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今のところ内容や評価基準は不明だが、全国の原発を対象に「ストレステスト」なるものが行われるという。
この「ストレステスト」がまっとうなものかどうかは、3月11日に事故を起こし、とんでもない量の放射性物質を広範囲の地域と海洋にまき散らし無惨な姿をさらしている福島第一の1号機から4号機を対象に実施してみればわかる。
「ストレステスト」はコンピュータシミュレーションで稼働中の原発でも出来ると説明しているのだから、必要なデータが揃うかどうかが問題であり、事故が現在進行中の原発でもテストは可能である。
(比較の意味でも、なんとか冷温停止に持ち込めた5・6号機も対象に加えた方がいい)
福島第一の1号機から4号機を対象にした「ストレステスト」でひょっとして“安全”という評価がいずれかの号機で出たなら、「ストレステスト」の内容や評価基準が意味をなしていないことがわかる。
(もしくは、想定外のとんでもないヒューマンエラーが3.11の事故原因だったことになる)
福島第一を対象にした「ストレステスト」で、ある条件により“過酷事故”という評価が出たなら、号機別に評価内容を明確に示し実際の事故の推移と比較することで、事故の原因もしくは「ストレステスト」の不備がわかる可能性がある。
福島第一を利用する“関門”を通らずに、他の原発を対象に「ストレステスト」を実施しても、テストの妥当性は見えず、机上の空論やコンピュータを使ったお遊びでしかないとは言わないが、試行レベルを超えるものではないと言える。
「安全神話」を巻き散らしてきただけではなく、全電源喪失はあり得ないと言ってきた原子力安全委員会と原子力安全・保安院が内容を決定し実施するテストなのだから、テストの内容に「ストレステスト」が必要だと主張することはけっして過酷な要求ではないはずだ。
(「ストレステスト」は、あり得ない“安全”を確認するものではなく、ここまでの負荷がかかると過酷事故につながるという条件を確認するものでなければならない。そして、そのような負荷と過酷事故がどれくらいの確率で起きるのか、それによって生じる被害が我慢できるものなのかなどを論議するための資料でなければならないと考えている)
欧州諸国をはじめとする原発保有国のためにも、様々なかたちで害を及ぼし心配もかけた福島第一を活用して「ストレステスト」の“有効性”を実証して見せるのが日本政府の努めだろう。
原発の“安全性”に慎重な姿勢を見せている菅首相には、是非ともこの手順を踏むよう差配をお願いしたい。
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