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チャイナシンドロームが始まった?福島第一原発 ── TV朝日の報道に反響広がる
THE JOURNAL 高野論説 2011年6月21日
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/06/_tv.html
福島第一原発1〜3号機の炉心溶融(メルトダウン)した核燃料が圧力容器内で止まらずに、底部貫通(メルトスルー)して格納容器下部にまで落下いることは、すでに政府も認めているが、6月16日のTV朝日「モーニングバード」にVTR出演した小出裕章=京大原子炉実験所助教は、溶融核燃料がさらに格納容器をも突き破って建屋のコンクリート床を溶かし、地中にのめり込み始めている可能性が高いと指摘した。まさにチャイナシンドロームの悪夢で、そうなると地中で地下水に接触して超高濃度の汚染水が近くの海に流れ出すという最悪事態となる。しかも、底が抜けているのではいくら水を注いだり冷却装置を取り付けたりしても、もはや核燃料を冷やすことは出来ない。このことは、19日18時のANNニュースでも採り上げられ、米GE出身の原子力コンサルタント=佐藤暁がほぼ同様のことを指摘している。
両番組ともYoutubeにアップされ、特に前者はすでに9万を超えるアクセスを得るなど反響が大きく広がっている。
★モーニングバード:http://www.youtube.com/watch?v=fjklBl0A9Kc
★ANNニュース:http://www.youtube.com/watch?v=t3JI0vuIjdg
●地下ダム建設着手に東電が抵抗?
小出によれば、汚染地下水の海洋流出を防ぐには、建屋全体を取り囲むように地中深くにまで壁をめぐらせて「地下ダム」を作る以外に方法がない。これについて20日付毎日新聞の連載コラム「風知草」で山田孝男が書いているところでは、「原発担当の馬淵澄夫首相補佐官は小出助教と同じ危機感を抱き、地下ダム建設の発表を求めたが、東電が抵抗している」という。
理由は、地下ダム建設には1000億円かかり、今それを公表すると東電の債務がますます増えると受け取られて株価が下がり、28日の株主総会を乗り切れなくなるからだという。あのねえ......チェルノブイリよりも酷い環境汚染が広がり、日本近海のみならず太平洋が死滅の危機に陥るかもしれないという問題と、これ以上下がりようもないほど下がっている自分の会社の株価がいよいよ底を打つかもしれないという問題とを、どうして天秤にかけることなど出来るのか。東電の経営者は頭が狂っているとしか思えないし、それを押し切ることの出来ない政府もだらしない。
なお「モーニングバード」では、日本大学生物資源科学部の小澤祥司講師が「今の福島の計画的避難区域でも、セシウム137の汚染度で言うとチェルノブイリの強制避難区域と同じくらいのレベルで、そのままセシウム137が動かずに残るとすると、事故前の1ミリシーベルト程度に戻るのに100年以上かかる。20ミリシーベルト程度になるにも数十年。この区域の人々は帰る故郷を失うかもしれない」と述べている。小出も「数十万人がたぶん帰れない。それでも残れば被曝の悲劇になり、だからと言ってその人たちを別の場所に移すというのも悲劇で、その選択が迫られている」という趣旨を語っている。▲
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