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(回答先: 隠されていた決定的ミス 東電はベントの方法を間違った! MITとAREVAが指摘(現代ビジネス) 投稿者 虎丸花蜂 日時 2011 年 6 月 07 日 10:40:19)
まず、班目原子力安全委員長は、少なくとも、ほぼ1年前である平成22年3月まで、日本原子力技術協会の「非凝縮性ガス対応技術検討会」の委員長を務めている。
そして、平成22年3月に「BWR配管における混合ガス(水素・酸素)の燃焼による配管損傷防止に関するガイドライン(第3版)」という資料の巻頭の言葉も彼のてになるものである。
(このような考察は、平成13年12月の浜岡原発1号機で起きた水素爆発による配管破断事故を受けてのものであろう)
班目氏は、水素爆発のエキスパートであり、原発の配管構造のなかで水素がどのように動くかは十分に知っていたのである。
マサチューセッツ工科大学(MIT)で原子力工学を研究する学生らによる"MIT Nuclear Science and Engineering"と題されたブログを意訳した「蒸気の放出路として、格納容器の上側、建屋内の空間に通じるパイプが選ばれた。この時、水素ガスと蒸気が建屋の上部で空気と混ざった。この段階では水素と空気中の酸素は大量の蒸気と混合しているため爆発しない。だが、建屋上部は天候の影響で格納容器より温度が低い。蒸気は水へと凝縮し、水素と空気の混合物の濃度が増していった。この状態がある程度続いた後、何らかの発火要因(設備のスパークなど)で爆発が起きた。これが1、3号機で起きたのではないか」という考察は、基本的に正しいと考えている。
日立の元原発エンジニアである田中さんは、「酸素がたくさんあるオペレーションフロアに向けて水素を吐き出すのだから、水素爆発が起きるのは当然。素人同然のレベル」と批判しているが、今回のベントと水素爆発は、ベントがドライベントでありながらまったく事前説明もなく対応策の説明もなかったことを除けば、すぐには非難できないと考えている。
田中さんの指摘通り、非常用ガス処理系の一部を利用するため(全電喪失なので全面的には利用できない)「オペレーションフロアから煙突に向かう排気管があるため、いったんオペレーションフロアに蒸気を流した」と思う。
しかし、「燃料棒の一部が露出する程度に水位が減っているのは分かっていたが、それほど水素は発生していないと甘く見た」という指摘は誤りであろう。
班目氏に限らず、東電も政府も、完全に炉心が溶融し切っていることを知っており、どれほどの量の水素がジルカロイ(燃料被覆管)の酸化で発生したかはわかっている。
東京電力広報部は「当社のベントは、格納容器内の気体を排気筒までつながるベントラインを通じて外に放出する行為なので、建屋内に蒸気を放出した事実はない。アレバ、MITの見解についてはコメントする立場にない」と回答したというが、それは、12日第1回のウェットベントに関するものであり、14時半ごろとされる2回目のドライベントには通用しない。
なぜ、1回目がウェットベントで2回目がドライベントかと言うと、敷地内の放射線量の変化でわかるからである。
1回のベントは10;17に実施されたとされるが、10:10に6.65μSVであった正門付近の線量が10:20に180.2μSv、10:30に385.5μSvに跳ね上がることでそう認められる。
2回目のベントは14:30頃とされているが、15:29にMP4で1015μSV(=1mSv)という破格的な線量を示したことで、ウェットではなく、ドライでベントをしたらしいことが窺い知れる。
そして、15:36に1号機の原子炉建屋は水素爆発を起こす。
おそらく、班目氏をはじめ政府・東電の上級スタッフは、1回目のベントで期待したほど格納容器の圧力が下がらなかったことから(5気圧absが続く)、格納容器の保護を第一優先テーマとし、水素爆発が起きてもやむなしとの判断で、原子炉圧力容器上部にあるベント管から大量の水素を含むガスを建屋に放出したと考えている。
(格納容器経由ではなく、原子炉圧力容器から直接のベントである。そうでなければ、爆発を起こすほどの大量の水素が建屋に流れ込むことはないだろう)
その必要があったのかと言うと、5気圧程度の圧力だから格納容器に緊急度の高い危険が迫っていたわけではないから、難しい判断になる。
さらに、すでにか、ほどなくかはともかく、格納容器にも“穴”があいているわけだから、そこまでの手段を講じる必要はなかったとも言える。
しかし、あのような事態だから、よりよい選択(格納容器の全面的損壊はとんでもない話)をしたと認めることもできると考えている。
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