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福島第1原発:1号機のベント「失敗」 問われる説明責任
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110624k0000m040145000c.html
毎日新聞 2011年6月24日 2時30分(最終更新 6月24日 3時47分)
東京電力福島第1原発1号機のベント(排気)が失敗していた可能性が高いことが判明し、これまで「成功」と言い続けてきた東電や、それを追認してきた国の説明責任が改めて問われることになりそうだ。併せて、特に重大事故への対応策として整備されてきたベントの「失敗」は、国の安全対策に大きな疑問を投げかける。
ベントが行われた3月12日、東電は弁の操作で格納容器の圧力が低下した点を重視し、午後3時ごろ「成功」と発表。だが、低下したとされる圧力は上限値(427キロパスカル)を上回ったままで、発表直後には緩やかな上昇に転じていた。さらに、放射性物質の放出を示す構内のモニタリングポストに兆候はなく、東電関係者によると弁の開放を示す「リミットスイッチ」にも変化はなかった。
「成功」を見直す材料や機会はあったのに、国は3カ月近くもチェックしないまま今月7日、国際原子力機関(IAEA)への報告書に東電の見解をそのまま記載して提出。事故を真摯(しんし)に検証する姿勢はうかがえない。
ベントは安全対策(アクシデントマネジメント)の一環として92年から旧通産省(現経済産業省)が電力各社に整備を求めた。福島第1原発も98〜01年に耐圧性能を強化したベントの整備を完了。だが、今回の1号機だけでなく、東電は2号機でも「ベントの成否は不明」としている。
地震や津波の想定だけでなく、これまでの原発事故への備えは本当に十分だったのか。事故調査・検証委員会での議論が待たれる。【町田徳丈、杉本修作】
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