http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/586.html
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「[外部電源喪失のウソ]津波でディーゼル発電機が水没しても「全交流電源喪失」を回避できたはずの福島第一」
http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/577.html
のコメント欄に対するレスを兼ねています。
コメント欄に書いた方がいいとは思っていますが、すでに多くの人にお読みいただいており、わざわざ再読されるのはコメント欄に投稿していただいた方くらいかなと思いスレッドを立てさせていただきました。
外部電源維持と事故の推移については、より詳細に詰めなければ確定的なことが言えませんが、これまで事故原因をいろいろ分析してきた蓄積をベースにざっくりと思うところを書きます。
「たら、れば」は事故対策には意味がありませんが、原発に危険性や稼働条件を考える参考にはなると思います。
【03. さんのコメント】
>福島第一原発の安全装置ECCS(非常用炉心冷却装置)は8年前に外されていた
原口ツイッター情報で拡散したものらしいと承知していますが、高圧注水系に従来ついていた凝縮系装置を撤去した話で、ECCS自体を外したわけではありません。
もちろん、当初の設計では高圧注水系の機能を高めるために必要な装置と考えられていたのですから、機能が下がることは確かです。
これは、東電福島第一に限った話ではなく、BWRに関して全てを対象に順次行われた作業です。
なぜそのようなことが行われたかと言えば、10年前(2001年)に浜岡原発1号機で起きた水素爆発で高圧注水系凝縮系パイプが破断するという重大事故が起きたからです。
配管に水素ガスがよどんで溜まり燃焼(爆発)に至り、配管を破壊したというものです。
そして、そんなことが起きるならいっそ撤去してしまえばいいという発想で指示された措置です。
>地震で配管が破断し冷却水ダダ漏れだったらしいから電源生きてても事故は
>起こっていただろう。
交流電源が生きていれば、注水や冷却の可能レベルがまったく違いますから、1号機の破局スピードを相当遅らせることができたと考えています。
1号機はダダ漏れの一方で「非常用復水器」はほとんど機能せず、原子炉への注水は、全炉心がメルトダウンしてしまったずっと後の12日朝6時を過ぎてからようやく開始というとんでもない経緯でした。
絶妙の対策を採っていれば、メルトダウンを避けることがひょっとしてできたのかなと思わないこともありません。(このへんの見通しはまだできていません)
決定的なことは、メルトダウンまで進んだとしても、水素爆発は避けられていました。
可燃性ガス処理系、可燃性ガス濃度制御系、建屋内&格納容器の空調設備など水素爆発を抑制する機能をすべて作動させることができたからです。
2号機は、配管などに損傷がなかったようなので、交流電源が生きていれば問題なく冷温停止に進んだと考えています。
3号機は、おそらく高圧注水系の配管にそれほど大きくない亀裂が生じていたようなので、高圧注水系を避けた対応で注水と冷却を行っていれば、メルトダウンは回避できた可能性が高いと思っています。
水素爆発は、1号機で説明したかたちで同じように回避できていました。
もちろん、4号機は、交流電源があれば、燃料プールに注水するために意図的な“爆破”をする必要はないわけですからまったく健全な状態が保たれていたことは間違いありません。
2号機と4号機の現在は、建屋内浸水はともかく、5号機や6号機と同じ状況で保たれていたはずです。
このように、津波で非常用ディーゼル発電がオシャカになって非常用交流電源がなくなったとしても、外部電源から高圧交流がとれていれば、事故の様相はまったく違ったものになっていたのです。
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