接した時、その子供への影響も心配です。家族は当然現場へ行ってほしくないと思いますが、行くしかないのも現状です。
ならば最大限の健康管理はしてほしいものです。作業員を取り巻く環境は決して良くありません。ホールボディカウンタすら、1カ月経過しても受けられない状態です。すべて個人任せでは困るのですが。
【50代男性、関連企業勤務】
1.少し不安、2.知らない、3.よく分からない、4.時間がない、費用負担が大きい
【40代男性、関連企業勤務】
1.不安、2.知らない、3.よく分からない、4.副作用が心配、時間がない、費用負担が大きい、
5.熱中症患者がほぼ毎日出ている状況で、作業量は増加しています。今後さらに気温が上がりますので心配です。世論や国の方からの圧力等の影響もありますので、作業が次々と増えるのではと思います。
夏の間は最低限の作業以外は中止にしてほしいのが本音です。線量は下がっていますが、それは下がってきた場所で作業を始めていくというだけで、少し離れると表面で10ミリシーベルト毎時、高いところでは100ミリシーベルト毎時もザラです。
瓦礫の撤去や遮蔽よりも作業を優先している感じです。線量の年度末のリセットも疑問です。5年間のしばりもありますが・・・。
今は朝の4時に起きて、仕事に向かいます。その分、終了時刻は15時ですが、実際に旅館に帰るのは17〜19時の間くらいで、これから夏の間はサマータイムとして続きます。正直、現在の全面マスク・防護服などの装備と寝不足で夏場は死にますよね?
【40代、内科開業医】
事故後、毎日4〜5人の原発作業員の健康診断をしています。食事は生ごみを出せないため、レトルト、カップめん、パンなどの状態で、部屋の中も50マイクロシーベルトあり、マスクを外して食事をするのも不安だと作業員は話していました。
不衛生な状態のようです。劣悪な環境での仕事で、熱中症も毎日発生していると、ある関連企業の方は話していました。
谷口プロジェクトの話は、質問した人のほとんどが知らないと答えています。コストの面があるのかもしれませんが、個人で希望される方は必ずいると思います。
会社と無関係で手続きができるようにするのも、1つの考えではないでしょうか。原発作業員に対して電離放射線健診をこれから毎月やっていくと思いますが、世界でも未曾有の放射線被曝者を診察していかなくてはならず、地元の医師は専門知識がなく不安です。
谷口プロジェクトが国に認められなくても、必ず必要とされるであろう、良い方法であるのなら、地元の医師のためにも真剣に話し合いをして頂きたいと切に思います。
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