http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/716.html
Tweet |
先週10日(金)の参議院予算委員会の録画をようやく見終わったが、それこそ原子力安全・保安院をハンマーで解体したくなる答弁を聞かされてしまった。
(福島さんを除く、この芝居に立った全員をハンマーでぶん殴りたいけどね)
質疑の最終バッターとして立った社民党福島党首は、3月12日午前8時半すぎに福島第一から6km離れた浪江町で検出されたテルル132問題を質問した。
詳細は参議院のビデオをご覧いただくとして、質問趣旨は、メルトダウン&メルトスルーさらに格納容器にも“穴”が開いた証拠であるテルル132の検出があったのに、その意味をわかりやすくきちんと国民に知らせ、被曝をできるだけ少なくする対応をしなかった政府の責任を追及するものだった。
委員会にはちゃんと出席していた菅首相(本部長)・海江田経産相(副本部長)・枝野官房長官が率先して答弁すべきなのに素知らぬ顔で、原子力安全・保安院の寺坂院長に下駄を預けていた。
寺坂さんはいつもながらのノラリクラリ・ハグラカシで聞くに堪えないのだが、テルル132検出の件は国民に「地震被害情報」の“3月14日”レポートの添付資料として公表していると答えた。
この答弁に、「地震被害情報」は添付文書も含め細大漏らさず見てきたものとして、「ええっ、知らんぞ。テルル132検出問題は先週の阿修羅の転載記事で知ったんだからな」と反応した。
それで、保安院のサイトを訪れてビックリ、中身をみてアゼンというもので、この国の政府の無能ぶりのなれの果てを見させられた気分になった。
■ 3月14日に公表したとの国会答弁だったのに該当資料タイトルでビックリ
(表題部)
• 【5月31日追加】福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所周辺のモニタリング状況について(3月13日18時時点)(別添) (PDF形式:99KB)
http://www.meti.go.jp/press/20110313007/20110313007.html
すぐわかるように、【5月31日追加】の資料であって、3月14日に公表したものではないのだ。それこそ“偽証罪”レベルの答弁だろう。
さらに、表題を見ると、「地震被害情報(第21報)(3月13日 20時30分現在)」となっている。
後からそっと忍びこませたとはいえ、3月14日ではなく、3月13日のレポートに添付された資料である。
内容的には3月13日の日付だから、“3月14日”は寺坂院長の間違いだ。
もう少しは緊張感をもって仕事をして欲しいものだ。
■ さらに、資料の中身を見てアゼン
資料の中身は、もっとひどい。
(本体)
• 【5月31日追加】福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所周辺のモニタリング状況について(3月13日18時時点)(別添) (PDF形式:99KB)
http://www.meti.go.jp/press/20110313007/20110313007-4.pdf
● テルルがない!
表のいちばん右下で、化学が得意のひとはすぐにわかるだろうが、Te(テルル)の右横にカッコ付きで(テクネチウム)と記載されている、そして、その後ろに「−132」と書かれている。
テクネチウムはTc(原子番号43)であり、目が悪く化学も不得意だったひとが担当したのか、テルルをテクネチウムと取り違えている。
1カ月半も経ってからもぐりこませているのだから、原本はそのまま掲載するとしても、まともな政府組織なら、訂正文書くらいちゃんと添付するはずだ。
(キャリア官僚は、この資料を読んでもいないのかもしれないが...)
● しかも、テルル132は“未検出”
表のテルル(テクネチウムと表記)132の値はNDだから、Te132は検出限界以下か未検出だったことになる。
寺坂院長は、テルル132検出の件は国民に公表していると強弁したが、“テルル132未検出”を公表しただけで、肝心の検出は公表していないのである。
保安院は、よくまあこれだけもというくらい、テルル132問題たった一つで数々の失態を見せている。
福島さんは、寺坂院長の答弁を受けて、「確かに数字だけはテルル132と出ているんですよ。でも国民にはわからないですよ・・・」と続けた。
まあ、資料をサイトで確認しないまま質疑応答をしているのだろうからいいけど、ちょっとだね。
さらに、あの“口先”枝野官房長官は、テルル132の検出がもつ意味は福島さんの今の質問ではじめて知ったと臆面もなく言い、「ただちに健康に影響はない」の原発事故広報官としてはふさわしい知識や能力がないことを自白した。(念のため、ホントは知っているのだからね)
このような枝野長官の答弁やこの問題の大きさから、福島さんは、菅さんや枝野さんを責めなければならないのに、寺坂保安院院長を指名して責め続けるという「予定調和」に入った。
(保安院の解体は既定路線だから、保安院がデタラメな組織という印象を与えることで決着をつければいいのだろう)
そのあとの福島さんの主張を聞けば、責める相手が、保安院の官僚ごときレベルではなく菅首相もしくは枝野官房長官であることは誰でもわかることだ。
(まあ、保安院がひどい組織だということがわかるだけでもいいのだが)
※ 参照記事
「事故直後のデータを公表せず(NHK)「当時、公表しようという考えに至らなかったことは深く反省している」原子力安全・保安院」(赤かぶさん)
http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/290.html
※ 6月10日参議院予算委員会:社民党福島党首の質疑
「休憩1から終了」部分の2時間50分から
参議院TV中継
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素12掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。