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政府・東電公表:2号機隔離時冷却系は「電池」ではなく「水源の枯渇」が停止原因:日本政府は“国際ペテン師”で指名手配?
http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/495.html
投稿者 あっしら 日時 2011 年 6 月 09 日 17:47:12: Mo7ApAlflbQ6s
 


「ブログ記事&日経新聞記事に見られる誤りの指摘とある奇妙なコメントへのコメント」(http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/373.html)で、2号機の原子炉隔離時冷却系が3月14日午後に止まった原因をめぐる誤りを指摘したが、これまであいまいにしてきたこの停止問題を政府・東電が明確に原因を認めている資料があったので紹介する。


6月7日、政府は、福島第一原発事故について、間もなく開催されるIAEA閣僚会議に出す報告書を公表した。

「原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書について」
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/backdrop/20110607001.html

(8日までは見通しのいいレイアウトで公表していたのだが、現在はガサッという感じで置いてある)


そのなかの「添付資料4−3」は「図表集」で、事故当時の非常用炉心冷却系(ECCS系)機器等の状況も号機別に一覧になっている。

「図表集」
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/backdrop/pdf/app-chap04-3.pdf


この「図表集」の18ページが「表1-2 1F-2 非常用炉心冷却系(ECCS系)機器等の状況」である。(1F-2は、福島第一2号機のこと)

その表の真ん中からやや下に、「炉注水」という中分類があり、その最初にRCICという項がある。

RCICとは、原子炉隔離時冷却系のことである。

その備考欄に、「地震後、津波後に手動起動。暫くして、高圧蒸気喪失」と記述してある。

これは、その翌朝圧力抑制室の損壊を引き起こし、大量の放射性物質の漏洩と拡散につながる遠因が述べられていることになる。

2号機隔離時冷却系は、日経新聞が書いているような、「電池」の寿命が原因ではなく、「水源の枯渇」による“高圧蒸気の消滅”が停止の原因なのである。
であるから、それからどれだけ稼働し続けたかはおくとしても、2号機の格納容器に注水をしていれば圧力抑制室の破損は避けられたはずなのである。

(たとえ、RCICが停止しても、注水の継続で圧力抑制室のプールに水が入っていれば、あのような損壊につながることはなかったと考えている)


日本政府は“国際ペテン師”で指名手配という過激な表現を使ったが、同じ表を見るとわかることなので、その理由を簡単に説明する。

それは、いろいろなECCS機器の“健全性”を評価する基準(根拠)があまりにひどいからである。

表のなかのECCSはすべて略語表記になっているので日本語名称を付す。

RHR:残留熱除去系
RHRS:残留熱除去海水系
CS:炉心スプレイ系
HPCI:高圧注水系
RCIC:原子炉隔離時冷却系
MUWC:復水補給水系

SFP:使用済み核燃料プール
FPC:燃料プール冷却浄化系
RHR:(燃料プール用)残留熱除去系


注目してもらいたいのは、「地震スクラム〜津波到達直前まで」の機器の“健全性”について、注1がいっぱい付いていることである。

では、注1は何かと言うと、非常に小さいので読みにくいが、表の下、出典の上にある文字列である。

(おいおい、そこまで出典を大きくして、そこまで注記を小さくする必要があるのかよと言いたくなるものである。年寄りの目には厳しい(笑))

内容は、「本震で比較的大きな揺れを経験した5号機では、地震発生後の3月19日に残留熱除去系を使用しており、当直員によるパトロールからも各系統・設備に大きな損傷は認められていない。また、これら機器が設置されている原子炉建屋地下階で今般得られた観測記録における最大加速度は、機器の動的機能維持確認済加速度を十分下回っている。このことから、各機器は概ね確保されていたものと推定される。」といものである。

ざっくり意訳すると、「3月11日の地震で大きな揺れを観測した5号機のECCS系の機器に問題は見つかっていないから、他の号機も健全だったに違いない」というものである。

大笑いであろう。
地震の揺れだけが、機器の健全性を決定するわけではない
それぞれの原子炉は、経過年数も異なり、事故履歴も異なり、仕組みが違うのである。

さらに、機器は物理的な損傷を受けていなくても、津波前に起動したとされている非常用ディーゼル発電機のAC電力が“通電”していなければ単なる金属の塊でしかない。

それらを含めて検証しなければ、○など打てないのである。

IAEAの会議向けにこのような恥知らずの総括をしている日本政府(保安院・原子力安全委員会)は、“国際ペテン師”と指弾されても仕方がないと断ずる。

とにかく、地震後津波前、1から3号機のすべてでAC電源を使うECCS系は動いておらず、「非常用復水器」や「隔離時冷却系」といったAC電源を使わないものしか動いていないのである。

(この表でも、「S/Pクリーング」で作動を確認とあるが、原子炉冷却で動いたとはどこにも書かれていない。「S/Pクリーング」とはサプレッションプール(圧力抑制室プール)冷却のこと)

IAEAは原発推進団体なので阿吽の呼吸でやり過ごすことができるかもしれないが、海外の研究者はそれほど甘くはないので、近いうちに指弾の声が上がるだろう。

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「ブログ記事&日経新聞記事に見られる誤りの指摘とある奇妙なコメントへのコメント」からの関連部分引用

【引用】
「2号機の隔離時冷却系について、バッテリーでは約8時間しか動かないはずのものが、起動と停止をくり返して30時間以上動いていたことに疑問を呈している。」

【コメント】
この表現は記事中の「装置は蒸気が発生する限り動くが、弁の開閉には電池が必要。保安院は「8時間程度は持つ」と説明してきたが、推定通りならこれを大きく超えて3日間動き続けてきた。」に相当する部分だと思う。

しかし、隔離時冷却系は、通常運転中ならタービンに送られる主蒸気を隔離弁でシャットアウトして原子炉を隔離し、原子炉で発生する蒸気を隔離時冷却用のタービンに用いることで電源喪失状態でも原子炉に注水ができる装置である。

バッテリーは、原子炉を隔離するための主蒸気隔離弁閉操作と隔離時冷却ポンプへの弁開操作、水源となる復水貯蔵槽や圧力抑制室の配管弁の開操作、冷却系の原子炉への注水配管の弁の開操作に必要なだけなので、8時間とかいった連続した長時間の寿命は不要である。

弁の開閉操作を常に続けるという必要はまったくない。隔離弁は閉操作1回(異常事態だから開けることはない)、隔離時冷却ポンプへの弁開操作も1回(電源回復で他の冷却系が稼働するまでそのまま)、復水貯蔵槽配管と圧力抑制室プール配管の弁も開操作1回(水がなくなれば漏れ出すことはないので閉める必要はない)、原子炉への注水配管の弁操作も開1回(注水をやめる時は電源が回復して残留熱除去系など通常の設備が回復した時)だけである。
1号機で話題になった「非常用復水器」はポンプの稼働用電源として電池を使うので8時間しか寿命がないのである。
(ABWR=改良沸騰水型原子炉は主蒸気隔離弁が電力ではなく空気で動くようになっている)
これら少ない弁動作が行える電池からの電力供給があれば、あとは原子炉内の崩壊熱で生じる蒸気を利用して稼働を続ける。

この隔離時冷却系は全電源喪失という“異常事態”で動く装置で、異常事態が3日も続くという想定はないから、今回の事故のように3日近くも稼働したことで想定を超えたと言われている。

「起動と停止をくり返して30時間以上動いていたことに疑問」という表現はおかしい。
2号機隔離時冷却系の起動・停止は、東電公表ベースで、起動が1回、途中での停止が1回、水枯渇で最後に停止となっている。
起動(15:02)と途中の停止(15:28)は、地震発生後すぐのできごとであり津波襲来の前である。

そして、12日2:55に隔離時冷却系が作動していることを確認し、それからは、水源を切り替えた(12日5:00)だけで1日13:25まで動き続けている。
日経新聞の記事には、公表データとは別に、「緊急停止3分後の3月11日午後2時50分、「原子炉隔離時冷却系」を手動起動した」、「しかし起動後1分で自動停止した」という記述がある。
このような操作実績は初出である。

それはともかく、その操作も15:02の操作も、隔離時冷却系より優先度の高いECCSや残留熱除去系が作動しなかった可能性を示唆するものである。
操作の時刻は津波前なので、非常用ディーゼル発電によるAC電源があり、本来ならば、最後の砦である隔離時冷却系よりECCSや残留熱除去系が先行して作動しているはずである。

2号機では、地震による損傷で非常用ディーゼル発電によるAC電源が受電できなかった可能性がある。(受電用遮断機の非作動の影響か?)

「30時間以上動いていたことに疑問」については、3日近く動いていたのが想定外だとしても、電池寿命云々は関係ないから疑問というわけではない。
電池寿命と結び付けるのは錯誤である。

保安院が実際にそのような説明をしたかどうかはわからないが、「8時間程度は持つ」は、1号機の「非常用復水器」の話の可能性が高く、仮に2号機の隔離時冷却系でそのような説明をしたのならウソである。

>「疑問を呈している」主語は日経かもしれないが、この点についてはたしか保
>安院さえ疑問を呈していたはず。もし格納容器に注水がなされてさえいれば、
>隔離時冷却系がずっと働き続け、2号機圧力抑制室破裂という重大事態は避け
>えたなどと、機器の不全の可能性を「東電・政府の大失態」にすり換えた阿修
>羅の至宝あっしらさん。専門家は誰もそんなことはつゆぞ言っていないよ
>うだ・・・といっても阿修羅有象無象の多くは、そもそもなんのことやら
>さっぱりわからないだろうけど。

大笑いのコメントありがとうございます。
当該日経新聞も、「装置は蒸気が発生する限り動くが、弁の開閉には電池が必要」と説明しており、弁の開閉と電池の関係は上述しているので、“必要な”弁の開閉操作を示し、電池がその操作を行うことでどれくらいの時間で寿命が尽きるのか説明しなければ、私の考えを否定できるわけではないよ。
専門家といっても、“悪意”(知っていながら政府・東電の意向に沿って説明)のひともいれば、能力的に不足のひともいる。
専門家が言っている言っていないではなく、あなたの言葉で少しは説明してみたらいかがかな。
2号機の隔離時冷却系が長い期間動いたことを驚異と考える専門家のコメントは多数でています。
しかし、それは、電池寿命絡みではなく、核分裂が停止した崩壊熱のみの原子炉で発生する蒸気を使うポンプが、あれだけ長い期間稼働し注水を続けたことへのものです。

※ 参照投稿

「[2号機圧力抑制室損壊問題]東電資料より:S/Cプールの水は隔離時冷却に使われ防護機能を喪失:圧力破壊の可能性が大」
http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/219.html
 

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コメント
 
01. 2011年6月09日 17:58:41: EszHBBNJY2
東京電力は原発にいた責任者も含めて多くの東電社員が
刑事責任を追及される。また追求されないと1億2000万人が被爆した怨嗟と
怒りに時の政権が耐えられない。
いずれ、東電以外に政府と官僚機構へ怒りの矛先が向くだろう。
子供を被爆させた親の後悔と怒りは、多少の血ではあがないきれないと見たほうが良い。



[削除理由]:阿修羅にはふさわしくない内容の投稿
02. 555 2011年6月11日 02:17:03: LU.i4ai8kfQas : P4KoHrlY16
日本政府と東電は国際裁判で断罪されるべきだ!!!!

チェルノブイリの当事者は銃殺ときいた!
現政治家と中曽根前首相も断罪されるべきだ!



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