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今の段階で、なぜストレステストが必要なのか
http://news.livedoor.com/article/detail/5698202/
2011年07月10日15時24分 中島聡
菅総理の「ストレステスト宣言」は、「福島第一のような重大な事故を繰り返さないためには何をすべきか」という日本の将来がかかったとても重要な「政策」の話であるにも関らず、政策の議論よりも、政局の議論ばかりが得意な大手マスコミは「政権維持のためのパフォーマンス」と菅おろしに懸命だし、「このまま原発の再開を許さなければ電力が不足する」と経産省と電力会社の世論操作に協力ばかりしている。
今の段階で何よりも大切なことは、福島第一で起こったような重大な事故を二度と起こさないためには、どんな組織と法律・規制が必要かを見極めること。菅総理が何度も繰り返しているように、今までのように「原発推進」の経産省の下に原子力安全保安院を置いていたのでは、国民の安全を最優先にした安全管理は不可能である(組織)。それに加え、今までのように「全電源喪失は考えなくて良い」「100年に一度しか起きないような大津波は考慮しなくて良い」などの甘い安全基準も根本的に書き直さなければならない(法律・規制)。
菅総理の言う「ストレステスト」とは、まさにこの組織(保安員の経産省からの切り離し)と法律・規制(今まで想定外とされていた巨大な天災やテロも考慮した新しい安全基準)という二つの面での原発政策の大幅な変更へ向けた「最初の一歩」であり、それなしに原発の再稼働・継続運転がありえないのは当然である。
もっとも批判すべきは、監督下の東電にあんな事故を起こさせておきながらも、謝罪もせず、事務次官や保安院長などのトップが責任を取って辞任もしていない経産省・保安員である。あれだけ国民の信頼を大きく裏切っておきながら、「電源車を用意する」「がれきの撤去ができるように準備する」などのその場しのぎの応急措置だけをさせた上で海江田大臣を通じて安全宣言をしただけで、国民の信頼を取り戻せるとでも思ったら大間違いだ。
菅総理の発言などを聞いていれば、事故の後に政府内で何が起こったかは、容易に想像がつく。時系列的に書くと、こうなる。
菅総理:福島第一での事故を受け、「原子力政策は一度白紙に戻す」という宣言する。
経産省:一気に脱原発に走られては困ると、民主党内の政治家を通じて菅総理の説得にかかる。
菅総理:これを受けて「安全が確認されたものから再稼働しても良い」と少し矛先を納める。
経産省:ひとまず安心し、電力会社と相談して、すぐに実行可能な「応急措置」のリストを作る。
菅総理: 「安全の確認は、応急措置だけでは不十分。経産省とは切り離した別の組織で新しい安全基準を作って行うべき」と発言する。
経産省: そんな組織や安全基準が出来る前に、原発を再稼働して既成事実を作ってしまおうと、菅総理抜きで海江田大臣を安全宣言をさせ、 一番落ちやすい玄界町を落としにかかる。
菅総理: 既成事実を作られては困ると、「ストレステスト宣言」をして、経産省を牽制する。
経産省: 怒りが爆発し、経団連・マスコミを通じて「菅たたき」および「原発を止めたら電気が足りなくなるという世論作り」を加速する。
つまり、菅総理としては、福島第一のような事故を繰り返さないためには、今まで原子力安全保安院がやってきたようなものなんかよりもはるかに厳しいストレステストが必須だと言っているのである。とりあえず今の組織(経産省の下の保安院)のままで応急措置だけすれば十分というスタンスの経産省と、どちらが「国民の安全」を重視しているか明確だ。
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