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6月15日 急性放射線障害が出る可能性 小出裕章 (MBS)
2011年6月15日
2011年6月15日(水)、MBS(毎日放送)ラジオ「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。
番組案内
2011年6月15日【水】
今晩の水野アナは石巻市・水浜からです。
今晩も引き続き、水野晶子アナウンサーは東日本大震災の被災地からのリポートで、場所は宮城県雄勝町水浜地区。
そして、今夜の番組のメインパーソナリティは上田崇順アナウンサーが初挑戦です。水浜地区は、上田アナも、4月の被災地取材で、訪れた場所で、番組では、3ヵ月経った現地の問題点などについて、2人のトークを通して、考えてみたいと思います。
京大の小出先生による原発ニュースの解説コーナーもあります!
録音
20110615 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
要約
・(福島第一原発において事故発生の後しばらく、線量計が不足していたため、各作業員が線量計をもたずに作業していたことが明らかになったが?)ひどいことだ。福島第二や柏崎刈羽から融通できたはず。最低限の処置。絶対あってはならない。
・(線量計を持たずに入った影響は?)事故の初期で、いちばん被曝していたはず。被曝の決定的な見逃しにつながった。
・(大勢の人が被曝限度を超えているかも?)超えているだろう。
・(現場を離れる人が増えると作業員が足りなくなる?)当初からそのことが心配だと伝えてきた。チェルノブイリ事故のときは収束までに60〜80万人の労働者、軍人が動員された。日本でそれができるかどうか。大変不安だ。
・(被曝限度を超えた人の管理は?)場合によっては急性の放射線障害が出る可能性がある。事故が起きた当初、ただちに健康に影響はないと枝野さんが言っていたが、私はただちに影響が出る人がいるかもしれないと思うようになった。急性でないとしても、それほどの被曝をすればかなりの確率でガンになる。今後ずっと健康を調査してフォローし、補償する責任がある。広島や長崎の被爆者と同じ。
・(限度超えで仕事を離れた人たちの今後の仕事、収入はどうなるか?他の現場は?)ないだろう。本来東電は生活の補償をする責任があるが、既に東電が何度倒産しても贖えない損害が出ている。国の支援が必要。
・(福島市で子供3万4000人に線量計配布が決まったが?)やらないよりやったほうがいい。ただし線量計によってはガンマ線しか測れない。こどもは地べたに寝転んで内部被曝もするが、線量計では測れない。だから単なる目安にすぎないが、大人がしっかり監視をしてこどもを守るために使うべき。
・(一ヶ月ごとにデータを分析するというが?)実際にはそれほど多くのこどもを調べようとすれば、ガラス線量計、TLDといったものを使って、ある期間分をまとめて分析にまわすのだろう。が、ベータ線や内部被曝にはほとんど無力。
・(持つことによって比較ができる?)そう。どこの小学校が多いとか、その程度のことは分かる。被曝が多い場所のこどもについては被曝低減の方策に使うということだろう。
・(東京都が都内100箇所での測定を始めた。高さ5センチと1メートルで大気中の放射線量を測る。これはどうか?)5センチと1メートルはいいだろうと思う。できればこどものために50センチも測ったほうがいい。
・(その100箇所の線量が軒並み低い場合、そこから安全神話が生まれかねない。100箇所は常に変えたほうがいいのでは?)定点観測が必要。特に人が多いところ、こどもが集まるところなどは必要。そうでないところは順番にまわることもした方がいいかもしれない。
・(これまでのモニタリングでは地上の高い場所もあったが?)馬鹿げたことだ。地上80メートルなど、意味のないことをやっていた。東京都が始めたことを全国で行う方向でやってほしい。
・(一般の人が測りたい場合の注意は?)小さな値だからといって安心はできないし、大きいからといって驚いてもいけない。測定器の性能は大幅に違うため、各測定器の性能を知る必要があるが、いずれにしても個人で入手できるものは簡易型であり、値に重きを置くべきでない。自分で100箇所で測定してみて、ここが低いあそこは高いなどの相対的な比較は可能。なるべく被曝を少なくするための目安にするのがいいだろう。
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