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2011.06.08
海も空も泣いている
奇しくも同じ6月8日付のニュースで、東京都の下水処理施設、「南部スラッジプラント」と「東部スラッジプラント」に関するものが2つ報じられた。
「都の下水処理施設で高放射線量…避難区域に匹敵」(読売新聞)
東京都大田区の下水処理施設内の空気中から、毎時約2・7マイクロ・シーベルトの放射線量が検出されていたことが、都の調査で分かった。計画的避難区域の福島県飯舘村の放射線量と同程度で、文部科学省によると、都内でこれほどの放射線量が検出されたのは初めて。放射性物質を含む汚泥の影響とみられるが、都は「検出場所は屋内。敷地の境界では問題なく、誤解を招く恐れがある」とし、調査結果を公表していなかった。都によると、この施設は都下水道局の「南部スラッジプラント」で、都内2か所の下水処理場で発生した汚泥を集めて焼却し、灰を東京湾に埋め立てるなどしている。都の5月の調査では、この施設の焼却灰から1キロ・グラム当たり1万540ベクレルの放射性セシウムを検出していた。(2011年6月8日)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110608-OYT1T00603.htm?from=main1
「都の汚泥処理施設 付近の土から放射性物質」(東京新聞)
江東区の保護者でつくる「江東こども守る会」は七日、都庁で記者会見し、都の汚泥処理施設「東部スラッジプラント」(同区新砂三)近くのグラウンドの土から高濃度の放射性セシウムを検出したとする独自調査の結果を発表した。調査は、同会が神戸大大学院の山内知也教授(放射線計測学)と実施。検出されたセシウムは一平方メートル当たり二三万ベクレルで、放射線障害防止法で、放射線管理区域からの持ち出しが制限される汚染基準の約六倍という。また、プラント周辺と同区の荒川、旧中川沿いでは、放射線量が毎時〇・二マイクロシーベルトを超える地点が多くあった。山内教授は「値が高い地域の位置と風向きを考慮すると、下水を通じてプラントに集まった放射性物質が処理過程で再び大気中に放出されている可能性が高い」と主張。同会は同日、プラントの稼働停止と調査などを求め、都に要望書を提出した。(2011年6月8日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20110608/CK2011060802000025.html
‥‥そんなワケで、久しぶりの日記だけど、「いかがお過ごしですか?」は割愛させていただいて、さっそく本題に入りたいと思う。まず、最初の大田区の「南部スラッジプラント」のニュースは、施設内で福島県の計画的避難区域と同レベルの放射線量が検出されたけど、検出場所が「屋内」で、敷地の境界では問題なかったために、東京都は発表しなかった、と言うもの。そして、2つめの江東区の「東部スラッジプラント」のニュースは、施設の近くのグラウンドから高濃度の放射性セシウムが検出されたけど、それがプラントで下水汚泥を焼却処理する時に大気中に放出されたものではないか、と言うもの。
前々回の日記、「政府が隠す首都圏の汚染レベル」の中で、あたしはNHKの「ネットワークでつくる放射能汚染地図 〜福島原発事故から2か月〜」を紹介したけど、この放送の中で、放射線衛生学の研究者、木村真三さんが、福島第一原発から22キロ地点の田村市都路町の土壌を計測した時のセシウムの数値が「1平方メートルあたり24万ベクレル」だった。これは、チェルノブイリだと、国によって移住が補償されるゾーンの数値なんだけど、江東区のグラウンドも「1平方メートルあたり23万ベクレル」だったんだから、簡単に言えば「人が住むには危険なレベル」ってことになる。このグラウンドで子供たちが野球やサッカーをしたら、砂ぼこりと一緒に巻き上げた放射性物質を口や鼻から吸い込んでしまう危険性もある。
2つめの記事にある山内知也教授の主張が正しければ、江東区の「東部スラッジプラント」だけでなく、大田区の「南部スラッジプラント」でも、その他の都内のプラントでも、もちろん他県のプラントでも、そこで焼却処分してる下水汚泥が放射能汚染されてる場合は、処理の過程で放射性物質が大気中へ放出されてる可能性があるってことだ。それも、江東区のグラウンドの「1平方メートルあたり23万ベクレル」という高濃度の汚染状況から推測すると、相当の濃度の放射性物質が放出されてると考えられる‥‥ってことで、前々回の日記の中で紹介した次のニュースを再掲する。
「汚泥の焼却灰から高濃度の放射性物質 東京」(日テレ24)
東京都の下水処理施設から出た汚泥の焼却灰から、一キロあたり17万ベクレルという高濃度の放射性物質が検出されていたことが日本テレビの取材でわかった。東京都によると、江東区の下水処理施設「東部スラッジプラント」で3月25日に採取した汚泥の焼却灰から、一キロあたり17万ベクレルの放射性物質が検出されていた。同じ時期に採取した別の2つの施設の焼却灰からも、一キロあたり10万ベクレル以上検出されていたという。これらの焼却灰は、すでにセメントや建築資材などに再利用されている。国は、12日になって福島県に対しては一キロあたり10万ベクレルを超える汚泥は県内で焼却するなどした上で、焼却灰は容器に入れて保管すべきとの指針を出したが、福島県以外に対する基準は現在もない。(2011年5月13日)
http://news24.jp/articles/2011/05/13/07182670.html
この記事の内容と、今日紹介した「東部スラッジプラント」の記事の内容を総合して考えてみると、放射能汚染された下水汚泥を焼却処理することによって、含有されてる放射性物質が濃縮されるだけでなく、そのうちの何パーセントかが大気中へ放出されて、その日の風向きによって、周辺に高濃度の汚染エリアを作り続けてるんじゃないかって推測できる。だから、今回のニュースでは、調査をした「江東こども守る会」が「東部スラッジプラント」の稼働停止と調査を求める要望書を東京都に提出した‥‥ってことだけど、本来なら、他のプラントもすべて早急に調査すべきだと思う。
下水汚泥を焼却処理してる時に煙突から出る煙を調べるだけなんだから、簡単な上に結果も一目瞭然だろう。そして、もしも高濃度の放射性物質が検出されたら、一時的にでも稼動を停止させて、毎日大量に出る下水汚泥をどうすべきか、急いで対策を考えなきゃならない。東京では、複数の下水処理施設で、1日に合計100トン前後の下水汚泥を処理してるけど、この大量の汚泥を少しでも減らす目的で焼却処理が行なわれてる。だから、焼却処理によって放射性物質が大気中へ放出されてるってことが分かれば、焼却処理を中止するのは当然だけど、それと平行して、放射能汚染された大量の下水汚泥をどうするか考えなくちゃならない。
‥‥そんなワケで、これは、福島原発の放射能汚染水とおんなじ問題だと思う。福島第一原発では、大量の放射能汚染水を海へ放出して、東京電力はアチコチから批難を浴びたけど、今度は、おとなしく冷温停止してるハズの福島第二原発のタービン建屋などに溜まってた放射能汚染水を約3000立方メートル、海へ放出する検討を始めたって発表した。福島第二原発は、第一原発と違って敷地内で普通に作業できる状況なんだから、重機を入れて突貫工事で巨大なプールを作り、そこに放射能汚染水を一時的に移動するとか、そうした選択肢はないんだろうか? 放射性物質を「海へ棄てる」「空へ棄てる」というのは、他に何も方法がなくなった場合の「最後の手段」と考えるべきなのに、まるで日常的なことのように行なわれてる気がして、ホントに胸が痛くなる今日この頃なのだ。
投稿者 きっこ 日時 2011.06.08
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