脱原発：５０年の経済影響なし　東京大准教授試算
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110703k0000e020017000c.html

２０５０年に「脱原発」を実現した場合の国内の経済影響はほとんどないとの試算を、茂木源人（げんと）・東京大准教授（社会戦略工学）がまとめた。太陽光パネルをすべて国内で生産し、未利用の土地を活用することなどの条件が前提で、実現には政府の姿勢が鍵になりそうだ。

　試算は電力会社の依頼を受け実施した。

　現在、日本の電源は原発約３割、火力約６割、太陽光を含むその他が約１割。試算では、太陽光パネルの寿命は２０年で、発電量は年率１％で劣化するとした。５０年までの電力需要を考慮し、（１）原発を段階的に廃止し、その分を太陽光が代替する（２）原発はそのままで、太陽光が普及していく分、火力を減らす（３）原発はそのままで、太陽光は住宅への普及限度の１０００万戸まで増え、その分の火力が減る−−の３ケースで分析した。

　その結果、５０年の国内総生産（ＧＤＰ）は、（１）５３６兆円（２）５３３兆７０００億円（３）５３６兆１０００億円で、ほぼ同レベルになった。

　この理由を、（１）と（２）で太陽光パネル製造や設置費など４０年間で１６２兆８０００億円が投入され、製造工場などで雇用が生まれるためと説明している。

　東日本大震災前の原発の平均発電量を得るには、１万平方キロの設置面積が必要だが、現存の耕作放棄地などを活用すれば可能という。

　一方、電力料金については、２０年代半ばに１キロワット時あたり０・６円上がるが、大量生産が実現する３０年に元に戻ると分析した。

　茂木准教授は「当初の太陽光発電のコストは他電源より高いが、国内ですべて生産すれば経済の足を引っ張ることはない」と話す。【藤野基文】

毎日新聞　2011年7月3日　10時42分（最終更新　7月3日　12時10分）
＜福島知事は＞復興ビジョンに「脱原発」前向き
＜大阪府は＞脱原発にメガソーラー検討　広域連合で提唱へ
＜橋下・大阪府知事は＞脱原発の本気度
＜解説＞東電株主総会「脱原発」否決　「高リスク」認識広がる
＜解説＞イタリア、脱原発を継続（その１）　脅威避け故郷守る
＜ドイツは＞脱原発法案を下院が可決…２２年までに全停止
　

コメント
01. 2011年7月03日 12:41:24: HLFKhcE9tM 問題は、原発、核廃棄物という不良債権の処置。
02. 2011年7月03日 13:19:19: FL3HBMFVVs 問題は、東大、とうとう離反者がでたのか　おこぼれをもらえない者達が 駄々を捏ねたのか、脱原発グループを中からかく乱するつもりか、もう誰も 東大と名乗った時点で信用できない　過去４ヶ月東電と政府と組んで国民を 騙してきておいて　反省ひとつしない者達に誰が耳を傾けるものか！
03. 2011年7月03日 18:24:27: SE6UxeS89Q 原発事故が起こるたびに、廃液処理などで海外メーカーに何兆円も流れていては、日本の経済にとって良いわけがない。福島よりももっとひどい事故が起こり、多くの生産工場施設が使えなくなる、戦争による破壊と同じようなことが原発によって起こるケースも想定しているとは思えない。要するに、原発が何の問題も起こさないという楽観的な想定での「試算」である。電力会社が東大に依頼したのだから、原発事故を想定した試算をしないのは当然であるが。

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