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7月4日 玄海原発の圧力容器の脆さについて 小出裕章(MBS)
2011年7月4日(月)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。
番組案内
2011年7月 4日【月】
B型肝炎被害者の切実な声
先週、B型肝炎訴訟が正式に和解しました。感染の恐れがわかっていたのに注射針が使い回され、B型肝炎ウイルスに感染した人たちがたくさんいます。幼い頃にB型肝炎に感染すると、慢性化する可能性が高く、過酷な治療が必要になります。肝硬変や肝癌に進行し、命を失うこともあります。そうした理不尽な被害を受けた小池真紀子さんにスタジオに来てもらいお話を伺います。和解をした今、そのお気持ちを聞きます。
京都大学の小出先生には、きょうの原発の動きについて見解を伺います。
録音
20110704 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
内容書き起こし
※()内はラジオパーソナリティーの発言です。
(玄海原発の再稼働について。再稼働に向けて話が進んでいるようです。小出さんの感想をいただけますか?)
小出:玄海原発が国のほうが安全だというわけですね。(海江田さんは安全性について国が責任を持ちますと)それで玄海町の佐賀県もOKを出すのだと思いますけれども。それなら福島原発に関しては国は安全性を保証していなかったんでしょうか。(福島原発に関しては、地震の確率がゼロなのでということだったのでは)いずれにしても福島原発に関してはどんなことがあっても安全だと国は言ってきた、のですよね。で福島県もそれを信じてきたわけだし、地元の住民の人たちも国が言っているのだから大丈夫だろうとおもってきた。けれどもやはり事故というものが起きた。事故というのはそういうもんだし、原子力発電所というのは事故が起きたときに途方も無い被害が起きてしまうと。だから私はやめるべきだと思っているわけですけれども。国が安全だといったからもういいです、と一体どうしてそういうことが自治体の長として言えるのか私にはさっぱりわかりません。
(この玄海原発は4号機まであるんですが1号機が特に古くて36年、2号機は30年たっていて、老朽化でだんだん原子炉が問題が生じてくる問いわれている。老朽化の問題の象徴的な問題である)
小出:そうですね。ただまああの敦賀の1号機、あるいは美浜の1号機はもう既に41年建っているわけで、もっともっと老朽化している原発はあるわけですから、老朽化という問題だけで言うならば玄海が特別悪いということはないと思います。
(ただ老朽化しますとこれは金属材料学が専門の東大の名誉教授のうのさんという先生が仰っていることですけれども、この玄海原発は1号機が圧力容器本体が壊れる可能性が高いと指摘している)
小出:私もそう思います。圧力容器というのは金属なんですね。鉄でできている。鉄というのは叩いたところでへっこむし、曲げようと思えばある程度曲がるのですね。そういう意味ではガラスとは全然違いますよね。ガラスは叩けば割れるし曲げようとすれば割れてしまう。わけですけれども。鉄というものも中性子という放射線で浴びていくと、どんどんどんどんもろくなっていく性質があるのです。それで1番始めの鉄自身はいわゆる私たちが生活している常温というのですけれども、20度30度というところであれば脆くない、のですよね。叩いても割れないし引っ張ったって簡単には切れないし、ねれば伸びるというそういうものなのですけれども、中性子という放射線を浴びていくと、どんどんどんどん脆くなっていきまして、ガラスに近づいていきます。
(ガラスのような特性に近づいていく)
小出:それが近づいていく温度というのがですね、もともとはマイナス何十度まで冷やさなければガラスのようなものにはならないのですけれども、鉄は。それが中性子を浴びると共にガラスのようになってしまう温度がどんどんどんどん上がっていく。それで普通の温度でも鉄自身がガラスのようになってしまうと。いうことで、玄海の3号炉だったでしょうか2号炉だったでしょうか、それか1号炉だったかすいません私は(※聞き取れず)そこはもう90何度という温度でもうガラスのようになってしまう。もちろんそれよりも低い温度ならガラスのようになるということで、普通原子炉が動いているときは200何十度という温度ですからいいのですけれども、もし何かトラブルがあって原子炉を冷やそうとして冷たい水を入れようとするわけですね。冷やそうとするとね外から冷たい水を入れる。今も福島でやっている。そういう事をすると圧力容器と言ってる鋼鉄製の容器自身がガラスのような状態になっているところに、水を入れてしまうということで、壊れてしまうということになる。(壊れるという壊れ方がパーンとわれてしまう?)そうです。(パリッ問われてしまうガラスのイメージですか)そうです。
(原子炉がパーン問われるということはつまり何を示すのですか)
小出:もう手のうちようが無くなるということですね。
(中にある放射性物質、核燃料が全部大気中にいっぺんに出るということですか)
小出:割れてしまうと水が抜けてしまうわけで、原子炉を冷やせなくなるわけでして、原子炉がもうメルトダウンすることが避けられなくなるということですね。それ以降どういう挙動を取るということはまだよくわかりません。格納容器が壊れてしまえば大気中に出てきますし、格納容器の底に穴が開けば地下にめりこんでいくという。まあいずれにしても、どういう経路かをとって環境に放射能が漏れてくるということになってしまいます。
(先生、加圧水型という原子炉ですね、福島は今回は沸騰水型ですが、関西は加圧水型ですよね。そういう意味では万一の時には怖いタイプの原子炉と言えるんですかね)
小出:そうです。沸騰水型に比べて温度も圧力も高いですので、事故があるときには進展も早いですし圧力容器の健全性というのはもっと重要だと思います。
小出:(こうした、どのタイプか、とか何年たったらどうなるかということは、電力会社も国も分かっているんですよね?)
小出:えーっと、分かっていないと思います。(分かっていないんですか)というか、原子力というのはまだまだ新しい領域の技術なのですね。1954年に一番初めに商業用の原子力発電所がソ連で動き始めて、57年に米国のシッピングポートというところで動くはじめて、それから初めて原子力という発電をやり始めたのですね。いったい何年持つのだろうかと、始めから考えたんですけれども。まあ40年だろうなと思いながら来たんですね。その40年本当に持つかということを原子炉の中に試験片というものを入れて、(試験片ってどんな字を書くのですか)試験、テストのかけらですね。それを原子炉の中に入れて、鉄がどれだけガラスに近づいていくのかということをずっと調べながらきているのです。当初は40年だと思いながら来たわけですけれども、まだ大丈夫じゃないかということで今寿命を延長しようとして米国でもドンドン延長されてますし、日本でもすでに40年を経て敦賀でも美浜でもまだ動いている状態なんですね。でもそれは安全性をすこしずつ食いつぶしながらきているということですから、私としてはやめてほしいと思いますし、ガラスにドンドン近づいてきたような圧力容器を持っている原子炉から止めるべきだと私は思います。
(ドイツやアメリカなどでは廃炉、やめていくという動きがあるのですよね)
小出:もちろんあります。
(40年でもまだ大丈夫ではないかと試験片からおもってドンドン伸びていこうとしている。だがそれはまだわからない領域のところに我々ははいろうとしている)
小出:危険性がだんだんあがってきているということは確かなのですけれども、どこまで頑張るかということでやろうとしてるわけですね。(これコストの関係とかいろいろあるんでしょうね)もちろんです。
(またそうした面からも語っていただける機械をつくろうと思います。どうもありがとうございました)
小出:ありがとうございました。
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