http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/871.html
Tweet |
1兆円赤字でも潰せない!東電債デフォルトで市場“メルトダウン”
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110617/dms1106171611019-n1.htm
2011.06.17 夕刊フジ
1兆2500億円−。これだけ巨額の赤字を出しながら破綻しない企業も珍しい。福島第1原発事故を起こした東京電力のことだ。株価は一時150円割れするなど暴落し、世界的格付け機関から「投資不適格」の烙印を押されている。資金調達もままならず、本来ならとっくに会社更生法を申請してもおかしくないが、民主党関係者は「東電は潰さない」と断言する。特別扱いされる3つのワケとは…。
東日本大震災の影響で経営破綻する企業が急増している。東京商工リサーチが調査した「震災破綻」は6月7日までに156社を数え、1995年の阪神・淡路大震災の年間倒産件数144件を3カ月弱で追い抜いた。
商工リサーチ情報本部の友田信男副本部長は「(中小・零細企業に対する)政府の緊急支援対策が薄らぐなかで震災が起きてしまった。体力がなく、資金繰りが厳しいところから順に潰れている。夏場は節電による間接倒産も予想され、事態はさらに悪化しそうだ」と指摘。これから夏にかけて一段と厳しい状況が予想されている。
資金難といえば東電も同様で、2011年3月期決算は事故に伴う1兆円強の特別損失を含め、1兆2473億円の連結最終赤字に転落した。NTTが02年3月期に計上した8346億円を大幅に上回り、事業会社としては過去最大の赤字幅となった。
今後膨らむ損害賠償額などを踏まえると、事態は一企業が負える領域を超えている。いつ潰れても不思議ではない。
だが、民主党関係者は「東電と(会社更生法を申請した)JALは同一視できない。絶対潰さない」と断言するのだ。
震災破綻した企業の経営者が聞けば、怒りに震えそうな優遇ぶりだが、それほどまでに東電を守るのはどうしてか。政府系金融機関の幹部は「最大の理由は社債にある」という。
「東電が発行する社債残高は5兆円で、60兆円といわれる社債市場の8%強を占める。国債に準じる優良な債券として内外の機関投資家や個人も大量に保有している。特に年金基金のほぼすべてが東電債を運用資産として組み入れているため、仮に法的整理になれば、まず海外の年金基金から訴訟を起こされる可能性がある」
訴訟ならまだいい。問題は「信用秩序の崩壊」にある。
「そもそも東電の社債は、電気事業法第37条によって返済が一般債権よりも優先される優先債権に位置付けられている。つまり、デフォルト(債務不履行)が想定されていない。東電債がデフォルトすれば、他の電力債の価格も暴落しかねず、社債市場全体が崩壊してしまう」(同幹部)。社債市場の“メルトダウン”を避けるのが最大の目的というのだ。
東電が倒産すれば、原発事故の被災者も甚大な“二次被害”を受ける。東電への賠償請求権は一般債権に分類されているため、「法的整理されれば請求権は喪失する可能性が高い」(市場関係者)からだ。
宙に浮いた賠償請求権は国に向かい、「国は巨額の賠償金を背負うことになり、それは国民全体で償わなくてはならなくなる。その財源確保として一段と踏み込んだ増税になるだろう」(同)。賠償を受ける側の被災者が自ら税を負担するという妙な現象も起きる。この事態を防ぐというのが2つめの理由だ。
3つめの根拠は、東電の特殊な立ち位置。電力会社は、原子力損害賠償法に守られ、法的に破綻しづらい仕組みなのだ。
福島第1のような原発事故が起きると、原子力損害賠償法が適用される。その第3条では「原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる」と定められている。だが、ただし書きで「この損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときは、この限りでない」と免責事項が規定されている。
この免責事項の趣旨について「東電は法的に破綻から隔離されている」と解釈する法曹関係者は多い。
社債市場の崩壊を防ぎ、賠償を国民負担にせず、法解釈を尊重する。この3つが「東電の倒産はない」との論理を支えているというワケだ。
もっとも、資金繰りが悪化すると、そうも言ってはいられない。
東電は保有する有価証券、不動産などの売却で約6000億円を確保する予定だが、数兆円とされる賠償総額にはほど遠い。経営陣も「このままでは資金ショートする」と公言している。
先日、米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズが長期会社格付けを投資不適格の「シングルBプラス」に落とし、東証の斉藤惇社長が「法的処置が望ましい」と発言したことで株価は暴落。いまの東電は増資も新規の社債発行も難しいのが実情だ。
だが、前出の政府系金融機関幹部は「(新設される)『原子力損害賠償支援機構』が東電の優先株や社債を引き受け、日銀も援護射撃して乗り切るだろう」と語る。
倒産すると、あまりに影響が大き過ぎる東電。「潰さない」ではなく、「潰せない」というわけだ。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素12掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。