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6月14日 今は戦争状態だと認識すべき 小出裕章 (MBS)
2011年6月14日(火)、MBS(毎日放送)ラジオの番組「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。
番組案内
2011年6月14日【火】
水野アナ、被災地取材2日目。地元災害FMで大物歌手に直撃!?
被災地入り2日目の水野アナ。きょうは宮城・山元町の災害FM「りんごラジオ」を取材しています。地元の人々が奔走し地震発生10日目には役場から電波を出し、、被災者・避難者・町外の人々にタイムリーな生活情報を届けてきました。水野アナもきょう夕方出演したんですよ。さらに水野アナ、りんごラジオを訪れた大物歌手2人にも持ち前の図々しさじゃなくてアグレッシブ精神を発揮して直撃取材してきました。大物歌手が誰かというのはもちろんオンエアでのお楽しみです。京大・小出先生の原発事故解説も。
録音
20110614 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
要約
・(乳牛をすべて処分することになった相馬市の酪農家の方が自殺した。どう思うか?)痛ましいこと。育ててきた牛たちは子供のような存在。その牛たちを自分の手ではどうにもできない事態になっている。他の酪農家の方々も同じ想いだろう。
・(福島第一原発で作業員が相次いで250ミリシーベルトを超える被曝をしている問題で、厚労省が、内部被曝の暫定値が100ミリを超えている作業員を作業から外す指示をした。内部被曝が100ミリ以上の人が20人以上出ているが、どうか?)一般の人の限度は年間1ミリ。放射線業務従事者は5年積算で100ミリまでで、1年間に限れば50ミリまでは仕方ないとされてきた。今回の事故ではそれは守れないため緊急時の基準である100ミリまでが250ミリに引き上げられた。それさえ超えた作業員が出ている。被曝管理は厳密にしなければいけなかった。外すことは当然の措置だ。
・(内部被曝を正確に測るのは難しい?)とても難しい。今回のような事故では、外部被曝より内部被曝の方が深刻になることは予想できた。もっと早くから測定し、守らなければいけなかった。
・(正確に測定できるホールボディカウンターが福島県内に2台しかない。他のところから集められるか?)簡易型から精密なものまでいろいろあるが、精密タイプは全身が入る部屋を鉛で囲う大掛かりなもので簡単には移動できない。簡易型は周辺の汚染からの影響を受けてしまい、一長一短。ただし各原発には設置されているはずで、それを汚染の少ない場所まで移動させて作業員にそこにいってもらうことはできたはず。今は皆はどこまで深刻だと思っているか分からないが、戦争と同じような状態。その認識が足りていない。
・(福島第二原発で、津波で生じた汚染水3000トンを海に流すという。どう思うか?)誤解を招く表現だが、そんなことは放っておけばよい。法定濃度限度よりも低いものであればこれまでも認められてきた。第一原発では法定濃度限度の何千倍、何万倍の濃度の汚染水を流している。今はとてつもない戦争状態であり、何が大切なのかしっかり考える必要がある。
・(福島から1100キロ離れた佐賀県の松の葉からセシウムが検出された。どうみるか?)大した距離ではなく、当たり前のことだ。米国にもヨーロッパにも届いており、全地球に広がっている。そういう中で生きざるを得ないところに追い込まれている。3月11日を境に私たちの世界は変わってしまった。
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