http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/204.html
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(Accident survenu à la centrale de FUKUSHIMA-DAIICHI Point de la situation au 6 juillet 2011: IRSN)
http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Documents/IRSN_Seisme-Japon_Point-situation-06072011.pdf
福島原発発電所で発生した事故 2011年7月6日現在の状況の要点
この広報は、福島第一発電所の状況について、公表された情報に基づいて作成された。
T.原子炉の状況
状況の安定化
福島第一原発の原子炉[1]1.2.3号機は、燃料を納める圧力容器に淡水(1.2号機には約3.5m^3/h、3号機には約9m^3/h)を直接注入して、冷却する作業が続いている。原子炉1号機の格納容器、さらに、6月28日からは、原子炉2号機の格納容器で、格納容器の不活性状態を維持し、水素燃焼のあらゆるリスクを防ぐために、窒素の注入が行われている。同じ作業が原子炉3号機の格納容器に対しても検討されてきたが、東京電力はまだこれを実施できていない。このように、原子炉の状況は安定しているように見える。建屋下部に存在する大量の高濃度汚染水(約11万トン)の管理が、主要な課題として残っている。
これについては、起動に関わるいくつかのトラブルを経て、2基の高濃度汚染水処理施設が稼働を始めた(1日1200トンの処理能力が期待されている)。1万トン近くの水が、現在すでに処理されている。水の除染率はかなり高い(約10万分の1)。処理された水は、所内に設置された一時貯水タンクに貯蔵され、脱塩処理の後、原子炉圧力容器に再注入される。水の処理能力は原子炉の冷却に必要な量を上回るため、東京電力は、建屋内に存在する高濃度汚染水の量を急速に減少させることができたに違いない。
−原子炉1.2.3号機の炉心破損の評価
事故発生当初から、IRSNは利用可能な情報を用いて、2011年3月11日に起きた地震に関わる津波の結果、3基の原子炉は冷却機能を失い、そのため燃料が部分的に溶融したとの結論を出した。圧力容器の底に燃料が落下したと思われる事象の後、圧力容器に穴が開いたと結論づけられるような要素は何もなかったが、圧力容器や格納容器の水密性はもはや保証できないと、IRSNは考えることにした。
原子炉の状態(特に燃料について)を叙述するために、東京電力と原子力安全・保安院は分析を行っている。原子炉の状態が進展するのに応じて、これらの分析を対象とした発表が行われており、今から数週間後には、炉心の実際の状態がよりよく理解できるだろう。
原子炉1号機の内部では、東京電力の運転作業員たちが原子炉建屋内に入り、圧力容器内の水位計を修理した結果、低い水位が続いていたことが判明し、燃料が圧力容器の底に落下したと思われるとの結論に至った。温度(摂氏110度)計測の結果、注水によって燃料は再び冷えて固まり安定したと、東京電力は結論づけた。
こういったことから、東京電力は次のように考えている。
・原子炉1号機の炉心にあった燃料の大部分は溶融し、圧力容器の底に落下した。
・現在は、注水によって炉心の冷却が確保されている。
・圧力容器内の水量は比較的少ないが、これは溶けた燃料が流れ落ちたと思われ、そのため圧力容器の下部に1カ所以上の割れ目が生じた[2]結果、そうなった可能性がある。
原子炉2.3号機についても同様に、東京電力は、ある程度の燃料が圧力容器の底に落下していることと、圧力容器に穴が開いていることの可能性を考慮している。東京電力は、さらに、3号機の原子炉建屋への通路を片づけるために、同建屋の周囲にある瓦礫の除去を進めた。これにより、例えば、建屋内の空気を浄化する装置・放射線の防護(鉛のパネル)・格納容器に窒素を注入する設備の設置や、水位計と圧力計の補充が可能となる。
燃料・圧力容器・格納容器の状態を推測するための、こういった諸要素によって、状況全体に対する評価が修正されるわけではない。実際には、燃料の冷却は注水によって確保されており、その一方で、窒素によって格納容器の不活性化が維持されているために、格納容器で水素爆発が発生するリスクが回避されている。これについては、格納容器に窒素を注入して不活性状態を保証するために現在行われている作業が、当面は、事態を確実に抑え込むために特に重要である。
いずれにせよ、施設の制御を回復するために東京電力がとったさまざまな行動によって、回復が進むにつれて、新たな要素が発見されるだろう。しかし、現地の対応を決めるために重要な、そのような要素を明らかにすること以上に、東京電力が公開したそれらの新たな諸要素により、環境に対するリスクの評価を見直さずに済むことが大切だと、指摘しておかなければならない。
いずれにせよ、1〜3号機の原子炉建屋内に入れるようになることが(高い被曝線量などのために、まだ非常に難しいが)、諸施設の制御を段階的に回復するための重要な段階となることには変わりない。
U.使用済み燃料貯蔵プールの状況
発電所内にある6基の原子炉の使用済み燃料貯蔵プール、および、使用済み燃料共用プールは、既存の装置や、蒸発を補うための外部からの水の供給(4号機のプールでは、通常は土木工事の作業でコンクリートの搬送に使われる、注入用アームによって定期的に供給を受けている)によって冷却されている。この現在利用可能な諸要素(プール内部の映像と汚染水の計測をチェックすること)により、保管された燃料には大きな被害はなかったという仮説が、確認されたことになる。その代わり、爆発によって資材がプール内に落下したため、プールにある燃料の撤去が複雑になるだろう。
建屋上部に置かれた原子炉のプールの構造の状態に関する主要な疑問だが、強い地震があった場合、プールにどのような変動が起こるか、現在のところ評価できない。東京電力は施設の制御を回復する計画の枠組みの中で、数カ所のプールの強化工事を予定しており、6月6日に、原子炉4号機のプールを支えるために、鋼鉄製の支柱を立てる工事を始めた。そうして、32本の柱が設置された。東京電力は現在、コンクリートを使用し、プールの補強を検討している。
V.放出物の現状
利用可能な諸要素の状態では、大気中や海洋への放出物を追跡しないことはできない。しかし、5月中旬に飛散した分を含めても、拡散した放出物は計測可能な水準にない。
原子炉建屋・タービン建屋の下部や地下のトレンチにある汚染水の除去は、主要な目標のままだ。これについては、米国(キュリオン社)の設計による装置と、フランス(アレヴァ)の設計による装置から成る、高濃度汚染水処理施設が運転を開始し、原子炉冷却水のリサイクルが可能となり、そのため、外部からの水の供給が抑えられ(現在、リサイクルされる水が14トンに対して、外部から供給される水は2トン)、それに伴う、汚染水が海に放出されるリスクも食い止められる。しかし、これにより、水処理施設が作り出す、高濃度放射能汚泥の管理が必要となる。
さらに、東京電力は、大気への放出物を食い止めるために、1,3,4号機の各原子炉建屋に巨大構造物を設置する予定だ。最初の構造物は、発電所外で組み立て作業が進行中だ。構造物は分解され、その後、1号機原子炉建屋を囲むように、再び組み立てられる。
最後に、風と雨による放射能の蓄積を抑えるために、土壌と建屋に固化物を噴霧する作業が続いている。
W.施設の制御を回復する計画
2011年4月17日、東京電力は、福島原発を危機から脱却させるための計画を示した。その計画は、短い期間内に2つの大きな段階をクリアすることを想定している。
第1段階は3カ月つづく予定で、残留性の高い放射線物質の放出を削減し、原子炉とプールの冷却を信頼あるものとし、汚染水の貯蔵場所を確保することを目標としている。計画が進んでいる例として、5月31日より、原子炉2号機の燃料プールの水が、循環システムによって冷却・濾過されるようになった(それまでは、外部からの水の供給によってのみ、冷却が確保されていた)。3号機のプールの水は、6月30日より、同様な循環システムが運用されている。7月2日より、原子炉1,2,3号機の圧力容器に、除染された水が再注入されている。
3〜6カ月目に予定される第2段階は、放射性物質の放出を抑えるために建屋の安全を確保し、原子炉を冷温停止状態に持ち込み、発電所にある汚染水の量を減らすことを目標としている。4号機のプールの構造強化作業や、1号機の原子炉建屋を覆う巨大構造物の組み立て作業などは始まっている。水素爆発のリスク防止を強化するために、原子炉1,2号機の格納容器に窒素注入が行われている。関連する建屋内の通路の状況を改善させた後、原子炉3号機でも同様の措置が、7月中旬に予定されている(掃除と片づけの作業が、ロボットを使って進められている)。
この緊急行動計画は、現在の状況に沿ったものだが、発表された期日はおおよその見当としか見なすことができない。特に、建屋内のさまざまな作業が進み、諸施設の実際の状況がよりよく把握されると、今後やるべき作業や、そのスケジュールがはっきりするだろう。現場で作業が行われる上での危険について、東京電力は規則に沿って注意を与えているが、放射線に関わる直接的な異常事象についてはそれができていない。
東京電力は、この行動計画を2011年6月17日に見直した。
いずれにせよ、高濃度汚染水を抑え込むことの他に、重要な行動の1つは、1〜4号機のプールに保管されている燃料を、できるだけ早く撤去することだが、これには少なくとも2年必要だ。やるべき作業が大掛かりになることを考慮すれば、諸施設の完全な解体と発電所用地の浄化には10〜20年かかるだろう。
[1]原子炉4号機は運転を停止しており、5.6号機は安全停止の状態にある。
[2]最近の要素を考慮し、東京電力は、4月17日に公開した、1号機の冷却を信頼あるものとするための、施設の制御を回復する計画の第1段階の工程表を見直した。実際には、1号機内の水位が判明し、当初予定されたような循環冷却機能が再び検討されることになった。また、圧力容器・格納容器の各内部の水位をより詳細に測定するために、新たな調査が始まった。
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(投稿者より)
7月6日にフランス・IRSNが公開した、福島原発の状況について分析した報告です。訳は適宜見直していますが、解釈に間違いや拙い部分はあると思います。ご容赦下さい。
6月10日以降の事態の進行をふまえて、今回の改訂が行われています。水処理施設の運転開始、循環冷却システムの稼働開始、原子炉建屋カバーの製作開始などです。ただ、IRSNは以前からメルトスルーに否定的な見解を示しており、これは変わっていません。
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