04. 2011年7月04日 00:01:49: EGaQ73B5yp
http://www.nikkei.com/tech/ssbiz/article/g=96958A9C93819696E0E5E297EB8DE2E6E2E3E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;p=9694E3EAE3E0E0E2E2EBE0E4E2EBベトナム原発商戦の「スジ」を読む 編集委員 竹田忍 (1/2ページ) 2011/1/10 7:00 ベトナム政府が同国南部のニントアン省で計画している原子力発電所建設プロジェクトの第2期分(ニントアン2)を日本の企業連合が受注することが、2010年10月31日の日越首脳会談で決まった。受注の受け皿となるのは電力9社、メーカー3社と産業革新機構が共同出資する国際原子力開発(東京・千代田)だが、どの方式の原子炉を採用するかは決まっていない。関西電力の八木誠社長に「世界の原発では関電が使っている加圧水型軽水炉(PWR/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3E5E1E6E7E2E3E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NX)の方が、東京電力などが使う沸騰水型軽水炉(BWR/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3E5E1E7E3E2E3E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NX)よりも優勢。勝算はいかが」とたずねると「オールジャパンで受注が決まったことに意義がある」とだけ話してあとは言葉を濁した。 【画像】関西電力の八木社長は「オールジャパンの受注に意義がある」と語るが…。
実際の方式決定に大きな影響を及ぼすのが事業化調査(FS)で、日本原子力発電が請け負った。原発にはいろいろな炉型があり、BWRなら改良型の「ABWR/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3E4E6E6E1E2E3E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NX」「U―ABWR」「ESBWR」、PWRにも改良型の「APWR」「AP―1000」などがある。当然ながら日本原電は中立の立場で評価することが求められている。 では今後の方式決定はどう進んでいくのか考えてみたい。経済成長に伴うエネルギー不足を懸念するベトナム側は、2050年までに総発電量の2割を原発で賄う計画を立てている。最新鋭の技術を盛り込んだ原発を求めている模様で、在来型のBWRやPWRの出番はまずない。 ------------------------------ 国際原子力開発の (JINED)概要 社 長:武黒一郎 資本金:2億円 出資者 出資比率 (%) 北海道電力 5 東北電力 5 東京電力 20 中部電力 10 北陸電力 5 関西電力 15 中国電力 5 四国電力 5 九州電力 5 東芝 5 日立製作所 5 三菱重工業 5 産業革新機構 10 --------------------------- 国際原子力開発はオールジャパンを標榜(ひょうぼう)しているため、海外勢が関与している炉型も排除される見通しだ。AP―1000は東芝が買収した米ウエスチングハウス(WH)の技術に基づいていることと、蒸気発生器の製造を韓国・斗山重工業にいまのところ依存している点がネックになって難しい。米ゼネラル・エレクトリック(GE)が開発に関与しているU―ABWRとESBWRも同様の理由で選外になるだろう。残るのは日本勢で開発したABWRとAPWRということになる。 ベトナム側は原発メーカーだけでなく、運営ノウハウを持つ電力会社の参画を求めている。ABWRなら東芝または日立製作所に東京電力という組み合わせが最有力となる。APWRの場合は事情が複雑だ。国内初のAPWRは日本原電が2016年と17年に運転開始予定の敦賀原発3、4号機(福井県敦賀市)となり、出力はともに153万8千キロワット。PWR勢で国内最大手の関電は現状ではAPWRの運転ノウハウを持っていないため、メーカーの三菱重工業に日本原電という組み合わせとなる。 ------------------------------------- (2/2ページ)
また敦賀3、4号基は10年10月に本体着工の予定だったが、国の1次審査が長引き、着工を延期した。新たな着工時期は未定で、3号機が 16年3月、4号機が17年3月と予定している運転開始に遅れる可能性が高い。一方で日本が受注したニントアン2は出力100万キロワットの原発2基を 21〜22年に稼働させるのが目標。敦賀とニントアン2の稼働時期が近接するために、日本原電が十分な運転ノウハウを蓄積して商談に臨むのは難しいかもしれない。FSを請け負った日本原電は中立性を求められており、自らが手掛けているAPWRを推奨しにくいという事情もある。 【画像】日立は原発機器を大型モジュール化し、クレーンでつり上げて設置できるようにした
こうなると消去法でABWRが浮上してくる。関電の八木社長の歯切れが良くなかった理由もこのあたりにあるのではないか。商談は東芝と日立の一騎打ちにならざるをえまい。東芝は原発用の燃料からサービスまで一貫して提供できる「オール・イン・ワン」を前面に押し出し、日立は日本で製造する原発機器を大型モジュール化/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3EBE1E3E5E2E3E5E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NXし、特殊なクレーンでつり上げて設置するため現地施工の効率が高い点をセールスポイントにするだろう。いずれにしても発電事業者としてのパートナーには経験豊富な東電に“当確”がつくのではないか。ちなみに国際原子力開発の筆頭株主は東電である。 産油国、非産油国にかかわらず、世界中で原発の新規導入計画が進んでいる。20年前後の稼働を想定するプロジェクトも多く、ベトナム・ニントアン2の進捗状況は他の原発案件受注にも大きく影響することになろう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー |