http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/179.html
Tweet |
町長と原発の「利益共同体」/玄海町 再稼働「容認」の裏側
「しんぶん赤旗・日曜版」 2011年7月10日号 8面
“安全が確認された”と福島第1原発事件後、全国に先駆けて原発の運転再開を認めた佐賀県玄海町の岸本英雄町長。実は、九州電力玄海原発と「原発利益共同体」ともいえる深い関係にあることが編集部の調べで分かりました。 三浦誠記者
受注企業の大株主が町長
4日に公開された資産等報告書。これによると岸本町長は、地元大手建設会社「岸本組」(唐津市)の株式7270株を持っています。個人では同社社長につぐ第2位の大株主です。
町長と岸本組みとの関係は―。
岸本町長は1995年に佐賀県議に当選するまで同社の専務取締役(営業本部長)。現在の社長は弟です。
調べてみると、岸本組は九州電力の玄海原発が発注する工事を多数受注していました。
岸本組が佐賀県に提出した工事経歴書(2007年度から09年度分)。これによると玄海原発から19件、計約4億3500万円の工事を受注していました。
岸本組が受注していたのは九電だけではありません。九電の子会社「西日本プラント工業」からも社員寮の改修工事など8件、計約1億300万円の工事を請けています。さらに―。
九電が20億円を寄付した「早稲田佐賀中学校・高等学校」(唐津市)の工事も岸本組が共同企業体で受注(約1億7600万円)しています。
九電と岸本組の関係は今に始まったものではありません。 岸本組の社史『岸本組九十年記念誌』によると、岸本組は玄海原発1号機着工直後の73年ごろから原発工事に参入しました。76年には原発内に事務所を設置し、事務所棟の新築や建て替え、訓練センターなど玄海原発の工事を次々に受注してきました。
まさに岸本組にとって九電の玄海原発は40年来の“お得意様”です。
岸本組が佐賀県に提出した09年度の事業報告書。ここでは「最重要顧客」として、1位に玄海町、2位に九電をあげています。「更なる関係強化を最優先課題にする」とも記しています。
九電だけでなく、なぜ玄海町も「最重要顧客」なのかー。
巨額補助金で無用施設造り
国は原発立地自治体に電源3法などに基づき巨額の交付金や補助金を与えてきました。いわば「アメ」。玄海町は75年からの30年間で約185億円を使って大型公共事業を進めてきました。
87年に着工した町民会館・社会体育館。総事業費約38億円のうち、96%が原発建設に伴う電源立地促進対策交付金事業です。
町民会館には「エネルギーものしり館」という展示施設を設置。しかし、来館者もないためカギがかかっており、中は物置状態。ムダ遣いの典型ともいえる町民会館・社会体育館の工事を大手ゼネコンの大林組とともに共同企業体として受注したのも岸本組でした。
先の工事経歴書によるとこのような電源3法交付金など原発がらみの公共事業を岸本組は14件、計6億2700万円受注しています。
最近も玄海原発のすぐそばに玄海町が、「薬用植物栽培研究所」を建設。この工事も岸本組が受注しています。
岸本組は07年度と08年度に連続して赤字を出しました。国、県の公共事業が減少したからです。岸本組にとって原発関係工事はなくてはならない存在になっています。その大株主に岸本町長。まさに原発をめぐる「利益共同体」の典型です。
癒着断ちきり廃炉にすべき
日本共産党の藤浦晧・玄海町議(74)は指摘します。
「九電と利害関係が深い町長が『再開』を宣言するのはおかしい。癒着を断ち切り、玄海原発は廃炉にすべきだ」
岸本町長は編集部の取材に、「株は持っているし、配当も受けていた」と岸本組の大株主であることを認めました。しかし「仕事にかかわっていないので、原発再開の判断に影響はない」とした上で、「町民の皆さんからおかしいと言われるなら、(大株主か町長か)どっちかをきれいさっぱりやめる」と語りました。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素14掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。