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Project IPTI (プロジェクト イプティー)
http://projectipti.blogspot.com/2011/06/blog-post_7518.html
それは「原発に関わる人間はみんな儲かる」からである。
電力が自由化されない限りは、電力会社というものは、地域独占企業なので競争がない。
だから電気料金の決定方法は、一般企業とは異なる「総括原価方式」という法律に則って決められている。
まず電気の原価を計算する。
原価には、発電所、変電所、送電線の建設費+燃料費+運転費用+広告宣伝費などが含まれる。
次にその原価に適正な割合で保証された報酬(利益)を上乗せする。現在は4.4%。
原価+報酬=電気料金 となる。
上記の様に法律によって電気料金が決められている場合、利益を大きくするためにはどうしたら良いか?
それは発電にかかる原価を出来る限り大きくすることである。
殆どの電力会社は上場企業でもあり、株主に対する企業責任というのは、その企業の利益追及にある。
だから金を湯水の如く使わなければ出来ない原子力発電が、電力会社にとって最も理想的な発電方法なのである。
そして世界一高い電気料金を設定することで、原発に関わる人間の懐が笑いが止まらない程に潤うという構図だ。
原発推進派は「原発は安い」と言い続けてきたのだから、もしもそれが本当なら電力が自由化されても困らないはずだ。
しかし既にもう電力業界がこれから原発にかかる費用に悲鳴を上げている状態なのだから、これは「実は原発は安くなかった」 と証明しているようなものである。
だからこのまま電力が自由化の方向に進んでいくと、原発の費用をすべて電気料金に上乗せするわけにいかなくなる時が来て、その時になって初めてコストや経済性の観点から原発の是非が社会的に問われるのであろう。
もちろん自分が責任を問われてはたまらないから、こういった問題は、出来る限り先送りするのが、最善策ということになる。
原発反対派を黙認・容認派に変えるしくみ
政府は「発電所を受け入れた自治体には莫大な交付金を出してあげます」という「電源三法」という法律を作った。
これには、電源開発促進税法、電源開発促進対策特別会計法、発電用施設周辺地域整備法という3つの名目があって、それ以外にも意味不明な関連法案が増えているのが実情だ。
朝日新聞福井支局「原発がきた、そして今」によると、もんじゅの場合、立地する敦賀市に56億9430万円、隣接の三方郡美浜町に22億5000万円、南条郡河野村に7億9300万円、同郡今庄町に7億5200万円、隣々接の越前町 7億1300万円、武生市と南条町が同じ1億4900万円、今立郡池田町9900万円となっている。
福井県へも12億6550万円の金が入る。
分かっている範囲内だけで、もんじゅ関連で、福井県全体に126億円あまりの交付金が出たことになる。
そして交付金を使い、道路、港湾、医療施設、教育文化施設、産業の導入や振興、福祉対策など幅広く浪費をすることになる。
しかし交付金や固定資産税は何年か経つと貰えなくなるので、金額が極端に減る。
やがて不要な施設を作ったことでたくさんの維持費がかかることに気が付くのだが、もう後の祭り状態だ。
こうして一度原発を受け入れた地域は2号機、3号機を作らなければならない、という仕組みだ。
原発を受け入れた地域の殆どが過疎化による深刻な現実を抱えており、悩んだ末の決断であっただろう。
が、しかしお金の力で人の心を買うような制度がまかり通っても良いのだろうか?特に班目委員長。
日本のエネルギー政策決定プロセスに市民が参加できない構造
本来ならば国民のために望ましい将来の社会を作ることを考えて議論をし、政策を決めるべきなのであるが、そういう発想は全くない。
そしてこの巧妙な手口では、責任者が誰なのか分からない、つまりは誰も責任を取らない無責任体制が確立されている。
まずは「諮問機関」だとか「審議会」という隠れみとなる箱を作る。次に「こういう審議会で公正な議論をした結果、こういう答申を受けたので実行します」というプロセスを経て決定する。
いきなり政治家や官僚が、ある業界に都合がいい政策を提案するのでは疑惑を持たれるから、あくまでも第三者からの提案であることを前提とするのだ。
本当に公正な審議をされては困るので、決まった結論が出る様なメンバーで構成する。
そして公正さを装うために反対派をわざと数人入れておくのだが、最後は多数決なので結論は変わらない。
こういう方法で政策をつくれば、政治家や官僚が悪者にされることもなく、公正さを装って一部の人に都合のいい政策を実行できるのだ。
まぁこれはエネルギー政策に限らず、公共事業など今の日本の様々なケースに当てはまる。
日本のエネルギー政策の元となる「エネルギー基本計画」と「長期エネルギー需給見通し」を作っているのは「総合資源エネルギー調査会」という諮問機関で、経済産業大臣が任命した委員によって構成されている。
現在の「エネルギー基本計画」は、2003年4月から総合資源エネルギー調査会の基本計画部会で審議されたものだ。委員は全部で27名だったが、原子力について縮小論を唱えた委員はただ1人。
それが九州大学の吉岡斉氏であるが、彼曰く「その審議の進め方は一言でいえば、エネルギー一家の家族会議のそれである。そこでは家長(資源エネルギー庁)が、家族構成員たち(エネルギー関連諸業界の代表者や代理人)の意見を一通りヒアリングし、その上で家族構成員の皆(石油業界、電力業界、ガス業界等々)が納得してくれるような裁定を下す」とのことだ。
みんなの努力が大切だ
多くの人が社会を変えることに対して諦めている様に感じるのは、選挙の投票率の低さからか。
どうせ反対しても原発は建設されてしまうのだから、反対しても無駄だ、という考え方は良くない。
次回の選挙では、立候補者がどの政党に属しているのかということよりも、原発に対して賛成派なのか、反対派なのか、基本方針の中身で投票しよう。
決してあきらめないこと。そうすれば必ず皆の願いは叶う。
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