http://www.asyura2.com/11/genpatu13/msg/822.html
Tweet |
「週刊エコノミスト」(毎日新聞社刊)の臨時増刊7/11号は、『ノーモア!フクシマ 福島原発事故の記録』と題された福島第一原発事故特集である。
そのP.4から「津波が来なくてもメルトダウンは起きた?問題は耐震性だ」というタイトルで田中三彦さんのインタビュー記事が掲載されている。
田中さんは、このところ1F−1号機の地震による瓦解分析に注力されており、内容的には末尾に挙げるこれまでのものとほとんど変わりはない。
そのなかで、1号機の格納容器が12日未明から高い圧力状態にあったことに関連して、3月15日に起きた2号機の圧力抑制室損壊に関わる興味深い情報に触れられているので紹介する。
「週刊エコノミスト」臨時増刊7/11号のP.8:
「−7.4気圧という数字は高いのか。
田中 異常に高い。1号機格納容器の設計圧力は4気圧前後に設定されている。この圧力は、もっとも直径の大きい配管が1本、完全に破断(ギロチン破断)してしまうような「大規模冷却材喪失事故」が起きた場合の圧力に、少しの余裕を加えて設定したもの。その圧力に耐えるように格納容器の構造設計がなされている。
格納容器は、上部のフラスコのような形をしたドライウェルと下部のドーナツ状のサプレッション・プール(圧力抑制室)でできているが、配管損傷による冷却材喪失事故で猛烈な勢いでドライウェルに噴出した蒸気は、サプレッション・プールの水(セ氏20度)の中に送り込まれるようになっている。水中で蒸気が水になるので、体積凝縮が起き、圧力が高まらずにすむ仕組みだ。最大直径の配管の一瞬の破断でも4気圧以上には上がらないように圧力が抑制されるようになっている。
冷却材喪失事故はLOCA(ロカ)と呼ばれる。Loss of Coolant Accidentの略だ。いちばん厳しい大LOCAの場合でさえ4気圧以上にはならないはずだから、7.4気圧という数値はとんでもない大きさであることがわかるだろう。
−なぜ、それほど異常な気圧になったのか。
田中 1つ考えられるのは、水中に蒸気を誘導するための機構が地震で壊れ、蒸気が水に溶け込めないまま溜まってしまい、設計圧力以上に圧力が上昇したのではないか。水中で減圧して抑制する機能が失われたように思える。
米国では以前からサプレッション・プールの構造の脆弱性が指摘さえていた。ただ、地震の揺れによる破損ではなく、噴き出す蒸気の勢いで壊れる可能性があるというものだった。」
掲載されている対話は1号機問題に集中したものなので、圧力抑制室が損壊したとされる2号機との関わりに繋がっていくことはなかったが、2号機の圧力抑制室が噴き出す蒸気の勢いで壊れたという分析をしてきたものとしては、是非ともそこへ展開して欲しいと願う。
※ 関連投稿
「事故を「レベル7」まで深刻化させた政府・東電の大罪:2号機圧力抑制室損壊は事故対策チームの極めて深刻な失態」
http://www.asyura2.com/11/genpatu9/msg/549.html
「Re: 「あっしら」という男の詐術の手口を改めて暴露しておく」
http://www.asyura2.com/09/dispute30/msg/416.html
※ 1号機問題に関する田中さんの考え方
Ananさんの「田中三彦さん対談概要「地震で揺れていた原発」(福島みずほのどきどき日記)」
http://www.asyura2.com/11/genpatu13/msg/622.html
「2011/6/21 CNIC News 福島原発事故シナリオ 田中三彦氏 1/2」
http://www.ustream.tv/recorded/15539453 」
「2011/6/21 CNIC News 東電シュミレーション批判 田中三彦氏2/2」
http://www.ustream.tv/recorded/15536628
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素13掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。