2011年6月25日 　東京新聞夕刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011062502000170.html

　運転停止した中部電力浜岡原発３〜５号機（静岡県御前崎市）の耐震補強工事をめぐり、確認検査を担当した財団法人発電設備技術検査協会（東京）の役員に中電など複数の電力会社幹部が就任していることが分かった。同協会は原発を推進する経済産業省が所管する公益法人で、常勤の理事長と専務理事はいずれも同省ＯＢが務めている。原子力の専門家は「客観性を装ったおざなりの検査になり、原発の安全性にも疑念が生じかねない」と批判している。

　補強工事は中電が二〇〇五〜〇八年に自主的に行った。東海地震の想定以上の六〇〇ガル（ガルは加速度の単位で地震動の強さを表す）を上回る一〇〇〇ガルの揺れにも対応できるよう耐震性を強化したという。

　確認検査は、技術検査協会が中電の依頼を受けて実施。〇八年十月から〇九年三月に原子炉や配管、機器の耐震性や工事などをチェックし「耐震評価、工事は適切に管理・実行された」とするお墨付きを与えた。中電は「第三者による公正なチェックを受けた」とし、東海地震に耐えられると主張する根拠の一つにしていた。

　協会の公開資料によると、経産省ＯＢ二人を除く役員は十四人で、中電の阪口正敏副社長と九州電力の瓜生道明取締役が非常勤の理事、中電出身の久米雄二電気事業連合会専務理事が非常勤の監事にそれぞれ就任。その他は大学教授が大半だが、常勤理事に東京電力ＯＢもいる。

　中電で原子力本部長を担当する阪口副社長は〇九年十一月に就任。浜岡の検査当時は中電の別の幹部が非常勤理事を務めていた。また、理事会に助言する評議会メンバーには他の電力会社や東芝、日立製作所など原発をビジネスとする大手プラントメーカーの幹部らが名を連ねる。

　民間企業の資本金に当たる基本財産は二十一億二千万円。このうち五分の一の四億六千万円が電力各社やプラントメーカーの寄付金で賄われている。二〇一〇年度には、経産省から火力や発電設備などに関する委託事業費として七千三百万円が支払われている。

　耐震補強工事が行われたのは、国の原子力安全委員会が耐震指針の見直しを進めていた時期。市民団体が起こした運転差し止め訴訟などで東海地震への懸念が広がり、地元の静岡県では中立的な立場での耐震チェックを求める声が強かった。協会総務企画室の担当者は「検査に携わる職員の安全意識は高い。検査機関として公正、中立で、電力会社に気兼ねすることは一切ない」と話している。 　

コメント
01. 2011年6月25日 23:10:36: 8HikxGtgtU 　震度６で設計しておいて　作った後　簡単に震度８に　補修できるようなものなら 　最初から　震度８にするだろうけど　　震度８なんて　もともと　設計することも 　できないくらい　高いハードルだったはずだ〜〜〜 　＝＝＝ 　ネゴトも　休み休みに　お願いしたいね　当然　浜岡も廃炉だね〜〜〜
02. 2011年6月26日 12:30:37: P2yQuAK3HI 　いくら補強したといってもムジナ同士の仕事ではねえ。　騙されないでくださいね静岡のみなさん。
03. 2011年6月28日 06:58:41: BDDFeQHT6I 補強で対応出来るなら最初から設計で考慮されているはずだ、本当に有効な補強が出来るはずはない。 耐震設計は設備全体に対して行われる、設備の一部に補強材を入れてもほとんど意味が無いだろう。

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