http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/128.html
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燃料取り出しだけで年単位=冠水など技術的難題山積み−廃炉への作業で東電幹部
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2011070900353
福島第1原発の廃炉に向けた中長期的な作業について、東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理は9日の記者会見で、原子炉内で溶融した燃料を取り出す作業だけでも「技術的に相当困難と予想され、年単位の時間がかかる」との見通しを示した。工程表通りに来年1月、1〜3号機原子炉の冷温停止を実現できたとしても、原子炉内に水を満たした上で上部を開け、溶融した燃料を機械で取り出すまでには新たな技術開発が必要になる事態も考えられるという。
廃炉に向け、まず1〜4号機の原子炉建屋内のプールから使用済み燃料を搬出するには、プールのある作業フロアに大量に落ちているがれきを重機で撤去する必要がある。次に大破した建屋を覆う強固な「コンテナ」を建設し、天井にクレーンを装備したり、燃料交換機を復旧させたりした上で、輸送用の容器(キャスク)に燃料を入れて搬出する。
原子炉については、溶融した燃料から放出される強い放射線を水で遮蔽(しゃへい)しないと作業できず、圧力容器を水で満たす必要がある。その上で配管から特殊なカメラを入れ、溶融燃料の状態や圧力容器の損傷状況を把握した上で、圧力容器の上部を開け、遠隔操作の機械で燃料を取り出す。
しかし、圧力容器やその外側の格納容器は配管貫通部などが損傷し、水漏れしているため、「冠水(水棺)」による代替循環冷却を断念した経緯がある。損傷部位の修理は無理と考えられ、汚染水の発生量を抑えながら、漏れる量よりも多く水を強制的に注入し、水位を維持しなければならない可能性が高いという。(2011/07/09-21:08)
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廃炉に向けた工程表案明らかに
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110709/k10014094971000.html
7月9日 12時13分 NHK
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向け、国の原子力委員会や東京電力などが検討している、中長期的な工程表の案をNHKが入手しました。この案では、廃炉に向けて最も重要となる溶け落ちた核燃料を取り出す作業を開始する時期の仮の目標を10年後に定めるとともに、最終的に原子炉建屋を解体し撤去するまでには、数十年に及ぶ作業が必要だという見方を示しています。
この工程表の案は先週、国の原子力委員会や原子力安全・保安院などの国の関係者のほか、東京電力や原子炉のメーカーなど、原発事故に対応する関係機関が一堂に集まった会議で示されたものです。それによりますと、廃炉に向けての作業は、まず1号機から4号機の使用済み燃料プールに保管されている核燃料の取り出しを3年後の2014年度の初めに開始し、2016年度の末以降順次各号機で終えたいとしています。最も重要となる溶け落ちた核燃料を取り出す作業については、10年後の2021年度から開始することを仮の目標とし、必要な技術開発を進めていくとしています。この目標は、アメリカのスリーマイル島原発事故の処理でかかった時間などを参考に決めたとされています。しかし、福島第一原発の場合、スリーマイル島原発とは違い格納容器が損傷しているため、作業を進めるには、格納容器を補修し水で満たせるかどうかなどが重要なポイントになるとしています。最終的に原子炉建屋を解体し撤去するのは、これらの核燃料を取り出す作業を終えたあとのことで、工程表の案では、「数十年オーダーの長期に及ぶことが想定される」として、廃炉には長期間の作業が必要だという見方を示しています。福島第一原発の事故の収束に向けた来年1月ごろまでの短期的な工程表はすでに公表されていますが、廃炉に向けた中長期的な工程表の案が明らかになったのはこれが初めてです。国や東京電力などは、この案を基に廃炉に向けた工程の検討をさらに進めることにしています。福島第一原発の廃炉を巡っては、細野原発事故担当大臣が、原子炉を安定冷却させるめどとしている今月中旬には、廃炉までを見通した中長期的な道筋を示したいという考えを明らかにしていました。
国や東京電力などが検討している中長期の工程表の案が明らかになったことについて、福島県大熊町の渡辺利綱町長は「廃炉に向けての作業は正直、ずいぶん時間がかかると思いました。それはそれとして受け止めて、町の復興計画とも絡んでくるので、今の時点では一日も早く原子力災害の早期収束に向けて、全力を傾注して復興計画をきちんと進めていきたい。また廃炉に向けての作業が長くかかることを悲観的に考える町民もいると思いますが、町民の皆さんが一日も早く帰れるようないろいろな政策をつくって、引き続き、国などにも放射能汚染に対する取り組みの要望をしていきたいと考えています」と話していました。
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“10年で燃料取り出しは可能”
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110709/t10014101441000.html
7月9日 21時28分 NHK
今回明らかになった工程表について、原子力発電所の廃炉に詳しい東京大学大学院の岡本孝司教授は「スリーマイル島原発事故では溶けた燃料は一部で、すべて原子炉の中に残っていたが、燃料の取り出しには10年かかった。今回は原子炉や格納容器が壊れて燃料が漏れ出しているとされ、スリーマイルよりは10倍、20倍難しい問題だ。しかし、スリーマイルの経験を生かしながら進めれば、10年というスケジュールは可能ではないか」と話しています。
そのうえで、今後の課題として「使用済み燃料プールは比較的損傷は少ないと思うが、一部の燃料は壊れて取り出せなくなっている可能性があり、容器を切り出しながら進めなければいけない。さらに、もし原子炉に水が張れない場合は、非常に高い放射線量の中でも作業できる遠隔操作ロボットの開発が必要になる。いずれにしても世界がこれまで経験したことのない状況で、国際的な英知を結集して当たらなければならない」と指摘しました。また、廃炉までさらに数十年かかるとされていることが住民の避難などに与える影響については、「現在の工程表でステップ2の目標とされる、放射性物質の放出が管理された状態になれば、20キロ以内でもかなりの方々が帰ることができると思う。それでも、燃料があるうちは僅かでも危険性は残っているので、東京電力は住民の不安を和らげるためにも、どれだけの危険性があるのか詳しく説明することが求められる」と話しています。
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