http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/413.html
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今日(6/7)、福島第一原発事故調査委員会の第1回会合が開かれるという。
5月16日に東電が事故直後データを公表して以来、洪水のような勢いで隠されてきた情報が流れ出している。
そして、そのような流れの一つの終着点として、昨日、保安院から次なるレポートが発表された。
「東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故に関わる1号機、2号機及び3号機の炉心の状態に関する評価について」http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/20110606-1nisa.pdf
6月6日のタイミングで出してきたということは、今日の「事故調査委員会」第1回会合に照準を合わせた動きなのであろう。
そして、のちに具体的に示そうと思っているが、その評価内容は実にデタラメであり、アジア太平洋戦争(大東亜戦争)中の“大本営発表”そのままの自己保身と願望を反映させた作文でしかない。
そのようなトンデモ資料が、組織論的問題は別として、おそらく「事故調査委員会」での事故原因をめぐる議論の下敷きになるはずだ。
原発推進機関であるIAEAも、予測通り、「津波の危険を過小評価」と日本政府や東電にエールを送る内容のサマリーを発表した。
アジア太平洋戦争(大東亜戦争)は、東京裁判(極東軍事裁判)はあったが、国民全体が「敗戦責任」を問うこともなく、300万人同胞が死にアジアをはじめとする諸外国に多大な損害を与えた問題がうやむやのまま現在にいたっている。
現状の動きをみれば、これからもまだまだ続く未曾有の災害である福島第一原発事故も、うやむやなかたちで総括され、原発の存続や東電の温存などが大きな顔をして罷り通りそうな気がしている。
これものちほど詳細を投稿したいが、福島第一原発事故で津波がもたらした事故要因は極めて小さいのである。
福島第一原発事故をざっくり総括すると、次のようになる。
(別に、これが真実だとか、すべてを説明しているとか言いたいわけではない。拙い思考力で到達したものでしかないが、最低限、東電や保安院そして御用学者が提示している事故原因よりはまっとうだと確信している)
● 地震で生じた停電をバックアップするはずの非常用ディーゼル発電機は稼働した。しかし、その電力は配電盤まで通じたとしても、緊急時に作動しなければならない冷却装置までは通じなかった。
※ これは、1から3号機のすべてで、津波到来前の段階で本来ならば起動すべきECCSが起動せず、非AC電源系の「非常用復水器」や原子炉隔離時冷却系が自動ないし手動で起動したことからわかる。
東電と保安院は、1号機と2号機に関してこのような可能性を匂わせているが、3号機は健全性を主張している。
おそらく、受電用遮断器が地震で故障し、外部電源が切れた条件で進むシーケンスが途絶えたためだろう
※ 参考資料
「福島第一原子力発電所内外の電気設備の被害状況等に係る記録に関する報告を踏まえた対応について(指示)に対する報告について」http://www.nisa.meti.go.jp/earthquake/files/houkoku230523-2.pdf
● 1号機は、既に書いたが地震で配管(原子炉冷却材再循環系)が損壊し、冷却材喪失事故(LOCA)と全電喪失事故(津波前時点で)が同時進行するかたちで破局的状況に陥った。
※ 参照投稿
「1号機は津波ではなく地震による損傷でメルトダウン:再循環パイプの破損で津波前から毎時25トンの冷却水漏れ」
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/584.html
「「津波原因」説のゴリ押しで「地震原因」を封印する東電&保安院の大暴挙:D/W冷却系起動のみで1号機の冷却機能が正常だと!」
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/702.html
● 2号機は、3月11日から外部電源の復旧を射程にして動いていれば悲劇を回避できたはずなのに、電源車に依存し続け(12日の夕方まで)外部電源の復旧を遅らせてしまった。さらに、ありがたいことに隔離時冷却系が稼働を続け、圧力抑制室のプールを意図的に汲み上げていながら、その補給を怠ったために圧力抑制室の損壊を起こし、今回の事故で最大量の大気中への放射性物質漏洩につながった。
※ 参照投稿
「[2号機圧力抑制室損壊問題]東電資料より:S/Cプールの水は隔離時冷却に使われ防護機能を喪失:圧力破壊の可能性が大」
http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/219.html
● 3号機は、地震で配管(どこか現在不明)に亀裂が生じ、最低限、圧力容器から蒸気が漏れる状態になっていた。このためかどうか定かではないが、圧力容器で発生する蒸気を利用する隔離時冷却系は、2号機と異なり、20時間ほどしか稼働しなかった。AC電源で稼働する高圧炉心注水系が14時間ほど動いたが、停止後急速に水位が低下しメルトダウンに向かった。
● 4号機は、燃料プールの水が沸騰蒸発して燃料棒がメルトダウンに進むことを事前に回避するため、機器類プールから水を燃料プールに移すために意図的な爆破行為が行われた。
※ NHKスペシャルでも、最近の4号機のクリアな映像が出ていたが、火災が起きたことなぞまったく考えられない煤一つ見えない建屋内部の状況だった。また、3号機からの排気管を通じての水素流入は絶対にあり得ず、水素爆発は目くらましの“仮説”である。
※ 参照投稿
「[最後で最大の謎]意図的に“爆破”された4号機原子炉建屋:火災説や水素爆発説の流布で国民や世界を愚弄」
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/536.html
失礼なことに、タイトルのような小出さん批判をしたのは、すでに自分が作業負荷の限界レベルに達し、政府が進めているペースに沿いながら検討や批判を行うという見通しがないからである。
小出さんたちが原発をなくしたいと思っているのなら、今回の事故原因を徹底的に調査し、原発が日本列島にあること自体が間違いであることを、一人でも多くの国民に知ってもらう努力をするのが責務だと思う。
このままいけば、地震には耐えた原発だから、津波対策さえすればこれからも稼働を続けても大丈夫という誤った“気分”が世の中の支配的なものになりかねない。
小出さんはテレビを見ないそうだが、このような緊急時にはテレビも見てほしい。
塩素38否定にあっさりうなづいたり、3号機核暴走爆発説にもそれなりの可能性を認めたり、生物は放射線と共存できないといった誤った情緒的発言をするなど、学者さんはやっぱダメだと思っていた。
しかし、そうはいっても、原発関係の学者で良心的なひとは少ないから、小出さんたちに総力を挙げてもらって、原発事故の真の原因を力強い論理と分かりやすい説明で幅広い国民に示してもらうことを期待するしかない。
とにかく、原発事故原因をめぐる論戦の機会は残り少ないのである。
このまま事故原因に蓋がされてしまうというとんでもない危機が目の前にある。
小出さんに接点がある方は、是非ともこのことを小出さんに伝えていただきたい。
タイトルで口汚く罵ったことをお詫びするが、それは小出さんに縁があるひとに投稿を読んでいただきたかったことと半分は本音である(お詫びになっていないって(笑))。
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