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東日本大震災:福島第1原発事故 避難勧奨地点指定 伊達市と国、攻防20日間 (毎日新聞) 
http://www.asyura2.com/11/genpatu13/msg/641.html
投稿者 赤かぶ 日時 2011 年 7 月 02 日 00:25:05: igsppGRN/E9PQ
 

東日本大震災:福島第1原発事故 避難勧奨地点指定 伊達市と国、攻防20日間
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110701ddm002040082000c.html
毎日新聞 2011年7月1日 東京朝刊


 ◇戸別か集落単位か…「窮余の策」

 東京電力福島第1原発周辺の避難の新たな形として「特定避難勧奨地点」の戸別指定が加わった。計画的避難区域のような広域避難は影響があまりに大きいという点で一致する国と福島県伊達市が導き出した「窮余の策」だが、舞台裏では指定方法を巡る両者の攻防があった。【石川隆宣、種市房子、西嶋正法、駒木智一、高瀬浩平】

 政府が原子力災害現地対策本部を通じ、伊達市に勧奨地点を設ける方針を伝えたのは6月9日だった。対策本部で被災者支援に当たる国の職員は、「飯舘の反省もあり、戸別指定から議論を始めた」と打ち明ける。

 飯舘村は年間の累積放射線量が20ミリシーベルトに達しないとみられる地域も含めて全村が計画的避難区域となり、村民は多大な犠牲を強いられている。古里へ戻れる見通しも立っていない。

 伊達市の仁志田昇司市長は「そもそも強制力のある指定は望んでいなかった。緩やかな制度がいい」と、政府の方針を評価した。

 素早い対応で実績をアピールしたい政府。隣の飯舘村の二の舞いは避けたい市。戸別指定なら解除が容易で影響も小さい−−。両者の思惑が一致し、議論がスタートした。

 ところが、指定の仕方を巡る議論で、両者の同床異夢ぶりが次第に浮かび上がった。

 国は指定戸数を最小限にしたいと考え、累積で年間20ミリシーベルトを超えるとされる毎時3・2マイクロシーベルトで機械的に線引きする方針だった。これに対し、市は「コミュニティーが崩壊する」と反発。住民の希望も踏まえ、基準を下回る家も含めた10〜20戸程度の「小集落」単位での指定を主張した。

 伊達市の担当者によると、国側は「線量が低いところまで指定すると範囲が広がり、計画的避難と変わらなくなる。制度がむちゃくちゃになり、認めがたい」と市の主張を突っぱねた。市側も住民の声を背に受け、簡単には引き下がれない。

 担当者が連日のように折衝を重ねても平行線が続いた。「原発事故直後の放射線量はブラックボックスで、どれぐらい被ばくしたか分からない。毎時2マイクロシーベルト台まで線引きの基準を下げた方が住民も安心するのに」。6月半ば、市の幹部は取材に不満を漏らした。

 20日間にもわたった協議。市は結局、国の方針を大枠でのまされた。それでも「妊産婦や子供のいる世帯は、基準を超えなくても周囲に高い家があれば柔軟に指定する」など少しずつ譲歩を引き出した。29日の最終協議では、線量を記した住宅地図をにらみながら、線量値の高い家に囲まれた場合には指定に含めることなどで決着。線量が基準を超えたのは32世帯だったが、指定は113世帯に膨らんだ。市幹部は30日、「我々は実利を取った」と語った。

 県内では南相馬市内で新たにホットスポットが見つかり、特定避難勧奨地点の指定に向けた調整が続く。原発の30キロ圏内で緊急時避難準備区域とされなかったいわき市北部でも、高線量の地点が住民の自主検査などで確認され、国と県が調査を始めている。

 ◇住宅足りない恐れ

 特定避難勧奨地点をめぐっては、課題も少なくない。

 伊達市は市内で避難用の住宅を探しているが、確保できたのは市営住宅や雇用促進住宅など約40戸にとどまる。市内の民間賃貸住宅も県が他の自治体からの避難者のために借り上げており、指定された全世帯が避難を希望すると住宅が足りなくなる恐れがある。

 一方、勧奨地点に指定された世帯が避難した場合の補償については、国の「原子力損害賠償紛争審査会」で検討される見通しだが、現段階では明確ではない。義援金も配分されるとみられるが、受け取れる額は未定で、指定された住民が経済的な事情から避難を決断できない要因ともなりかねない。

 ホットスポットへの対応について、伊達市は専門チームを作って除染や住民の健康管理に当たる方針だが、指定された世帯が避難した後の空き家の除染や防犯対策など、切実な問題も残る。市には「5年たっても対策が進まなければ土地を処分したい。売れなかったらどうなるのか」という相談も寄せられている。

 一方、避難の判断が住民に委ねられている点については、専門家から「無責任だ」と国の姿勢を疑問視する声が上がっている。

 国の原子力委員会の田中俊一・前委員長代理は「判断を住民任せにするのは不親切だ」とし、「特定避難勧奨地点は地域が限定されているので、避難勧奨そのものを解除するためにも、国が責任を持って除染し線量率を下げる努力をすることが望ましい」と指摘する。

 大分県立看護科学大の甲斐倫明(みちあき)教授(放射線保健)も「子供や妊産婦の有無など避難すべきかどうかは世帯ごとにケース・バイ・ケースで、居続けるリスクがどれほどなのかを国が説明しなければならない」と指摘。「説明がないと国が住民を突き放した格好となり、不信感が増すだろう」と懸念する。
 

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コメント
 
01. 2012年8月17日 23:25:59 : E9JcGxErUY
私は伊達市の小国地区に住んでいます。戸数10戸の小さな部落です。自分の家を含めて3戸が勧奨地点の指定から外されました。私の家は3軒隣合ってますが、宅地間の距離は隣とは30m位です。3軒のうち私の家だけ指定から外されました。又、同じ部落で私の家と庭先での放射線量が同じなのにその家は指定されました。いずれの家も小さい子供はいません。何故私の家は指定されなかったのか何度も伊達市に問い合わせしましたが、伊達市の回答では、周辺の状況を考慮して指定しましたがあくまでも国が指定したの一点張りで、伊達市の関与はなかったような説明に終始してます。私は農家です。家を出ればすぐ畑です。畑の放射線量は今でも毎時3〜4マイクロシ_ベルトあります。指定された農家は、農作物を作付しなければ販売代金の保障、慰謝料、一人月10万、他、固定資産税、健康保険料、市民税、医療費、後期高齢者医療費、軽自動車税等減免されています。庭先の一点の測定値でこんなに差別されました。私らは風評被害の差額分の保障だけです。放射能は点で汚染するのですか?面で汚染すると思いますが。何故こんなことがまかり通のですか?どこに訴えればいいのでしょうか?教えてください。

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