もし米国と英国がＩＥＡＥを批判したならその理由は、「自分たち推進側（政府）はこれほど安全管理には厳しいぞ」という演技をして、

１．自国内の原発推進支持を強固にする一方、反原発運動を孤立させる。
２．原発主導国として原発マーケットを維持するため、原発輸入国の不安を払拭する。

ことを狙ったものだろう。

つまり基本的に、米国、英国のＩＥＡＥ批判は原発をやるためであって、原発の危険性でＩＥＡＥに対する警戒心を持ったドイツの批判とは根本的に異なる。

したがって、米英がもし「天野外し」まで画策してるなら、それは十分あり得る話だ。なぜなら「天野外し」は米英の原発政策の信頼性を高めるにあたり、より効果的なスケープゴートになるという点と、本来内緒にしておかなければならない軽口天野の「米国ポチ」のドジ発言にブチ切れてお払い箱にしようという一石二鳥を狙ったものだからだ。

米英の「天野外し」には裏があり、天野の後任は天野のようなドジ発言をせず、米英のためにより上手く立ち回る原発推進人間を据えるつもりである。

そのようなことはもちろん知ってます。だからこそ米国や英国（とくに米国）は天野外しをしようとしてんですよ。判りますか？

つまり、ＩＡＥＡを、米英中心の核政策(原発を含む）沿うよう思い通りしたいと考えてるのが米国。その最大の狙いはイスラエルと米英の中東覇権のため、ことさら核疑惑を強調しイラン攻撃の口実を作ることで、もちろん英国も米国の相棒です。

そのために米英はイラン攻撃に都合のいいジャッジをするよう従来よりＩＡＥＡに圧力をかけていました。

イラン核査察で「核疑惑の証拠は見つからなかった」と調査結果を出した前事務局長のエルバラダイを、イラン攻撃の口実が欲しい米英は気に入らなかったのは当然です。そのエルバラダイの後継が天野で、天野も米英の圧力のターゲットでした。

米英が、自分の国益のためＩＡＥＡをイラン攻撃に利用する悪だくみを、世界に隠したいのは当然です。

そんな米英の陰謀最中に天野が、米英から受けた圧力をバカ正直に、

「（私＝ＩＡＥＡは）イラン核問題や幹部役員の任命を含むあらゆる重要な戦略的意志決定については米国に同意する」（０１では「米国ポチ」と言う言葉でそれを表現した）

などと口を滑らせたのをウィキリークスに暴露されたので、こんなドジ男をいつまでも置いていたら悪だくみがやりにくいと思うはずです。
丁度安倍晋三が中国敵視や核武装論など爪を隠しておかないドジを踏んで、米国からお払い箱になったのと同じです。

だから、世界を騙しながらイラン攻撃と原発推進をやることを国是としている米英は、この両問題の挽回を一挙に図るため福島原発を利用したということです。

すなわち、

１．世界が脱原発に傾きつつある危機感（原発マーケットが衰退する）から、世界が批判的なＩＡＥＡの福島原発扱いを先頭に立って批判することで、安全管理の積極性をアピールし原発衰退の流れを阻む。

２．ＩＡＥＡを批判することで、ＩＡＥＡが米英の出先機関疑惑を払拭する

３．口軽ドジな天野をお払い箱にし、もっと上手く振る舞うポチにすげ替える。

もしＩＡＥＡ批判の３国のうちふたつが米英なら、こういう狙いが米英のＩＡＥＡ批判＆天野外しと私は見ており、茶番劇と言ったのです。

０４末尾の１.にちと補足すると、米英にとってＩＡＥＡは中立公正と世界に思われてないと困るということです。米英がＩＡＥＡを悪だくみに利用する価値が無くなるからです。福島原発への今回のＩＡＥＡの対応は世界からも甘いと見られてます。つまりＩＡＥＡの信頼度が無くなりそうなわけで、そうなっては悪だくみにＩＡＥＡを利用するさい世界から米英の傀儡としてのＩＡＥＡの対応や表明を信用してもらえません。
そこで、落ちかかっているＩＡＥＡの信用を取り戻すにはＩＡＥＡ批判をすることで、中立公正であるという行動あるいは表明をＩＡＥＡ自ら出させようというのが、米英がＩＡＥＡを批判するもうひとつの理由と私は見てます。