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NHK NEWS WEB 6月9日 4時24分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110609/k10013409671000.html
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、国が福島市や浪江町など福島県内11か所で骨に蓄積する性質のある放射性ストロンチウムの土壌調査を行った結果、すべての地点で検出されました。専門家は「量はごく微量だが、もっと観測点を増やして飛散の実態を解明すべきだ」と指摘しています。
文部科学省は、ことし3月下旬から5月中旬にかけて福島市や南相馬市、それに二本松市や浪江町、飯舘村など福島県内10の自治体の11か所で土を採取して分析を行いました。その結果、11か所すべてから放射性物質のストロンチウム90が検出されました。ストロンチウム90は、原発の燃料のウランが核分裂するときに出来る放射性物質で、放射線の量が半分になる「半減期」が29年と長く、カルシウムと性質が似ていて体内に吸い込むと骨に蓄積し、がんを引き起こすおそれがあるとされています。検出された値は、最も高かった浪江町で土壌1キログラム当たり250ベクレル、飯舘村では1キログラム当たり120ベクレルでした。そのほかの地点では2ベクレルから18ベクレルで、原子力安全委員会は「検出された値は各地で検出されている放射性セシウムに比べて、ごく微量で、土の中にあることなどから、健康に直ちに影響するものではない」と説明しています。また、原発からおよそ60キロ離れた福島市内でも検出され福島県内の広い範囲に飛散し、ほかの放射性物質と同じように原発の北西方向で高い値になる傾向にあることが分かりました。これについて放射線の影響に詳しい福島市の医療生協わたり病院の齊藤紀医師は「検出された量は、ごく少ないが、ストロンチウム90は骨に蓄積するなど健康影響がある放射性物質だけに、観測点をもっと増やして、飛散の実態を解明した方が市民の不安解消につながる」と指摘しています。今回の結果を受けて文部科学省は観測点を増やす方向で検討するとしています。
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