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副題:「福島原発放射能汚染を考えるために」
前書きの「福島原発事故のさなかに」から、ごく一部ですが抜粋してみます。
『そもそも被爆国であり地震大国である日本に、なぜ原発が54基もあるのでろう。1953年、米国が「平和のための核」として推進した原子力であるが、日本で予算が通過したのは、第五福竜丸がビキニで被曝した1954年3月1日のたった3日後であった。ビキニ事件後、大規模な反核運動がおきたが、「毒をもって毒を制す」という戦略により、CIAと日本の一部の政治家とマスコミがかかわり、原発導入が推し進められたという。当初米国は、広島に原発を建てる提案までしていた(有馬哲夫著『原発・正力・CIA』新潮新書2008年)。
日本の原発第一号は英国から輸入されたものだが、英国の保険会社ロイズは、日本は地震大国であること、原子力が確立された技術でないことから、原発の保険を引き受けることを拒否した。これを受けて国は原子力をあきらめるのではなく、大事故が起こった場合に電力会社が負担しきれない部分を国(つまり国民)が負担するという、いわば原子力産業を守るための「原子力損害賠償法」の制定に向け、原子力事故の試算を当時の科学技術庁に委託した。当時(1960年)の国家予算の2.2倍の損害が最悪の場合生じるというとんでもない結果が出たという。
ところが驚くべきことに、当時の国会は、上記の試算にもかかわらず、原発を導入してしまった。ちなみに上記の試算で、原発事故の放射能による死亡者の保障はわずか80万円超だったという。なんという安い国民の命だろう。しかもその試算には、被曝の影響が強い子供や胎児が無視されていた。また、原発事故で最も大きい健康被害が、事故の数年後に出る晩発性影響であるが、こちらもまったく考慮されていなかった。』
肥田先生のお言葉に、前書きからのめり込めます・・・。
本書はスイスのラルフ・グロイブ氏とアーネスト・スターングラス氏による著書の、肥田舜太郎氏と竹之内真理氏による翻訳本です。
原発事故まえから、数年かけて準備されていらっしゃったようです。
内容は、
第一章が「生態学的考察」として、自然の生態系と人間の社会活動の相関について概観しています。
第二章が「原子爆弾と原子力発電所(生物学的影響)」として核医学の基礎から健康障害、放射線降下物や原発による健康への影響、新しい知見であるペトカウ効果やICRP批判まで、非常に幅広くカバーしています。
第三章では「森林の死と放射能」地球規模の汚染に対する警告、
第四章は「基本的な社会政治的影響」倫理・教育・経済にも言及しています。
あとがきも興味深く、たとえば放射性降下物と犯罪発生率やエイズの流行、乳がんの関連など・・・。
自分もまだ完読出来てませんが、300ページ余りの分厚さに綿密な記述、多数の参考文献リストなど、3800円の価値は十分にあると思います。
6月25日発売でしたが、アマゾンでは既に品切れ状態。
興味がおありの方は、ぜひ発行元の「あけび書房」さんに増刷の依頼をお願いしてください。(03−3234−2571)
よろしくお願いします。
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