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原発災害マニュアル、全然使えず 政府、全面改訂へ
図解http://www.asahi.com/national/update/0608/TKY201106080687.html
2011年6月9日3時5分 朝日新聞
原発事故が起きた場合に中央省庁と自治体、電力会社が現地で対応を調整する仕組みを定めた政府の「原子力災害対策マニュアル」が東京電力福島第一原発の事故では想定外の事態が重なり、ほとんど活用されなかったことが分かった。政府は全面改訂に着手した。
朝日新聞が入手したマニュアルは1999年に茨城県東海村で起きたJCO臨界事故後、経済産業省を中心に策定したもので、A4で123ページにわたり関係機関の対策を細かく規定している。原発近くの指揮所に対策本部を設けて省庁や自治体、電力会社などが情報を共有。首相官邸に事故処理や避難指示について現場に即した対策を提言する狙いがあった。
ところが、今回は指揮所が被災してマニュアルの根底が崩れ、関係機関は初動段階からマニュアルに頼らず対応するしかなかった。
菅直人首相が3月11日に緊急事態を宣言した直後から、現地対策本部長となる経産省の池田元久副大臣をはじめ各省庁や東電の幹部らはマニュアル通り、福島第一原発から約5キロ離れた大熊町にある指揮所「オフサイトセンター」に集合。ところが指揮所は停電して非常用電源設備も故障し、原子炉の圧力や温度、原発施設の放射線量などの基礎データを把握できなかった。電話も不通で、官邸や福島県、市町村とのやりとりは困難を極めた。
機器の操作や広報対応を担う「原子力安全基盤機構」の職員や周辺市町村の職員は、指揮所にたどり着けなかった。出席者が集まり次第開く「協議会」は同日中に開催できなかった。
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