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(回答先: 原発を止めたら電力不足が即座に起こると思いこんでいるアナタ → ダマされていますよ - (民間人です) 投稿者 七転八起 日時 2011 年 6 月 11 日 14:11:55)
申し訳ないが、こういう不正確な議論は、かえって原発推進派の利するところとなるので、甚だ迷惑であり、辞めて頂きたい。
>(2005年の統計で)アナタは日本にある全火力発電の利用率はどのくらいに
>なっているか知っていますか? 100%なわけありませんよ。「80%」?
>NOです。 「70%」? NO。 まさか「60%」? マダマダ大きすぎです。
>なんと48%しか稼働していません! 一方の原発。頑張っているので約70%
>の利用率です。総発電量の3割を占めています(原発を重要に見せる数字
>のマジックが行われています)
>ねっ 火力発電を 48% → 70% にupする。その結果 原発の発電は
>全く必要無いのです。
この数字のからくりを説き明かすとこうなる。
夜間の消費電力量は、昼間のピーク時の約20%しかない。それで、一日中動かしっぱなしの大型発電所が、昼間のピーク時の約30%の電力量を常に発電している。この大型発電所の代表格が原子力発電所。これは原子力発電所が基本的に「止めることが難しい」という構造的な「欠陥」に起因するもので、それゆえ原子力発電所は、定期検査の時以外は動きっぱなしになる。だから稼働率は70%になる。
夜が明け、経済が動きはじめると、電力消費がどんどん高くなり、おおざっぱに言えば、昼を頂点とする三角形を描く(正確には昼前に一回ピークがあり、お昼休みに落ち込み、昼休み後にまた持ち上がり、おやつ時には落ち着くが夕方に盛り返すという2〜3こぶある形になるが、おおざっぱには三角形と考えて頂きたい)。それで中型火力が稼働し始め、お昼のピーク時には小型火力が動き始める。そして順序、電力需要にあわせて出力を落としていく。電力需要の形はベースの需要を除けばおおざっぱにみれば「三角形」なので「稼働率」は約50%になる。
これは小型火力は安定運転時の熱効率をよくすることが難しいが、発電するための「お湯を沸かす」のが早いので、即応性がある。燃費は悪いがスピードの早いレーシングカーみたいなものだ。そして、中型、大型火力になるにつれ、この熱効率と即応性の関係が逆転してくる。それで、小型から大型発電所になるにつれ、稼働率はあがる。
だから、単純に
>火力発電を 48% → 70% にup
しても、「昼間の電力供給は賄えない」のである。この点を認識しなければ足元をすくわれることになる。
問題は、この稼働率の分母にある。
稼働率とは実際の発電量を、「利用率」が100%の時の発電量で割った値であり、利用率とは、実際の発電量を、定格の出力を(簡単に言えば)出しつづけた場合の発電量で割った値のことである。つまり、火力を調整すれば、発電量は変わる。だからON/OFFだけで表す稼働率では不正確で、弱火で運転しているときも、強火で運転しているときも計算にいれてやりましょう、という値のことである。まぁ、合理的ではあるのだが、
ここまで書けば、例えば工場のラインでいうところの稼働率とは少し違うということに気がつくだろう。つまり、稼働率48%というのは、使っていない発電所が50%あるという意味ではないのだ。もっと詳しくかくと、分母には「運転していて、出力が見込める発電所」が全て入っている*。では、意図的に出力を見込んでいない発電所、たとえば、休止中の発電所についてはどうなのか、ということである。もう、眠いからあとは自分で考えてくれ。「バックアップ火力」とは何か調べればいい。
*こういう数字のトリックは、やたら低い値をたたき出す「完全失業率」にもあたる。これは、働いている人を労働者人口で割ったもので、労働者人口は働きが見込める人を指している。つまり、数週間職安に言って就職活動をしなければ、たとえ五体満足で意欲に溢れていたとしても労働人口にはカウントされない。おなじこと。
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