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課題山積 危うい「生命線」 福島第1原発、高まる外部流出の懸念
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110618/dst11061821280025-n1.htm
2011.6.18 21:27 産経新聞
東京電力福島第1原発の事故収束に向けた「生命線」としての意味を持ち、本格稼働を始めたばかりの汚染水浄化システムの停止。浄化した水を原子炉へ戻して冷やす「循環注水冷却」を目前にしてのつまずきにも、東電は「数日中には再開できる」と自信をみせる。しかし、装置はトラブル続きで、増え続ける汚染水が海など外部へ流出する危険が刻々と迫る。(原子力取材班)
■想定外
「大きな一歩。本当に良かった」
17日夜に行われた新工程表の公表会見。システム本格稼働を東電から伝えられ、政府・東電統合対策室事務局長、細野豪志首相補佐官は安堵(あんど)の表情だった。
だが、そのわずか数時間後にシステムは停止。東電は「トラブルではない」とはいうが、「想定外の事態」だったことは認める。
原子炉建屋やタービン建屋の地下などにたまった汚染水の総量はすでに約11万トン。原子炉冷却のための注水はそのほとんどが漏れ出し、毎日約500トンずつ増え続ける汚染水の移送先は満杯寸前だ。梅雨で汚染水の増加ペースが加速する可能性もある。
■トラブル
「循環注水冷却」の中核を構成する汚染水浄化システムは、米キュリオン社、仏アレバ社の装置などからなる。
建屋にたまる汚染水をポンプで吸い出し、油分などの不純物を取り除いたうえで、ゼオライトという鉱物で放射性セシウムを除去。特殊な薬品で放射性物質を沈殿させた後、塩分を取り除いて淡水化する。
試運転では、放射性物質の濃度を10万分の1まで下げることができたが、トラブルが相次いだ。
10日には配管の接続部から漏水し、ポンプ制御のプログラムに設定ミスまで見つかった。本格運転を控えた16日夜にも再び装置内部の漏水が判明した。
九州大の工藤和彦特任教授(原子力工学)は「汚染水処理は最優先だが、工程表に合わせて運転しようという意識があったのではないか。本格運転に入って思いがけないことが起こるのは困る」と指摘。技術評論家の桜井淳(きよし)氏も「2社の装置を組み合わせた実績はなく、今後もトラブルは頻繁にあるだろう」と厳しい見方を示す。
■課題
システムには約440基のタンクなどが配置され、原子炉など全体を含めると約4キロに及ぶ配管が入り組むことになる。そのため制御は困難を極めることになりそうだ。
すでに高濃度汚染水を流していることから、不具合が見つかっても復旧に時間がかかることが予想される。東電も「状況によっては、システムに淡水を入れて放射能を洗い流さないと修理できない」と認める。
また、汚染水には、津波による海水や原子炉へ注入した海水も混じり、一部高濃度となった塩分が配管などを腐食させたり、正常な動作を妨げる懸念もある。汚染水浄化に伴って発生すると見込まれる約2千立方メートルの高濃度放射能を含む汚泥の処理方法も決まっておらず、課題は山積だ。
桜井氏は「大きな余震に耐えられるか心配。配管破断などが起きれば、施設内に大量の汚染水が出る」と指摘。「工程表を実現する生命線」(東電)は、つねに“切断”の危機を内包している状況だ。
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