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「大量被曝者は100人を超えている!」 4000ミリシーベルトの地獄
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/8957
2011年06月17日(金) フライデー
東電社員2人の250ミリシーベルト以上の被曝が明らかになったが、実態はそんなものではない!福島第一で働いた7800人のうち6000人の内部被曝量を「把握できていない」と東電も認めた
東京電力(以下、東電)が衝撃の事実を公表したのは、6月3日のことである。
3月11日~15日の間、3、4号機の原子炉建屋や中央制御室などで作業をしていた東電の男性社員2人が、福島第一原発の事故の緊急作業で国が定めた被曝限度量の250ミリシーベルトを超える放射線を浴びていたことが明らかになったのだ。
調査をした放射線医学総合研究所(千葉県)によると、2人の推定被曝量は内部と外部を合わせると、最大で650ミリシーベルトにも及ぶという。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「2人以外にも250ミリシーベルトを超えた作業員がいる可能性がある」と認めたが、彼らと同じ期間に同じ場所で仕事をしていた作業員は約130人もいるのだ。原発の労災に詳しい、関西労働者安全センターの片岡明彦事務局次長が呆れる。
「マスクの装着を徹底していなかったなど、内部被曝に対する対策が不十分だったと思います。厚生労働省の資料によると1976年以降、白血病や多発性骨髄腫にかかり労災が認められた原発作業員は10人いますが、そのうち9人の被曝量が100ミリシーベルト以下(右表)、おおむね70ミリシーベルトほどです。
右表:厚労省が昨年作成した、労災が認められた原発作業員の被曝量。10人中9人が100ミリシーベルト以下で発症している
http://gendai.ismedia.jp/mwimgs/8/2/250/img_82b6ea4c04a23f69c935a2d67fba2e5832616.jpg
250ミリシーベルトという被曝量が、どれほど危険な数字か分かるでしょう。3月15日に引き上げた被曝限度量を、国は100ミリシーベルトに戻すべきです」
これほど凄まじい放射線を浴びる現場にもかかわらず、東電の作業員への被曝対策は杜撰(ずさん)極まりない。現在、福島第一で働いている東電の協力会社の社員・中山秀幸氏(仮名、40代)が明かす。
「元請け(親会社)や東電からは、特に何も言われていません。毎朝、作業前に元請けの所長から携帯用の放射線測量計を渡されるのですが、事故前なら警報が鳴るとすぐに作業は中止になっていました。線量が1ミリシーベルトを超えると『ピー』という短い警報が、5ミリシーベルトを超えると、その警報が鳴り続けるんです。でも最近では警報が鳴っても、誰も作業を中断しようとしない。仲間内では『最初は怖かったけど慣れたな』と話し合っています。以前はうるさくチェックしていた東電も、見て見ぬふりです」
さらに中山氏は、大半の作業員が「内部被曝量を知らされていない」と続ける。
「現場で2~3時間作業すれば、10ミリシーベルトほどの放射線を浴びていることは承知しています。でも内部被曝量は、東電から教えてもらったことがありません。1ヵ月以上1F(福島第一の通称)で働いている作業員は数百人いますが、250ミリシーベルト以上浴びている人は100人を超えていると思います。マスクを外して寝泊まりする免震棟の内部でさえ、数ミリシーベルトの放射線量が測定されているんですから。先日も休みの日に作業員同士で酒を飲んだ際に、自虐的にこんな話をしたんです。『あと5年もしたら、俺たち全員がんに冒されてるべ』と」
■マスクを外す作業員も
厚生労働省の発表によると、事故発生から3月末までに福島第一で仕事をしたことのある作業員約3700人のうち、2300人が内部被曝量を未測定。5月23日までに広げると、約7800人のうち実に6000人が未測定だというのだ。東電に問うと、「(大半の内部被曝量を)把握できていない」と認めた。
「福島第一にも『ホールボディカウンター』(内部被曝量を計測する機器)はありますが、安全に検査できる放射線量の低い場所がありません。そのため小名浜コールセンター(福島県)で検査を行っているのですが、一人一人の検査にも時間がかかり、多くの作業員を測定できていないんです。福島第一のホールボディカウンターを、『Jヴィレッジ』(福島県内にある事故対応の前線基地)に移そうと考えています」(広報部)
事故発生から、すでに3ヵ月が過ぎた。なぜもっと早く移設できないのか。作業員の命を本気で守ろうとする気があるとは、到底思えない。
作業現場では、さらに恐ろしい事実が明らかになっている。東電は6月4日に、1号機の原子炉建屋内の配管付近から、毎時4000ミリシーベルトの湯気が噴出していると発表したのだ。これは事故後に観測した最大の値で、広島に原爆が落ちた時の爆心地から1kmほどの放射線量と同等、一度に被曝すると半数の人が死に至るという数値である。
「免震棟には『サーベイマップ』と呼ばれる、1Fの200ヵ所以上の地点で観測した放射線量を記した地図が貼られているのですが、更新されるたびに数百ミリシーベルト以上の高い数値が次々と書き加えられているんです。作業員たちは『今さら対策を考えても仕方ねぇ』と、開き直っています。6月に入り気温が上昇してからは、屋外での作業中にマスクを外す人までいるんです。東電社員は、注意もしません」(前出の作業員・中山氏)
こうした状況に警鐘を鳴らすのは、多くの原発作業員を診察してきた虎の門病院の谷口修一・血液内科部長だ。
「大量の放射線が放出される場所で、マスクを着けないで作業するなど論外です。東電は、作業員の全身完全防護を徹底しなければなりません。大量被曝した作業員は、まず生殖機能が破壊され骨髄機能がダメージを受ける。さらに放置していると、5~10年後には白血病、悪性リンパ腫を発症する人が続出するでしょう」
■紙袋で顔を隠し「いやだよ」
大量被曝した作業員が、バタバタ斃(たお)れる地獄のような状況が、現実のものとなってもおかしくない状況なのである。前出の中山氏は「病気をした場合の補償などについての説明は一切ない」と言うが、東電はどう考えているのであろうか。だが広報部からの返答は、愕然とさせられるものだった。
「社内の労務規定に関する内容なので、回答は差し控えさせていただきます。また協力会社の作業員の方々については、それぞれの会社が定める規定があり、当社の把握するところではありません」
ちなみに福島第一では、約300人の自衛隊員も瓦礫の撤去などの作業に当たっている。そうした自衛隊員には万一の場合、「賞恤金」と呼ばれる国家公務員への一種の慰弔金が用意されているという。
「死亡時には、最大で9000万円が遺族に支給されます。ケガをして障害が残った場合に家族に渡されるのは、最大で7560万円です。原発事故での作業は困難をともなうため、イラク特措法や海賊対処行動と同等の対応がされています」(防衛省大臣官房広報課報道室)
福島第一から半径20km圏内の「警戒区域」にいる警察官にも、賞恤金はある。
「警察庁長官が付与するものとして殉職者に最大3000万円、障害を負った者に最大2060万円の賞恤金が支給されます」(警察庁緊急災害警備本部)
もちろん国の機関と、民間企業は一概に比べられない。しかし250ミリシーベルト以上の被曝者が出ている現場で、死の危険と隣り合わせで働く協力会社の作業員の補償を「把握するところではない」とは、あまりに無責任ではないか。
あらためて話を聞くべく、東電の勝俣恒久会長(71)を直撃した。だが夜9時、黒塗りの車で帰宅した勝俣会長は、高級中華料理店の紙袋を片手に高圧的だった。
「何で撮るんだ! ちゃんと聞けば、しゃべるから」
---では、ちゃんとお聞きします。250ミリシーベルト以上を浴びた社員が出たことについて、お話しください。
「いやだよ」
こう言い残すと、紙袋で顔を隠しながら家の中に入ってしまったのだ。前出の関西労働者安全センター・片岡氏が憤る。
「これだけ危険な作業をさせているのだから、東電は作業員に十分な補償をすべきです。交通事故で亡くなった人の遺族に対して、加害者は2500万円ほどの慰謝料を払うのが一般的です。もし作業員が病気や事故で亡くなれば、東電は最低でもこの程度は払うべきでしょう。10年も経ったら事故が風化し、補償問題がうやむやになってしまう可能性があります。国は、今のうちに東電に補償を確約させなければなりません」
作業員を死地≠ノ追いやりながら、責任を逃れるようなことは許されない。
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