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平成23年6月27日(月)発売
小学館 通知
大嘘の裏には利権あり
何の根拠もない「節電ファッショ」に騙されるな
関電もやっぱり「原発なしでも停電なし」だった
東電と同じ姑息な電力隠し≠暴く
(写真)既存電力会社には「原発を推進しなければならない事情≠ェある。東電の清水正孝・社長と西沢俊夫・次期社長
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本誌が予言したとおりである。関東での計画停電後に始まった政府と電力会社の合作による「節電しなければ大停電」キャンペーンが、蝉の鳴き声とともにボルテージを上げ、全国的な広がりを見せている、騙されてはならない。彼らが節電を叫ぶのは原発を止めたくないからである。その嘘を暴く。
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自動車業界が節電に「叛乱」
世はまさに「節電ファッショ」の様相を呈している。
今や人気ガタ落ちの節電啓発担当相(囲民はお忘れでしょうが、蓮紡サンのことです)は「これからはクールピズではなく、節電ピズと呼びまじょう」と喚き散らし、枝野幸男・官房長官が座長を務める「電力需給に関する検討会合」は何度も会合を重ねた末に、「窓にすだれを掛けまじょう」、「保温便座をオフにしましょう」と訴えている。経産省は37億円を投じで「節電サポーター」を派遣し、20万枚以上の節電ステッカーを配布して回っている(50ページ囲み記事参照)。
そんな猿芝居には付き合っていられない。
案の定、産業界では叛乱≠ェ起きた。日本自動車工業会は、政府の節電要請を受けて5月に全国の工場で木曜と金曜を休業にして土日に操業する「輪番操業」を決めた。が、ここにきてホンダは一部工場での「木金操業」に踏み切る構えで、自工会会長を務める志賀俊之・日産COOも「一部の工場で休日に稼働しても十分に節電はできる。被災地で車を待っている人たちがいる」と方針転換の姿勢を示した。大手自動車メーカー幹部が本音を明かす。
「もともと西日本を本拠地とするマツダや三菱自動車は輪番操業に反対の立場。
ホンダや日産も操業するのは東電や東北電の管轄外だ。
各社ともに工場内の照明を減らしたり、ラインを減らしたりと策を講じている。
これ以上、政府の節電祭りに振り回されるなら、海外に製造拠点を移さざるを得ない」
業界のトップランナーであるトヨタの豊田章男・社長は、「日本でのモノづくりは限界を超えた」と、露骨に政府への不満を表わした
橋下徹・大阪府知事も怒っている。
関西電力が6月10日に発表した「今夏の15%節電要請」について、「原発必要論に狩りていくためガ脅しだ」(18日の会見)と語り、21日に行なわれた関電の八木誠・社長との会談では、「根拠のはっきりしない15%一律カットには協力しない」と啖呵を切った。
橋下氏の見解は至極真っ当である。なぜなら、関電の要請に至るまでには以下のような経緯があるからだ。
本誌は4月29日号に掲載した「『原発完全停止』でも『停電』なし」で、経産省・資源エネルギー庁が作成した極秘資料をスッパ抜いた。
東日本大震災発生後に実施された計画停電を受け、エネ庁と東電は「原発を早く再開させなければ、真夏に大停電が起きる」と煽り立てた。だが、その根拠とされた資料「東電の供給力動向」には、揚水発電所(※@)や長期停止中の火力発電所がカウントされておらず、それらを稼働させれば夏期のピ―ク時電力を十分にカバーできると本誌は指摘した。この《停電騙し》は、「原発再開やむなし」の空気を作り出すための戦略だったのである。
それから1か月後に、政府は二の矢を放った。
≪浜岡騙し》である。
これは本誌5月27日号[卑怯者宰相・菅直人よ、ならば全原発を止めてみせろ」で詳しく報じた通り、浜岡原発だけを停止することで、「金国的に停電ドミノが起きるから、他の原発は稼働し続けなければならない」と宣伝する政府・経産省の姑息な作戦だった。
関電の「15%節電要請」は、その作戦の総仕上げだ。
関電が橋立知事ら管内の首長たちに節電を要請し、美浜、大飯、高浜の各原発を抱える福井県の西川一誠・知事に稼働再開を求めている中、海江田万里・経産相は18日の会見で「安全対策は適正に行なわれている」と発表し、「原発が起動せきなければ産業が停滞し、許民生活への不安が生じる。協力をお願いしたい」
と述べた。
経産省幹部が内幕を明かす。
「6月上旬からエネ庁の部長、室長クラスが知事たちの説得にあたっていた。経産省出身の知事は理解を示してくれたが、福井の西川氏や佐賀の古川康氏、鹿児島の伊藤祐一郎氏ら総務省出身の知事たちは首を縦に振ってくれない。ぞこで電力会社に節電しないと大停電が起きる≠ニ危機を煽らせ、一気に原発再開に舵を切ろうとした」
《関電版・停電騙し》は、電力会社との連携プレーだったというのである。
※@/夜間の余剰電力を利用して下貯水池(下流のダム池)がら上貯水池(上流のダム池)に水を汲み上げ、電力消費の増える時間帯に上貯水池の水を開放じて発電する仕組み。需要のピークに対応する「非常用電源」と位置づけちれている。
(写真)関電の節約要請は橋下知事に一蹴された(左は八木誠・関電社長。上は2基が点検停止中の美浜原発)
需要は水増し、供給は過少申告
橋下知事が指摘したとおり、関電の節電要請には何の根拠もない。どころか、経産省と関電が突貫工事で作った「停電危機演出」には数字の改竄がある。
関電が全契約者に「15%節電」を求めた10日、経産省は「原子力発電所と電力需給について」と題するA4判3枚の報告書を発表した。その1枚目には、各電力会社の供給力と最大電力(昨夏のピーク時電力)を並べた「需給バランス」が掲載されている。
その中で関電の「最大電力=3138万kW」だけに、小さい文字で「昨年を越えるピークを想定」との注釈が付けられている。関電は震災後に作成した供給計画で最大需要を2956万kWと発表していたが、182万kWも水増ししたのである。
なお、昨年のピークは3009万kWだから、それと比べても130万kW多い。
記録的猛暑だった昨年と比較すること自体が悉意的だが(事実、東電は今夏の最大需要電力見通しを昨年のピークより500万kW少ない5500万kWとしている)、さらに大きな数字を載せた理由は何も記されていない。
経産省は「関電側の提出した数字を掲載した」と無責任に答えたため、関電に質した。すると、 「毎年需要が伸びていることを踏まえて設定しました。
見通しを低くした後に再修正することになればお客様に申し訳ない。不当に高くしているわけではありません」(広報グループ)
と説明した。だとすれば、需要者に節電させるのは申し訳ないとは思っていない≠ニいうことなのだろうか。需要を水増しするのであれば、いくらだって電力危機を煽ることができてしまう。その上で、経産省の報告書の2、3枚目では、「原子力発電停止の影響」「電力供給不安による産業空洞化の懸念」と題して、燃料コスト増や電気料金の値上げが起き、「産業空洞化は今そこにある危機」と脅しをかけている。
一方、関電が発表した今年8月の供給力は2938万kW。3138万kWの需要≠ノ対して200万kWの不足となっている。需要の水増し分で、何とか「不足」に持っていった格好だ。
が、この供給力にも嘘がある。昨年実績の3428万kWより490万kWも低いのである。関電は「原発を動かせないから低くなった」といいたいのだろうが、定期検査で停止中の4基(美浜1、3号機、大飯3号機、高浜1号機)の認可出力合計は317・2万kW。関電の発表を信じるならば停止中の原発をすべて稼働させても昨年実績には届かないことになる。おかしいではないか。
結論をいえば、原発以外の発電所の出力をわざと低く見積もっているのだ。エネ庁と東電の《電力編し》と同じ手法である。
しかも」やり口まで真似ているから芸がない。
関電は供給力向上の方策として、「揚水発電所の高水位運用」と「火力発電所の出力向上」を挙げているが、具体的な計画を問うと「検討中」(広報部)と言葉を濁す。明確にすれば「15%節電要請」のデタラメが発覚してしまうからだろう。
隠すなら、東電の《停電騙し》を暴いた本誌が具体的に明らかにしよう。
関電は奥吉野、喜撰山、大河内、奥多々良木と4つの揚水発電所を持つ。日本最大の水力発電所である奥多々良木の193・2万kWをはじめ、4つの出力合計は488・4万kWに上る。
揚水発電の性質上、上貯水池の水が空になるまでの約.6〜12時間しか発電はできないが、需要のピーク(平日の年後1〜4時の約3時間)をカバーするには十分である。また、上貯水池への揚水には夜間の余剰電力む用いれば何ら問題はない。本当に危機になれば、コストはかかるが夜間にも発電量を上げれば済む話だ。
続いて火力発電。
関電の保有する火力発電所は12か所で、出力合計は1635・7万kW。
だが、計画では最大出力を1360・7万kWとしており、300万kW以上が消えて≠「る。これはあまりに低すぎはしないか。関電は理由をこう説明した。
「長期計画停止中の火力発電所などをカウントしていないためです。再稼働には1年以上かかるので、今夏のピーク時に間に合わせるのは無理です。また、5月30日に舞鶴発電所1号機(出力90万kW「ガトラブルを起こしたために停止中です」(広報グループ)
だが、どうも怪しい。
東電の《停電騙し》では、やはり「長期停止中」だった横須賀火力発電所を供給力から外す過少申告≠ェあったが、本誌が取材をかけると慌てて再稼働させている。「間に合わない」という説明をそのまま信じるわけにはいかない。
(写真)「電力危機」を煽る前にやるべきことはいくらでもある
PPSに頭を下げれば問題解消
大停電を煽ってまで経産省と電力会社が原発再開に邁進するのはなぜか。
ひとつには与野党の原発利権政治家たちの思惑があることは本誌が過去に指摘してきたとおりだが、理由がもうひとつある。
管内にある巨大発電所≠フ存在を利用者に隠し通したいからだ。
本誌は前々号(6月24日号)で、PPS(特定規模電気事業者)についてレポートした。PPSは自前の発電所で作った電気を販売する電気事業者で、高コスト体質が染みついた既存電力会社に比べ2〜3割も安く電気を供給する。法律上、個人宅などの小口需要者は購入できないが、大口需要者たちは今やこぞって既存電力会社からPPSに乗り換えている。
近畿エリアにはPPSなど「非関電」の自家発電所が418か所もあり、その出力合計は669・2万kW。
そのうち96%が火力発電所で、中には出力140万kW(2基合計)を誇る神鋼神戸発電所(石炭火力) のように標準的な原発1基分(約110万kW)を上回る発電所もある。
ところが、これらの自家発電は100%稼働しているわけではない。エネ庁の統計によれば、近畿エリアにおける昨年8月の自家発電による発電量は約29・8億KWH。669・2万kWの出力でフル稼働した場合の約60%なので、40%分は眠っている¥態といえる。
出力に単純換算すれば「余力」は約268万kWもある。
その中には関電の送電線と繋ぎようのない離島の自家発電所や、製鉄所に併設された火力発電所のように、常に運転することが難しいものもあるが、そうした歩留まりを勘案して、今夏利用できる分を268万kWの半分と見積もっても、関電は原発1基分以上の電力を今すぐにでも得られるはずなのである。PPSや自家しか仕事をしない啓発担当相発電を持つ企業に、「ウチでは電力が十分に供給できないので、8月だけはフル稼働してください」と関電トップが頭を下げて回れば、電力不足はたちどころに解決する。
しかし、それこそ既存電力会社と経産省が最も困るシナリオなのだ。
「PPSが本格的に供給する事態となれば、関電の電力綱の中に関電製の高い電気≠ニPPS製の安い電気≠ェ同居することになり、需要家からか関電の高い電気は要らない≠ニいう声が出てくるのは避けられない。とりわけ消費者の目が厳しい関西では、電力自由化を叫ぶ声が一瞬にして膨れあがり、関電批判が噴き上がる。経産省と電力会社が築いてきた地域別独占体制と発・送・配電の一体化という仕組みが崩れてしまう」(前出の経産省幹部)
そうした事態を避けるために、既得権側はなりふり構わぬ抵抗を見せている。
前々号で触れた「50kW規制(※B)」はその代表例だが、大口需要者への販売にさえ妨害工作に出ている。
関東のPPS業者の経営幹部が憤る。
「このような電力危機の状況下こそ、われわれPPS
※A/00年の電力自由化でPPSの設立が認められたが、現在も契約電力50kW以下の需要者(一般家庭や商店、町工場など)には販売ができない。そうした小口需要者はPPSの「安い電気」を購入できず、既存電力会社の「高い電気」を強要されている。
が広く認知されていくチャンスです。しかし、PPSから電気を買いたい≠ニいう事業者の要望に応えられない事情がある。
その元凶が環境配慮契約法の規制です。1kWあたりのCO2排出係数(排出割合)が定められており、それを超えると入札から排除されたり、ペナルティを支払ったりしなくてはなりません。
PPSは原子力や水力といった巨額の設備投資は無理ですから、発電は火力に頼らざるを得ない。(C02を出さない)原子力の割合が高い既存電力会社に有利なルールなのです。火力だけで比較すれば、環境に配慮したガスコンバインド(※B)などの最新技術を導入しているPPSの方が旧式火力を数多く抱える電力会社よりはるかにクリーンなのに、彼らは原発を持っているというだけで入札が有利になるのです」
※B/燃料をガス化し、ガスタービンエンジンを用いて発電する仕組み。ガス化する際に燃料に含まれる不純物が除去されるため、石炭や重油を燃焼させるより大気中へのCO2放出量を軽減できる。
そうした規制を含めた電気事業の在り方を議論する電気事業分科会(経産相の諮問機関)の委員には、電力上位4社(東電、関電、中部電力、九州電力)のトップが名を連ねるが、PPSは1社だけ。「事業規模や政・官・財界への影響力を比べれば象と蟻。PPSの発言権は無いに等しい」(同前)ため、規制の改正など望むべくもないという。
電力会社が「停電危機」を煽って原発継続を唱える背後には、そうした新興勢力を排除する企みもあるのだ。
原発を再開しなければ経済は混乱し、一般国民は停電の危機に晒される──そんな「政電複合体」の恫喝と嘘はすでに底が割れた。 彼らが守りたいのは、自らの既得権だけなのだ。 「空き菅」政権も、「停電が来るから節電せよ」と脅すかわりに、電力会社と役人の利権を奪って、「電力供給に不安はないから安心して経済の立て直しに取り組んでほしい」と国民にメッセージを発すれば、もしかしたら延命できたかもしれない。
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