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高橋はるみ知事は、北海道電力が泊原発3号機で計画しているプルサーマル発電について、安全性が確認されない限り認められないとの考えを示した。
多くの道民も同じ思いだろう。
プルサーマルは、原発の使用済み燃料から取り出したプルトニウムにウランを混ぜたプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使用する。
福島第1原発事故で、炉心溶融を起こした三つの原子炉のうち3号機はプルサーマル発電を行っていた。猛毒のプルトニウムが環境に与えるダメージなどが懸念されている。
MOX燃料が今回の事故に及ぼした影響について、政府が徹底的に検証するのが先決という知事の意見は当然だ。
福島の事故は収束のめどすら立たない。まして事故の十分な検証が終わる時期など見通せるはずもない。
北電は、知事の意向を最大限尊重し、計画を凍結すべきだ。
政府は、夏の電力不足を理由に、定期検査などで停止している原発の運転再開を急いでいる。これに対し、立地する13道県の知事は慎重な姿勢を崩していない。
既存原発の再稼働にも批判が多い現状で、プルサーマルという新たな事業に着手するのは乱暴すぎる。
北電は来春の発電開始という当初のスケジュールに沿って、既にMOX燃料の検査を経済産業省に申請した。フランスのメーカーが近く北電用の燃料製造に着手する。
知事に計画を止める権限はないが、MOX燃料を装填(そうてん)する際、いったん3号機を停止しなければならない。稼働させるには、道など安全協定を結ぶ自治体の同意が必要だ。
地元の同意に法的拘束力はないが、慣例として定着しており、無視するのは許されない。原発は、立地自治体との信頼関係を抜きにしては成り立たないからだ。
プルサーマルは、政府の「核燃料サイクル」政策の一環だ。サイクルの主眼は、使用済み燃料から取り出したプルトニウムを高速増殖炉で再利用することにある。
ところが、高速増殖炉の実用化は絶望的で、プルサーマルは、核兵器に転用可能なプルトニウムの在庫を減らすための苦肉の策にすぎない。
安全性への不安は消えず、通常の燃料より費用もかかる。
先の見えないプルサーマルに深入りするのは、電力会社にとっても得策とは思えない。
だが、核燃料サイクルは依然国策として、電力会社の事業を縛っている。政府は、早急にサイクル路線を放棄し、新たなエネルギー政策の設計に着手すべきだ。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/300872.html
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