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東電調査報告書の「苦労話」と「言い訳」
http://gendai.net/articles/view/syakai/131093
2011年6月20日 掲載 日刊ゲンダイ
ちゃんちゃらおかしい
●今ごろ出してきて、肝心のことはまったく触れず
東京電力が今月18日、福島第1原発事故の発生直後の対応についての調査結果を発表した。41ページにわたるリポートには、格納容器の圧力を抜くベントや海水注入が思うように進まなかった様子、経緯がやたら詳しく書かれている。「非常灯もだんだん消え、真っ暗となる」「本来なら機械を使用して相当の日数をかけて敷設するケーブルを40名の人力にて急ピッチで敷設……」なんて、こんな感じだ。
これを受けて、各メディアは「障害次々と……」(毎日新聞)なんて書いていたが、ちょっと待って欲しい。震災から3カ月以上経過しての報告はあまりにも遅いし、このリポートには東電の苦労話、言い訳ばかりが強調されていて、肝心のことが書かれていないのだ。
たとえば東電の本店と現場の吉田昌郎所長はテレビ電話を通じて連日激しいやりとりをしてきた。国会で大揉めになった海水注入をめぐり、吉田所長は本店の意向を無視して継続を決めたとされるが、それにまったく触れていないばかりか、そもそも本店と現場のやりとりが全く出てこない。
また3月12日朝、経産相からベント実施命令が出ながら、ベントが遅れた経緯、それに菅首相の視察がどう影響したのかもわからない。リポートには「6:50 経産相よりベントの実施命令」「7:11 総理大臣が福島第一原発に到着」「8:03 ベント操作を9時目標で行うよう発電所長指示」という記述があるだけだ。
最大の関心事であるメルトダウンに至る経緯はまったく不明で、例えば1号機は3月11日の18時25分から21時30分まで何もしていないことになっている。2号機は17時12分から20時49分まで、3号機は16時36分から20時50分まで空白だ。
ジャーナリストの横田一氏が言う。
「リポートを見ると、地震後、早い時点でチェルノブイリやスリーマイル島並みの炉心溶融が起きる兆候が出ていたのがわかります。それなのに3月11日夜に避難指示を出したのは半径3〜10キロだけだった。すぐにSPEEDIを使って放射能拡散を予測して、広範囲に避難命令を出していれば、避難が遅れて住民が怒った飯舘村の悲劇は回避できたでしょう。東電が米国から借りた放射能測定用ロボットを使っていなかったことも問題で、何から何まで後手後手だった。それをごまかすために報告書の公表を3カ月も遅らせたとしか思えません」
前原子力安全委員会専門委員で中部大教授の武田邦彦氏が言う。
「東電は3月11日の段階でメルトダウンを予測していたはず。本来なら11日に近隣住民にマスク着用を呼びかけるべきでした。そうしなかったのは、東電トップが住民の将来の健康不安よりも保身を優先したからとしか思えません」
そもそも、東電の報告書なんて泥棒が自分で自分を取り調べるようなものだ。まともに信じちゃいけない。
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